史跡コミュの一条房家の墓

　高知県宿毛市平田町戸内4680

　1963年07月24日、宿毛市が史跡に指定。

　正二位権大納言一条房家(1475～1539)は、応仁２(1468)年に応仁の乱を避けて一条家領の土佐国幡多荘に下向し、中村御所を本拠とする土佐国司家初代となった従一位前関白左大臣一条教房の次男です。母は、土佐の国人領主加久見宗孝の娘です。
　当初は国人領主達の反抗に手を焼いた教房でしたが、やがて国人達の信望を得る事に成功、伊勢北畠氏・飛騨姉小路氏と並ぶ戦国三国司家の一つたる公家大名としてしっかり基盤を築いたのです。
　教房の長男従二位権大納言政房は応仁の乱に巻き込まれて殺害されていたため、教房の弟で京都に留まっていた冬良が一条家督を継いで従一位関白太政大臣となりましたが、文明12(1480)年に教房が中村で死去すると、土佐国人は僅か４歳の房家を擁立して土佐国司家を存続させました。文明15(1483)年には内紛が起きて為松氏等の国人が教房側近だった公家難波氏を討つ騒ぎもありましたが、事実上の執政だった加久見宗孝の尽力で紛争は収拾されました。
　成人後の房家は高岡郡の有力国人大名津野元実を撃破して高岡郡を支配下に置き、長岡郡岡豊(ｵｺｳ)城主の長宗我部兼序(ﾁｮｳｿｶﾍﾞｶﾈﾂｸﾞ)が本山氏・吉良氏・大平氏等に撃滅された際には長宗我部氏復興に力を貸すなど政略・軍略に優れた手腕を発揮します。そして、中村御所周辺には京都を模した碁盤目状の市街地が形成され、父と京都を偲んで「大文字の送り火」を始めるなど、中村は「小京都」の異称も持つ事となったのです。
　房家は平田の曹洞宗菩提寺釈迦堂を開山した道可和尚に帰依して頻りに参禅し、境内一面に咲き乱れた藤を愛でたとされています。そこで房家は釈迦堂の西南に七堂伽藍と12の塔頭(ﾀｯﾁｭｳ)を持つ曹洞宗見立山藤林寺を建立、直筆の額を掲げて道可を開山第一世とし、自らの菩提寺としたのです。藤林寺は寺領300石余を与えられて幡多(ﾊﾀ)郡70000石の僧禄所となりました。
　房家は天文８年11月13日に63歳で薨じ、藤林寺に葬られました。法名は藤林寺殿東泉大居士です。房家の墓は高さ35㎝の小型卵塔で、台座の高さは15ｃｍです。
　房家の次男房通は冬良の養子となって従一位関白左大臣となり、房家の死後は長男の正二位左近衛大将房冬が土佐国司家第三代家督を継ぎました。
　その後、長宗我部元親が当地を支配下に置くと藤林寺は寺領を没収され、塔頭も廃絶して小寺院に転落してしまいました。

◎城下町土佐中村
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・中村御所跡
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・中村城跡
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＋一条教房の墓
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・玉姫の墓
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