麦からのプレゼントコミュの1.1998年京都に生まれる

僕はイングランド（イギリス）原産の、ゴールデン・レトリーバー。

遊ぶことが大好きで、大きい身体に似合わず、人なつっこく、とても優しい性格ってよく言われます。

他の犬とはもちろん、猫やウサギや鳥とだって仲良くできます。
でも一番仲良しなのは人間かな。

1998年7月1日。
僕はとても蒸し暑い夏の日に京都で生まれました。
一緒に生まれた5人（匹）の兄弟姉妹と、お母さんのおっぱいを取り合いっこしながら楽しい毎日を過ごしていたんだよ。
お母さんのおっぱいは6つあったんだけどね、出のいいのとそうじゃないのとがあってよく喧嘩になったっけ。
噛み合ったり叩き合ったりして、周りからは仲が悪そうに見えたかもしれないけれど、ジャレていただけで本当はとても仲良しで、夜になるとみんな寄り添って寝ていました。

2週間くらいたった頃、お母さんが「大事な話があるから」とみんなを集めて話を始めました。
お母さんは真剣な顔をして「あなたたちはもうじき離ればなれになるのよ」と言うのです。
「えっ、悲しいー！嫌だー！」って、みんなが騒ぎ出しました。
でも「あなた達ゴールデン・レトリーバーは、悩んでいる人や心の病んでいる人間のそばにいて『癒してあげる』という大事な使命を持って生まれてきたんだよ」と言われて、姿勢をキリッと正したのを覚えています。

生まれて1ヵ月半後、僕たちはお母さんが言ったとおり、みんなそれぞれ知らない人に引き取られて行きました。
僕が行ったところには、他にもたくさんの犬や見慣れない動物がいるところで、ペットショップと言うところだと後で知りました。
僕はここで他の犬達が話す『関西弁』という言葉を覚えたのです。

そのお店には、毎日いろんな人が出入りしました。
みんなお母さんの言うとおりどこか病んでいるのかなぁ。
いくら見ても僕にはよくわかりません。

そうそう、僕たちとはカタチも声も違う動物がいました。
とても可愛かったので声をかけると「猫といいます」と自己紹介をしてくれましたよ。
とても仲良しになって毎日話をしていたんだけど、ある日知らない人に抱かれてお店を出て行ったっきり帰ってきませんでした。
一番古くからいると言う黒いラブラドールが「新しいお家が見つかったのだよ。」と教えてくれました。

僕にもいつかそんな日が来るのかなぁ。

つづく