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日本語しつもん箱コミュの「あげる」「くれる」「もらう」と第4の幻の動詞について

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野田尚史先生の『はじめての人の日本語文法』のp.186です。

「あげる」 「私」が → ○に 〜を あげる
「くれる」 ○が → 「私」に 〜を くれる
「もらう」 「私」が ← ○に 〜を もらう

があって、理論的には存在しそうな、

「*まぼる」 ○が ← 「私」に 〜を *まぼる

がないかについて、能動態と受動態との対比で


主語になるのは-+--動作をする人-----+--動作を受ける人
---------------+-------------------+---------------------
私に近い人-----+--私は彼を誘った。-+--私は彼に誘われた。
私から遠い人---+--彼は私を誘った。-+--*彼は私に誘われた。

として、

> 「*彼は私に誘われた」はちょっとおかしな表現になります。

と書かれています。

非文としての"*"をつけられていますね。

でも、

1. 彼は私に誘われたからこそ来たんだ。

という表現も可能だと思います。
誘ったのは発話者である私ですが、

1'. 彼は私が誘ったからこそ来たんだ。

とはニュアンスが違うのではと。


動詞を変えたら、

2. 私は彼を殴った。
2'. 彼は私に殴られた。

3. 私は彼を振った。
3'. 彼は私に振られた。

なんて、成立しそうです。

2b. 彼は私に殴られたので、今でもうらんでいる。
3b. 彼は私に振られたけど、かえって幸せになったみたい。

という発言は無理でしょうか。


まあ、この場合は、現在の発話者の「私」と、文の中で行為をしている「私」が別で、話をしている「私」が行為をした「私」を客観的に見ているというシーンかなとも思います。

あるいは、この私が「れる・られる」の用法を勘違いしているのかも知れませんが。


それで、お尋ねします。

1. 「彼は私に誘われた」などの表現はやはりおかしいですか。

2. もし、上の表現が成り立つなら、「まぼる」はあってもおかしくないと思います。ただ、使用頻度の問題で独立した動詞を持っていないのだとしたら、

「*まぼる」 ○が ← 「私」に 〜を *まぼる

この「まぼる」は「あげる」「くれる」「もらう」のいずれかの動詞と受動表現を組み合わせるとして、どのような言い回しになりましょうか。「あげられた」でいいのかな。「くれられた」?「もらわされた」????

どうも、数学的計算みたいになって、頭が混乱しました。


おまけ、


授受表現は難しいです。

私の父の従妹Hが、少し歳を取ってから結婚しました。相手はY君(新郎なので「君」づけ、私より年上ですが)です。

HはY君に「もらってもらった」。

Y君はHを「もらってくれた」。

こういう表現も使いますよね。少し、失礼な表現だとは思いますが。

コメント(17)

ま、ま、まぼる???

「まぼる」という言葉が、そもそもなじみがない。


日本語を教える人の間では、普通に使われる言葉ですか?
教科書も拡大して見たけど、どういう性格の言葉か
今夜の私には理解できませんでした。
ひとまず、オヤスミナサイ。
初めて聞く言葉っだったので、辞書(広辞苑)をひいてみましたが、

まぼ・る【守る】(他四)「まもる」に同じ

…としかありませんでした。
もらう、くれると同じ種類の言葉なのでしょうか?どこかの地方特有の言葉とかじゃなくて?
「*まぼる」は野田先生が提示した、存在しない仮想の動詞ですよ。
理論上はありそうだけど実際はない幻の動詞ってことで。
だから、"*"をつけていますね。

当該ページのスキャンをつけましたが、mixiでは解像度に限界があるようで。

引き続きコメントをお願いします。
あぁ、そういうことですか。ごめんなさい、勘違いしてました。

そういうことならですね、「くれてあげる」という言葉を使う人を知ってます。そう言えば、「くれてやる」って言い方もありますね。でもこれは「私」が主語だから違いますね。

ご質問1についてですが、強調のない平叙文(変な言い方かな?)として聞くと違和感はあります。

彼は「私に」誘われた(「」内を強く発音)

だと違和感は感じませんが、それは前後にくる文章(文脈)に支えられないと成り立たないという意味では、一般的にはやっぱり変かなぁって気はします。
質問と こたえをかきます:

1.

しつもん: 目 「彼は私に誘われた」などの表現はやはりおかしいですか。

おこたえ: 電球 野田氏が「ちょっと おかしい」というのは,それこそ ちょっと おかしい いいかたかも
     しれませんね。「不自然になることが おおい」というような意味なのでは。
      <パチモン学者>さんが おっしゃるとおり,自分自身を客観視するような条件が ととのって
     いれば つかえるけれど,そうでないと不自然にも感じられるということなのではと思います。

2.

しつもん: 目  もし、上の表現が成り立つなら、「まぼる」はあってもおかしくないと思います。…
     「あげられた」でいいのかな。「くれられた」?「もらわされた」????

