ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

第一コンバットコミュの第2話「実録 第一コンバット十年史」

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
確か1996年の11月2日だったと思う。
セックスピストルズの再結成ライブは18時からはじまるのに、僕もエイスケ氏もはじめてライブをみいくということからか気合が入りすぎて15時過ぎには会場であるIMPホール(※1)についてしまった。

仕方がないのでとりあえず下見にいくかということで会場の入り口まで無駄に足を運んでみる。「へぇ〜ライヴ会場ってきれいなとこなんだね〜」とかおのぼりさん全開の発言をのんきにしていると、左手のほうからやけにデカいガイジンさんが入り口に向かって歩いてきた。

もっ、もしや。

僕とエイスケ氏の顔がこわばったの言うまでもない。

そのガイジンさんはご丁寧に入り口の真正面、つまり我々の目の前、すぐそばで立ち止まり、僕ら二人を見つめた。握手でもしたいのかいといわんばかりの顔で。

しかし僕もエイスケ氏も微動だにできなかった。初めてみにいくライブである緊張感に加え、おそらくこの人はセックスピストルズのメンバーの可能性が濃厚であるが、ジョニーロットン(※2)ではないので名前までおぼえていない。もし違ったらどうしようみたいな。

しばらくの無言の間があったあと、彼は会場の中へと入っていった。

「おっ、おい、いまのピストルズのメンバーちゃうん?」
「うっ、うん、たぶん、なんか写真にいたような気がする」

われわれは近くにある書店にダッシュした。書店のロッキンオンはもちろん再結成ピストルズについて触れていた。その写真に写っていたのはさっき立ち止まったガイジンだった。彼の名はスティーブジョーンズ(※3)。セックスピストルズのギターである。

ライヴ後、その日の興奮は夜中まで覚めやらなかった(※4)


そしてこの遭遇事件は、エイスケ氏がギターを買うきっかけとしては十分すぎるものであった。1ヵ月後の12月に彼はギターを購入した。

エイスケ氏は今でこそ第一コンバットの中で、土日出勤も行う一番の勤労者であるが、当時、つまりギター購入後の彼は、学校にこない、サークルにもいかない、バイトもしないというギター仙人のような生活に徐々に突入していった。

年があけて1997年2月とかだったと思う。
珍しく経済学部の講義で顔を合わしたエイスケ氏とバンド名をどうするかという話になった。この頃、エイスケ氏からベースを買え買えと薦められていたが、「わかった、そのうち買うよ」とごまかしていた頃であった。つまり、当時楽器としてはギター1本しかないのにバンド名は決めてしまおうという不思議な話であった。

講義中、色々なバンド名っぽいワードがエイスケのノートにかきこまれていったが、いまいちピンとくるものがなかった。しばらくしてその作業にも飽き、居眠りをはじめたりしたのだが、大学の授業というものは長いもので、寝ておきてみてもまだ授業が続いている。

そこで、前日の夜中の1時過ぎにやっていた再放送アニメシリーズの「ヒーローは眠らない!」という枠の中で「黄金バット」(※5)のアニメを思い出した。そもそもそんな「ヒーローは眠らない!」とかいう番組をみているから講義中に眠ってしまうのだ。

「オーゴンバット」と片仮名で大学の長机の上にシャーペンでかいた。

隣にいたエイスケ氏が「なにそれっ、なにそれっ?第一コンバットってなに?」と何故か食いついてきた。

「えっ?黄金バットだよ。昨日夜中にやってた」

「あぁ。でもさ、第一コンバットってかっこよくない?」

「そうか?軍隊っぽくないか?」

「いや、かっこいいよ。バンド名にしようぜ。第一コンバットで」

「わかった。じゃあ通称イチコンな。流行りの略字バンド名(※6)も必要だし」

ギター1本の楽器しかなく、いまだもって練習もしたこともないメンバー2人によって『第一コンバット』というバンドが作られた瞬間であった。

<つづく>


※1 IMPホール
大阪市中央区にあるホール。ZEPPがなかった当時は、ベイサイドジェニーレベル以上のオルタナバンドやパンクバンドといった外国バンドに利用されることが多かった。
鶴橋駅から歩いていくと15分ほど時間がかかるのだが、その途中で「18金ピアス100円〜18金ピアス100円〜」というおばはんの声の安っぽいアナウンスが大音量で流れてくるのが妙に印象的であった。
また、IMPホールは大阪城ホールからも近く、ピストルズのライブ日の大阪城ホールはMr.Childrenのライブの日で、ダフ屋のおっさんが「ミスチル?ミスチル?セックス?」ときいてまわっていた。

