ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

生徒会文芸部コミュの不完全作品発表トピック

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
物語を作っている途中で脇道に逸れた空想や、起承転結のまとまりは無いけれどとりあえず書いてみたもの、とりあえず案が出来たので見てもらいたいもの等を発表するトピックです。

試験的に置きます。需要次第で雑談と統合しようと思います。

コメント(16)

エロパロ板のしかるべきスレに書く予定のものの下書き。



もどかしい時間、「あと30分ね」を待ち終えて、妹の部屋のドアを叩く。ほどなく鍵の空く音がして、隙間から妹の眼がのぞく。妹は周囲を気にするように無言で僕の手を引き、僕もそれに倣ってそそくさと部屋に入る。背中越しに鍵を閉める妹。屋根裏で息を殺すユダヤ人のようだ、と思う。ナチスの目など無いし、両親だって下の階の居間テレビを見ているというのに。
これはつまり妹に酷く後ろめたい想いをさせているということだ。僕は申し訳ない気分にさせられる。
上と同じ。まだ骨組み段階。



床に座りベッドを背もたれにする僕の上に倒れるように妹、抱きつく。シャツの胸に顔を埋めたまま話す。(泣く?)
「嘘だからね、全部。ほんとはお兄ちゃん頭いいんだから。昔から私なんかより頭良くて、なんでも出来て…」「変な考え起こさないでね」「わたしの前からいなくならないで」
「しないよ。こんな可愛い妹がいるのに世を儚むなんて贅沢だ」「もう秋か」「そろそろ日差しも強くなくなるし、頑張って外に出てみよう」
「そうだ、目黒の自然教育園に行こうか。綺麗なところだし、あまり混まない。妹……聞いてる?」
「聞いてる。こうしてるとお兄ちゃんの声が直接響いて安心するの」
「……それでね、あそこは秋になると大きなススキの根元にナンバンギセルの花がたくさん咲くんだ」
まだ外に出られた頃の記憶。現在どうなっているだろうか。
「ナンバンギセル。どんな花?」
「煙管の形をしたピンク色の花だよ。寄生植物で、自分では光合成をしないんだ。だから葉を全く出さない。ひととき花だけを出すんだ」
「(妹、笑う)」
「なに?」
「やっぱりお兄ちゃんはなんでも知ってるんだ」「また私を連れていってね。いろんなことを教えて」
「うん」
僕は妹に絵空事の約束をする。叶えられないことと妹もわかっているはずだ。家の外どころか、妹が居なければ僕は自室から出ることさえ無く閉じ篭っているだろうに、電車に乗って外出しようだなんて。
僕が守れる約束なんてそう多くない。「勉強しているから、あと30分待って」だとか、その程度しか無い。
誰かに馬鹿と言われたとき、チルノは決まって
「あたいはげんきでさいきょうだからだいじょうぶなのよ」
そう言いますね。たいていの人は、馬鹿の根本的解決になっていないじゃないか、と思うはずです。でもね、それにはちゃんと理由があるのです。


『チルノの冬ものがたり』


チルノには昔、おねえさんがいました。もちろん血の繋がったおねえさんではありません。妖精に姉妹はいませんものね。実の姉妹でないばかりか、おねえさんは人間だったのです。


氷の妖精チルノは、その年も冬をもたらすため人間界に来ていました。
チルノの眼は赤く泣き腫らされていて、真珠のような氷の粒をこぼしています。
今の彼女を知っている人は驚くかもしれませんね。仲間の妖精たちに馬鹿と言われて泣いてばかりいるのです。
その日も誰にも見られず泣きたくて、チルノは人間の作った建物に忍び込みました。大きいけれど、白くて寒々しい、チルノ好みの場所の一室。誰の気配もしないと思って入ったその部屋のベッドには、女の人がいました。景色を見ていたその人は、窓からの来客にとても驚いた様子でしたが、チルノが泣いているのを見ると優しく声をかけました。
「泣いているの?」
あまりに泣き疲れていたせいか、それとも雪のように白い彼女の肌を好きになったのか、はじめて話す相手だということも忘れてチルノは答えます。
「だって、みんながあたいのことをばかっていうんだ」
「そうなんだ。でもあなたはこんな日に外を飛び回って、凄く元気ね。うらやましいわ」
うらやましい。生まれてこのかた、チルノはそんな言葉を人に言われたことがありません。
「ねえ、あたいうらやましいの?」
「ええ、わたしには無いもの。あなたはなんて呼べばいい?」
「あたいチルノ! 元気だよ!」
元気、の部分をいつになく得意げに、チルノは答えました。
「ねえ、チルノちゃん。よかったらまたいつでも来てね」

■


「おとうさん? おかあさん? それなあに?」
「わたしの大好きな人たち。なかなか来てくれないのよ」
「ねえ、あたいもお母さん? それともお父さん?」
「チルノちゃんはね、妹」
「いもうと」
「そう。それでわたしはお姉ちゃん。家族っていうのはみんな同じくらい大好きなものなの」
「おねえちゃん! えへへ」
「そう。チルノは元気な妹。ふふ」

■
チルノが帰ると言うと、いつもおねえさんはチルノの手を握ります。暖かいものの苦手なチルノはいつも熱っぽいおねえさんの手の感触が気持ち悪いのですが、
「チルノちゃんの手は冷たくて気持ちいいのね」
そう言ってくれるので、ちっとも嫌いではありませんでした。
「手が冷たい人って、心が暖かいんですって。その通りね」

その年始めての福寿草の花が咲いたある日、チルノはそれを摘み取って病室へ向かいます。外に出られないおねえさんに冬の終わりを届けに行くのです。
けれども行き着いた病室の様子はいつもと違いました。おねえさんを繋いでいたたくさんのチューブは外され、いつも低い声を立てていた機械は止まっていて、おねえさんの顔には白い布がかけられていました。
チルノはばかだけれど、大好きな人が今どうなっているのか、それくらいはわかります。
廊下を叩く靴の音と、騒がしい声が病室に近づいてきます。きっと、なかなか来てくれないとおねえさんが言っていた、お父さんとお母さんという人たちなのでしょう。
チルノはすぐに窓から逃げようとしたけれど、最初の目的は果たすことにしました。黄色い花はチルノの手の中で少しつぶれていました。
おねえさんの手をぎゅっと握って、窓から飛び出たチルノは背中越しにドアが開く音を聞きました。
おねえさんの手はチルノと同じに、とても冷たくなっていたけれど、チルノはちっとも嬉しくありませんでした。


今日もチルノは幻想郷のみんなに馬鹿にされるけれど、それでも泣いたりはしません。ばかだけれどげんきでさいきょう、それがチルノなのです。

ログインすると、残り13件のコメントが見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

生徒会文芸部 更新情報

生徒会文芸部のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。