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異端の文学/外道の系譜コミュの穢れ無き幼子の聖盃には呪詛の血――西条八十

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 詩人。1892年(明治25年)生まれ、1970(昭和45年)歿す。

 語られることはないことを語るのが外道の系譜たる所以。西条八十は勿論、『赤い鳥』の「かなりや」であるし、北原白秋、野口雨情など童謡詩人の代表格の一人である。しかし、八十や白秋らの本質はどこにあったか? 白秋は女性問題を経て解放された場所に童謡詩人たる聖地があったが、それ以前の彼の瞳はなにを鷲掴んでいたのか?

 末世の邪宗、切支丹でうすの魔法をHachischの毒のめぐりと共に唱える……これが白秋の胚胎していた幻想である。



 八十の場合、どうやらその果てまで魔王の膝元で天界の幻視を試みていたように思える。そもそもフランス象徴派やアイルランド詩人への好意や、堀口大学や日夏耿之介との関係を考えると、学匠詩人として、悪魔的耽美を愛でる人として、八十を評価できるのではないかと考える。

 詩人としては『砂金』に代表されるその美――フランスでの留学と古典学部生時代、ヴァレリーやコクトーらの講演を聴いて云々という話から彼の気質が判る。
 まとめる言葉が悪いがその耽美性に、唐沢俊一氏によって復刊した『人食いバラ』や、おそらく双璧であろう探偵趣味溢れ狂想の美を持つ『青衣の怪人』などに見える、腸のように蠢く悪魔的な感性がひどく融和しているのは、これは詩人の後天性だけのものではない。
 それが極地として見えるのは、アルジャノン・ブラックウッドのジョン・サイレンスシリーズである『古い魔術』、ガイ・ブースビー『魔法医師ニコラ』(これは菊地秀行氏が新たに訳して97年小学館より出版されている)の訳業にあると思われる。これは日夏的な感覚で捉えられるが、しかし陰が日夏で陽が八十の如きである。


 八十についてはまだまだ不勉強であるが、発掘していけばもっと面白いものが発見できるかもしれない。また早稲田人脈という点でも注意していけば、未だに埋もれた外道の系譜が浮かび上がる可能性も捨てきれないだろう。
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