※2 ジョニーロットン
セックスピストルズのボーカル。ジョン・ライドンとも名乗る。
再結成時は、パンクのカリスマとは到底思えない不思議な踊りを披露し、旧来のパンク命なヤカラ達を困惑させた。
再結成後、行方しれずとなっていたが、2004年イギリスのテレビの落ちぶれた芸能人がジャングルでサバイバルするというリアリティ番組に突如登場。尻を出したり、ダチョウにつつかれたりという醜態をさらすが、そのことにより一流コメディアンとして再認識されることとなる。シド・ヴィシャスやカート・コバーンのようにカリスマ期に死んで伝説となることよりも、むしろそのあと落ちぶれても生き抜くことのほうがよっぽど難しいのではないかと考えさせられずにいられない。
なお、当時エイスケイチコン氏はジョニーロットンの自伝も読破しており、パンク精神に溢れていた。

※3 スティーブジョーンズ
セックスピストルズのギタリスト。
この当時ガタイがやたらでかくみえたのは緊張による目の錯覚ではなく、そもそも彼がウェイトリフティングにはまったりしていたらしい。
セックスピストルズ以後はソロ活動を行ったり、元ガンズ&ローゼズのダフ・マッケイガンらとニューロティックアウトサイダーズというバンドを組んだり、元Xのhideのバンドzilchにも参加していた。
上記のジョニーロットンの自伝をエイスケ氏は読んで、スティーブジョーンズがフランスパンを指でほじって自慰行為を行うというくだりがやけに気に入ったのか、よくその話題を口にしていたのをおぼえている。

※4 ライヴ後、その日の興奮は夜中まで覚めやらなかった
特にエイスケ氏のその日の興奮はハンパなかった。
翌日イベント会場で気球をあげるというバイトが入っていたので、僕もエイスケ氏もライブ後、友人のサイトウ君に車で鶴橋まで迎えにきてもらったのだが、その車中でサイトウ君が「なんかセックスピストルズって名前が変だよね」的な発言をしてしまい、それにプツリときてしまったエイスケ氏は車中でサイトウ君と口論をはじめてしまった。今でこそ温厚なイメージの強いエイスケ氏であるが、当時はパンク精神に溢れており、キレっぱやかった。
当時は気づかなかったが、この頃から僕とエイスケを取り巻く友人関係は“大学で関わってる人”から“ロック好きな人達”へと徐々にシフトしていった。

※5 黄金バット
昭和初期の紙芝居のタイトルロールの主人公。黄金バットは長い歴史をもち、昭和後期には漫画・映画・テレビアニメ化され数々の作品ができた。
この「ヒーローは眠らない」で再放送されたテレビアニメは1967年から放送されたものではなかろうか?
主人公の正義のヒーローは金色のがい骨で黒いマントを着ており、ピンチになった子どもが「こうもりさんたすけて」というと、高笑いとともに現れるのだが、どうみても気持ち悪く、正義のヒーローにはまるでみえないところがポイントである。
(参考写真:http://image.blog.livedoor.jp/jacket_collection/imgs/2/3/230b7d43.jpg
また、
どこ、どこ、どーこからくーるのか、おーごんばーっと、おーごんばっと♪
こうもりだけーが知っている♪
という昭和歌謡的な主題歌も印象的であった。

※6 流行りの略字バンド名
当時波にのっていた日本のバンドはMr.Children(ミスチル)、The Yellow Monkey(イエモン)、The Brilliant Green(ブリグリ)など略表記できることが必須であった。
この法則を使うと、第一コンバットも略されなければならないのだが、ミスチル、イエモン、ブリグリのように各単語の頭をとった略し方だと第一コンバットの場合「ダイコン」になってしまうので、それはイケてないだろということで、「イチコン」という略名を用いることとなった。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ここまで読んでしまったのに、この第一コンバットコミュニティに加入していない人は、みんなこのコミュニティに加入しよぅ!!
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=10834075&comm_id=410594

コメント(4)

しばをさんは話に絡んでくるのでしょうか。
あとイチコン荘ができるきっかけなんかも気になりますねー
てかこんな時間に更新してて仕事してるのか心配です(笑)
まぁ授業サボって見てるおれも終わってますが。
>zak★さん
まだまだこのペースだと続くねー!

>cozyくん
そのあたりの話も第一コンバットが
デジタル化の波におされてくるころに
触れられるだろうと思われますよ。
っていうかおれも心配(笑)

>キラリンさん
ご加入ありがと!!
たのしんでちょ。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

第一コンバット 更新情報

第一コンバットのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。