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一法庵コミュの2010年代を目前に控えて見えてきたもの--山下良道先生のメールより

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親愛的朋友


大家好


お元気ですか。今日も突きぬけるような青空が拡がっています。湿度の高い日本とはやはり違って、ヒマラヤ山麓の澄み渡った空気のためなのでしょう、何か空と自分との間に何も存在していないかのごとく、太陽の光が直接降り注いてきています。


上の写真はその光を浴びながら、Deer Parkにおける二回目のリトリートの最終日(11月23日)に撮影したものです。今回は一回目の参加者に加えて新たな人達も加わりました。オーストラリアやイギリスなどからです。なかでも私の左に座っているインドの男性は、昨年に引き続いての参加でした。ディアパークでの昨年の五日間リトリートにも参加してくださいました。その後、ボンベイ近くのプーネの自宅に戻られてからもずっと瞑想を続けてきたそうで、今回またリトリートがあると知って、はるばる参加してくださったのです。ほんとうにうれしいですね。彼いわく「仏陀がお生まれになったインドの国の人間として、もういちど仏教を真剣に学びたい」とのことです。12月下旬に私もボンベイ、プーネに行くと知らせるととても喜んでくれて、一ヶ月後の再会を約束しあいました。


昨日の朝、リシケシから角張さんも到着されました。ブータン巡礼の時と同じく、ディアパークの様々なものの撮影も始まりました。私とはまた違った視点からの撮影なので、皆さまにディアパークをより深く理解して頂けると思い、今日までの分を私のモバイルミー・ギャラリーで公開しましたので、ご覧ください。http://gallery.me.com/sudhammacara#100451&bgcolor=black&view=grid 
いままで余り紹介出来なかった、このまわりの村の様子も沢山撮影されています。インドの村の様子を見てなんだか懐かしい気がしてきませんか?この付近は二毛作のため、麦の植え付けがちょうど始まりつつあります。また上空のパラグライダーも写っています。このビール村というのは、地形と風の吹き方が適しているために、世界でも有数のパラグライダーのメッカになっているのです。


さて、今回のリトリートでも本当にたくさんのことが明らかになりました。一法庵で気心が知れた仲間達とともに議論を重ねてきたことを、それとは全く違うインドという場所で、初めて出会う主に西洋人とインド人を相手に、英語で話したときに、いったいどういう反応があるか、どれほど理解して頂けるのか?法話の席での参加者の反応と質問、インタヴューの席での率直な会話を通して言えることは、一法庵とDeer Parkとのあいだに一ミリの違いもないということなのですよ!毎年それを確認するために、インドに来ているとも言えるでしょう。それがどれほど私に自身と勇気を与えてくれることか。


今回Deer Parkで明らかになりつつことがらは、来年また一法庵で皆さまと一緒にじっくりと参究してゆくことになると思いますが、一つだけ言えるのは、来年いよいよ2010年代に入り、瞑想が全く新しい地平にはいってゆくだろう、ゆかなければいけないだろうということです。それは個人ひとりひとりの瞑想は勿論のこと、「地球全体としての瞑想」とも言うべきものが、いままでとは違う次元にはいってゆくという強い予感がしているのです。


違う次元とはいったい何か?「瞑想の対象」ではなく「瞑想の主体」がいよいよ問題になってくる、そういう「新しい次元」です。そう、「誰がヴィパッサナーをしているのか?」とも「誰が(何が)呼吸を観察しているのか?」とも、みなさんと話してきました、今年既に我々が徹底的に問題にしてきたことです。


今年一年かけた我々の参究の中心はこの点にあったのですが、それを伝えるのにどれほど多くの言葉を費やさなければいけなかったか。それは、内田樹先生が次のように言われる通りです。
学ぶというのは「自分が知らないことを学ぶ」のではなく、「自分がそれを知らないことさえ知らなかったことを学ぶ」という一つ次数の高い営みなのです。       大学生活のツボのツボ  http://kobe-college.jp/tatsuru/


