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日経産業新聞を読む★コミュの新興国での量産は、なぜ可能になったのか 新型「マーチ」 原価低減の秘密

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「新興国での量産は、なぜ可能になったのか 新型「マーチ」 原価低減の秘密」を読んで

Bセグメントの世界戦略車として160の国・地域で販売する。
日本向けモデルは、タイで生産する。前部エンジン・前部駆動(FF)車で3つのグレードがあり、価格は99万9600円(税込み)、122万9550円(同)、146万8950円(同)だ。
これが、例えばインド向けモデル(名称はマーチではなく「Micra」)だと、最も安いグレードは約74万円(1ルピー=1.86円で換算)となる。という。

日本で売るクルマは日本で造る。そうした日本の自動車メーカーの常識は、過去のものになりつつある。
日産自動車の新型小型車「マーチ」が、時代の変化を強く印象付けた。

日産は、これまでマーチを先進国である日本と英国で主に生産していた。

だが、新型は新興国のみで生産する。
2010年3月以降、タイを皮切りにインド、中国と相次いで生産を開始。
現在はメキシコで量産の準備を進めている。という。

新興国での生産は世界的な流れだが、新型マーチの場合は日本ですら生産しないのには驚きだ。

「made in JAPANでないと売れない」という販売員も当初は多かったという。
他メーカー、他業界に至っても同様のことがとり立たされている。かく言う私もできる事なら日本で造り続けたい。

しかし、現実はそうはいかない。とかく自動車業界においては50万円を切る廉価版がインドから発売されては、指をくわえたまま見ている時間が惜しい。

従って、日産マーチは日本国内で販売するクルマがすべてタイからの輸入となる。

新型マーチは、日産自動車の世界戦略車だ。
その生産拠点から日本が外れたことに、改めて注目すべきである。

先進国から新興国に量産拠点を移す最大の目的は、無論、原価低減だ。
実際、新型マーチの日本での主力モデル(12X)は、アイドリング・ストップ機構を搭載してクラス最高の26km/L(10・15モード)の燃費を実現しながら、販売価格を競合車と同等に抑えている。

ただし、原価低減は単純に新興国で生産するだけでは実現できない。

新興国のコストメリットを生かしたり、現地での安価な部品の調達率を上げたりすることによる原価低減効果は確かに大きい。

しかし、それ以上の効果を上げているのが、設計の共通化など開発・設計段階の取り組みなのである。

新型マーチの開発を統括した同社Nissan PV第一製品開発本部車両開発主幹(Vプラットフォーム)の小林毅氏は、「設計の共通化と造りやすさを追求したからこそ、原価低減を実現できた。加えて、新興国でのスムーズな量産も可能になった」と強調する。という。

小型車の需要は、拡大を続けている。
日産自動車によれば、乗用車全体の市場規模に占める小型車(A/Bセグメントの合計)の比率は、2004年の約22%から、2009年には約27%に上昇。2010年は30%近くまで伸びる見込みだ。

この急成長を支えているのが主に新興国市場である。

新興国のユーザーはクルマの価格だけではなく、燃料代などを含めた全体のコストに非常に敏感。そのため、費用対効果に優れた小型車に支持が集まっているのだ。この傾向が先進国にも広がり、小型車の躍進が始まった。

つまり、小型車は先進国と新興国の双方の顧客ニーズに応える必要がある。

その際に重要なのは原価低減だけではなく、多様なユーザーが求める性能の実現だ。1つの車種でさまざまな個性を発揮しなければならない。新型マーチでは、その個性の演出という点でも設計の共通化が大きく貢献する。すなわち、新型マーチにおける設計の共通化は、多様な個性と原価低減を両立させる、日産自動車の切り札なのだ。

設計の共通化という考え方自体は、新しいものではない。

しかし、これまではそれを徹底できていなかった。
開発リソースに多くの制約があったからだ。
そこで、今回の新型マーチでは、設計の共通化によるメリットを最大限引き出すことを最優先に、開発プロセスの刷新にまで踏み込んだ。


新たなプロセスとは、次のようなものである。

まず、すべての販売地域を対象に、それぞれの市場の要求仕様を洗い出す。
ここでの要求仕様とは、走行性能や燃費、乗り心地などについての、顧客が期待するレベルのことだ。
その期待レベルを判断基準にして世界の販売地域を約30にグループ分けし、グループごとに具体的な要求仕様を詰める。

このように効率的な開発体制を出発点として、設計の共通化を徹底したのである。

次に、30グループすべての要求仕様を満たせる「ラインアップ」を構築する。

ラインアップとは、複数用意したエンジン、変速機、駆動方式の組み合わせに、アイドリング・ストップ機構やエアバッグシステムなどの装備類の搭載/非搭載を組み合わせたクルマの基本構成のことだ。

これらを適切に組み合わせて、あらゆる要求仕様に応えていくというのが基本的なアプローチとなる。

最後に、すべてのラインアップに対応できるように共通部分を設計する。

ここでの共通部分とは、プラットフォームなどの基本骨格部や、ドア、シート骨格、インスツルメント・パネルなどだ。

ここが設計の共通化の主な舞台になる。

新型マーチは、設計を共有する共通部分の上に、多様なラインアップを構築し、全世界をカバーする要求仕様を実現する構造になっている。
こうしたアプローチで、幅広い要求仕様への対応と、徹底した設計の共通化を両立させるのだ。

8年ほど前にはやった「すり合わせ型」「組み合わせ型」という製品構成を象徴する言葉があるが、自動車は「組み合わせ型」であるべき。と言われつつも依然として「すり合わせ型」であった。

特に内部ではワイヤーハーネスが適当にあしらわれ「すりあわせ」を吸収してきた。その結果、異音が発生しFUGAなどでは大クレームになったのである。

新型マーチは世界戦略車であると同時に「すり合わせ型」本格派第一号ともよべるであろう。

たま★

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