一本の映画の撮影が決まれば、訪れるスタッフ、キャストの落とすお金、地元の映画製作関係労働者の雇用、映画完成後の地元のイメージアップと、大変な利益が計算できるというわけだ。だから映画製作誘致のためだけの部署が必ず役所にあり、その仕事の実績は何本のどういう映画を誘致できたかということで計られる。実際にお役所がその映画でいくら儲かったかなんていう数字がでなくてもいいというのだという。映画を誘致することで、街を活性化できる、そのための部署なのだ、というのが彼らの考え方なのだ。(周防正行「『Shall we ダンス?』アメリカを行く」太田出版、1998年)