「自分がそれを知らないことさえ知らない」つまり自分がいまもっている既成概念の外にあること、それだけを問題にしているからです。


この「一つ次数の高い営み」のような事柄を、いま出会ったばかりの人に限られた時間内で伝えることなど出来るのか?と思われるでしょうが、それが出来るのですよ。それはたぶん、ここがインドという地で、リトリートの参加者もそれぞれが多くの経験を持った人達だったからでしょう。そして何より、会場として使わせていただいたDeer Parkの本堂!!こんなに瞑想しやすい場所を私は知りません。ここだったらどんな人でも、すっと瞑想に入ってゆけると思います。どんなこころも落ち着かせる不思議なヴァイブレーションがこの空間にはあるのです。つまり、すべての条件が整っているから、伝えたかったことが伝わったのでしょうね。


明日の夜7時半からオリエンテーションの話しをして、土曜日の朝からまた三回目の、そしてDeer Parkでは最後になるリトリートが始まります。参加者も到着しはじめ、いまもニュージーランドの女性とロシアの男性がインタヴューに来られました。今回はどんな出会いがあるでしょうか?


リトリートの後、来週の木曜(12月3日)の午後には次の目的地にむけてDeer Parkを出発することになります。あっというまですね。12月にはウッタラプラデシュ州やボンベイ市で、おおぜいのインド人達のど真ん中にはいってゆくことになりますが、とてもわくわくしてきます。インドという土地がもっている不思議さについて、ずっと考えているのですが、いったいこれは何なのでしょうか?それはたぶん人間のこころを「垂直方向」に向かわせる力が、ここにはあるのではないか?と思わざるを得ないのです。このさき私自身がどれほど「垂直方向」に深まってゆけるのかとても楽しみです。


それでは、師走をまえにお忙しくなると思いますが、お元気でお過ごしください。インフルエンザは大丈夫ですか?


                                with Bodhicitta


                         一法良道  Sudhammacara Bhikkhu




p.s. 来年1月に帰国して最初に参加するのが、鎌倉建長寺で行われる「菜食シンポジウム」であることは、ブログページの「今後の予定」の欄でもお知らせしてありますが、その詳しいウェブサイトができたようなのでご紹介します。 私の友人の片山佳子さんが、企画されていますので、皆さまも是非ご参加ください。精進料理の藤井まり先生、スローライフの辻信一先生が話されますよ。一法庵の仲間も参加します。
http://vegeculture.com/Event.html


p.p.s. 以前にもお知らせしたように、ここは無線ランがあり、私のノートブックもインターネットに繋がった状態です。最近、発見したのが、「France 24」です。ご存じですか?いわば、フランス版CNN, BBCです。この「France 24」の特徴はテレビで視聴するのと同じ番組を、ネット上でそのままストリーミングのライブ放送を24時間しているのです。是非一度おためしください。http://www.france24.com/en/ をクリックしたあと、右上にある 「Watch France 24 」をクリックすればプレーヤーが現れ、画面を大きくすることもできます。英語と仏語を選ぶことができます。(アラビア語も!)アメリカやイギリスとはちょっと違った「フランスの見方」が少し新鮮です。たとえば、イラク戦争の反省を大きく取り上げています。


日本にいるときと、外国にいるときの大きな違いは、国際ニュースを実に身近に感じるところです。日本にいるとどうしても、「どこか遠い国のできごと」となってしまうのですが、今は全く違います。私が現在いるところなど、もうインドとパキスタンの国境に近いのですから、パキスタン、アフガン問題もまったく「じぶんごと」です。今日、11月26日は、ボンベイのテロからちょうど一年でもあるので、日本でもニュースが流されたことと思います。12月下旬に初めて訪ねるボンベイではたして何が待っているか?といっても、あれからインド国内のテロは激減していますので、どうぞご安心を!

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