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第一コンバットコミュの第14話「実録 第一コンバット十年史」

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2002年のアキライチコンの失踪に加え、タクヤイチコンはさっぱりベースを握らないために、既にベースを弾けなくなってしまっており、第一コンバットは全く機能しなくなっていた。

たぶん、この時点で実質的な第一コンバットの息の根は止まっていたのだと思う。結成から6年が経ち、ライブという晴れ舞台を一度も踏むこともないまま、自然消滅していたのだ。

そうそれはまるで、蝉の幼虫が地中であっさり息絶えるかの如く、まったくもって地味で無意味なバンド生態だったのだ。

そんなことを知ってか知らでか、エイスケイチコンは日々家で黙々とギターを引き続けていたようだ。

そしてそれだけでは飽きたらなかったのか、彼の会社の同期にドラムを叩ける者がいて、その男とスタジオに入っているらしかった。

その男の名前はヒコ。
後に第一コンバットの3代目ドラマーとなる男である。

エイスケは、頻繁にヒコとスタジオに入っている様子であった。


「なぁなぁ、会社でさ、ドラム叩けるやつがいてさ、そいつがドラム上手いんよ。おまえもスタジオ入らへんか」とエイスケがいうのだが、練習不足でベースを弾くことさえままならないタクヤイチコンは「ふ〜ん」と聞き流す。

そんなやり取りが10回は続いたのではないだろうか。
正直なところ、タクヤはもうベースを握ることがめんどうくさくなっていたのだ。

「お風呂入ったあと、ベース握ると、手の皮むけちゃって痛いしなぁ」とか、「タブ譜(※1)に並んでる数字を覚えるのめんどくさいよなぁ」とか、そんな後ろ向きのことしか考えられなくなっていたのである。

しかしエイスケの勧誘はしつこかった。
余りにしつこく誘うので、「まぁ、暇だから行ってみるわ」とつい言ってしまったのである。

<つづく>

※1 タブ譜
タブラチュア譜、奏法譜ともいう。
記譜法の一種で楽器固有の奏法を文字や数字で表示するもの。
ギターの場合、弦が6本あるので、6本の線で譜面が示されており、指で押さえるべきフレットの場所が数字で示されている。
ベースの場合は4本しか弦がないので、譜面は4本線でより単純である。
耳コピができない人や五線譜が読めない人でも、このタブ譜通りに指を押さえれば楽器を弾けますよという優れた譜面であり、いわば音楽ハンデを持つ人がそのハンデを克服できる補助ツールである。
しかしながら、タブ譜に頼りすぎると、演奏する曲が増えれば増えるほど、ひたすら数字を暗記しなければならない状況に陥ることとなり、最終的には、楽器の練習をしているのか、記憶力を鍛えているのかわからないこととなる。

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