おこたえ: 電球 どれも ちがうと おもいます。「もらってもらった」の例が かかれていますが,そのとき
     は,うけとった相手のほうではなく,さしだした自分のがわのほうが恩恵を感じた いいかたです
     よね。「自分が さしだしておいて,相手が自分に恩恵を感じている」ことを自分が表現するの
     は不しつけなことだと かんがえられてしまうので,その空席をうめる ことばが ないままなのでは
     ないでしょうか。もし「恩恵」を感じることを表現せずに いうのであれば,

       ○が ← 「私」から 〜を うけとる

     のように表現することが できますよね。
      実際には,つぎのような会話は よくあると おもいます。

       あいつ,おれのやった やすものの指輪もらって,よろこんでやがったぜ。

     「もらう」の制約は臨時に解除されることも おおいのではないでしょうか。これを

       あの人,わたしから指輪をおおよろこびで,うけとりましたよ。

     のように「うけとる」で いうことも もちろん できますよね。そこに「よろこんで」などをつければ,
     実質的に「*まぼる」の意味になるんではないでしょうか。
> 5

なるほど、「受け取る」ですか。

でも、

> あの人,わたしから指輪をおおよろこびで,うけとりましたよ。

ですが、助詞は「から」ですよね。


「*まぼる」 ○が ← 「私」に 〜を *まぼる

* あの人,わたし[に]指輪をおおよろこびで,うけとりましたよ。

は無理ですよね。
> 6

はい。「から」しか できないのは,相手として あつかわず,場所として あつかうことで,待遇関係をもちこまない中立的な表現をしようとしているからだと おもいます。
で,質問には おこたえしましたが,わたしは,何を議論したいのか いまひとつ わからないのです。
> 8


うーん、方向は同じですが、「たかる」、「せびる」は「うばう」と同じで、主語になった側が受身ではなくて、能動的ですよね。

「たかる」、「せびる」が「うばう」と違うのは「に」格が使えることかな。
 わたしとしては,「にたものは ある」「別の いいかたなら できる」けど,「ないものは ない」としか いいようがないのですが,それ以上に なにが おのぞみですか?

> 13

解説ありがとうございます。

いや、辞書にないから「ない」が正解ですけど、仮に置き換えるとしたらどんな表現になるべきかという「遊び」は、言葉の概念とかボイスとかを理解していないと考えられないことなので、日本語教師というより日本語学をやっている人にとっては気になるし、そちらのほうが面白いんですよ。

比較するなら、元素の周期表みたいなものです。
周期表の上の段は化学で、下の段は主に物理でおなじみですが、元素が発見されるまでは、周期律表の法則にしたがって、「ここにはこういう性質の元素が存在するはずだ」と仮説が立てられていました。それが、だんだん見つかったり、ものによっては自然界で安定して存在することがなくて、実験室でごくごく微量をほんの瞬間だけ作り出していたりします。

この「*まぼる」も、自然の言葉では安定して存在しえないものですが、「実験室」のような環境では存在しうるのではないかということです。成立する極限のような状況の下で、現在ある動詞を基準にしてどんな造語が可能かと。


きんちょさんが5番の書き込みで1の回答として、野田先生の「おかしい」という主張も絶対ではないとの趣旨と思える回答をくださいました。
ということは、野田先生が受動態を用いて「*まぼる」が存在しない理由を説明したことについては、前提条件は少なくとも蝋蟻の一穴程度は開いているわけで、そこが崩れれば、存在しうるケースもあるだろうと。

ただ、別の語が存在するとしたら、語形と指示対象の関係はどうでもいいので、それはそれこそ、「*まぼる」という動詞でも良くなりますが。
 <パチモン学者>さんの もとめる回答になっているかどうか わかりませんが,「実験室」のような環境で仮想の語形を想定して議論することは かまわないけれども その「実験」の目的が よく わからないので,このままでは はなしをすすめることが できません。

 「どんな造語が可能か」というふうに問題をたてず,「そういうことを言いたいときは どうしているのか」というふうに問題をたてれば,上にも かいたような こたえかたが できると おもいます。

 それについて もう一度整理すると,わたしの かんがえでは,そういうことを言いたいときは,まず,動詞について,

● 臨時で「もらう」をつかう

● 視点ないしは人称の制約をうけない「うけとる」のような語で表現し,恩恵の授受をあらわす
 必要が あれば,「よろこんで」などの語を追加して表現する

という2とおりの選択が あるかなあと おもっています。さらに,前者の「もらう」の臨時の使用のばあいは,

● 差し出すがわの話者や,話者よりの人物には「に」ではなく「から」をつける
  (たとえば,「<パチモン学者>さんは わたしから 名刺,もらっていますよね」のように)


● 話者が自分のことを「わたし」のような1人称で よばず,自分のなまえなどをつかって3人称の
 ように表現する
  (たとえば,「<パチモン学者>さんは <きんちょ>に 名刺,もらっていますよね」のように)

● 差し出すがわの人物を表現しない

のようなことをして制約をのがれようとする戦略が ありうるのではないかと おもいます。特に,3番めの やりかたは,

  「これ,もらってください。」

  「あなたは,もう,これ,もらっているよね。」

のようなときに,けっこう,よく つかわれているのではないでしょうか。

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