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日経産業新聞を読む★コミュの鉄鋼大手、国外脱出へ布石着々?」

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「鉄鋼大手、国外脱出へ布石着々?」を読んで。

新日鉄はブラジルで持ち分法適用会社ウジミナスの生産能力を増強する

国内生産が大半だった鉄鋼大手が海外での生産基盤強化を急いでいる。
成長する新興国の需要獲得だけでなく「日本での温暖化ガス排出規制の強化も後押しする要因」(新日本製鉄役員)だ。
温暖化ガス削減交渉の進展次第では鉄鋼生産の脱日本が加速し、日本ブランドの鋼板が日本ではなく世界各地で作られる時代が来るかもしれない。という。

鉄を多用する自動車・建設業界が新興国へターゲッティングしている以上、鉄鋼大手も海外へ移りサプライチェーンを最適化するのはわかる話だ。
では今まで何故実行しなかったのか。

日本の鉄鋼精製技術は高く他国に比べ高品質な鋼板が売り物である。他国よりも高くても売れる品質の鋼板を作る技術があるという事である。
つまり海外へ行き(投資リスクを犯さなくとも)勝てた。高炉建設投資は数千億円で20年稼動で償却と言われている。
概ね統廃合が完了し業界内部的には安定化の兆しがあるが、外部要因として新政権による二酸化炭素排出量25%削減の負担増が予想以上に大きいと記事でも予測している。

鉄鋼は鉄鉱石をコークスで還元するときに、鉄鉱石中の酸素とコークスの炭素が結びついて大量の二酸化炭素(CO2)が発生する。
2007年度の温暖化ガス排出ランキングの上位4企業はすべて高炉大手が占めた。
世界最高水準のエネルギー効率化を達成した日本の鉄鋼業界にとって、現在の高炉法を抜本的に変えない限り大幅に削減するのは困難な情勢だ。

国内で生産し続けるのに必要な努力は限界に達し、CO225%削減の為には生産量を20%削減しなくてはならないのである。
これでは国外脱出も避けられない。
大手高炉会社はこぞってブラジル・インドへの脱出を表明している。

新日鉄は持ち分法適用のブラジル鉄鋼大手ウジミナスの年産能力を、20年までに今の約2倍の1700万トンに拡張する。
これは新日鉄本体の半分程度の規模に相当する。
ここを南米や北米だけでなく、「アジア向けも視野に入れた“新日鉄鋼板”の輸出拠点として育てる」。

JFEスチールは09年11月、インド第2位グループの鉄鋼大手JSWスチールとの包括提携を発表した。
自動車鋼板の技術を供与し、10%前後を出資するとともに、両社が協力して年産1000万トン級の大型製鉄所を2カ所で建設する。
JSWの年産能力は現在780万トン。JFEからの資金、技術面でのバックアップにより、20年には3200万トンになる。
これはJFEの単独生産量にほぼ匹敵する規模で、JFEはここからインドの日系自動車大手へ鋼板を現地供給する。

住友金属工業もインドに着目する。
昨年末、友野宏社長はインドへ飛び、技術供与先のブーシャンが生産する鋼板を住金ブランドで販売する契約を結んだ。
会見で年産600万トン級の高炉を合弁でインドに建設する計画について「前向きに検討している」と表明した。

中国ではなくブラジル・インドを選択した理由は外資規制が厳しくない事が挙げられるだろう。
またインドにおいては国内総生産(GDP)を一定額生み出すため排出するCO2の量を「20年までに05年比で20〜25%削減できる」との自主的な抑制目標を示した。
いまだ40〜45%削減とする中国よりも自助努力を怠らない健全な姿勢が共感できるのだろうか

高炉大手4社の海外生産計画を合算すると、20年に今の約4倍の約6600万トンにまで拡大。
これは国内生産能力の約8割に当たるから、日本でのCO2排出量削減目標にも届く算段となる。

一方、海外競合メーカーの動向を見ると海外脱出は待ったなしの状況である。
世界最大手のアルセロール・ミタル(新日鉄の約3倍の規模)は、京都議定書で温暖化ガスの削減義務が課されていない地域に全生産能力の約3分の2が立地している。
宝鋼集団など中国の鉄鋼大手も、新日鉄と生産規模で肩を並べるくらいにまで成長してきた。

日本企業の技術力をいかし、温暖化交渉で世界の主導権を握りたいという鳩山政権の思惑とは裏腹に、企業の脱日本生産が一段と加速し、生産だけでなく雇用や技術の空洞化が進む恐れがある。
これが二番底の現況だろうか。

国内へ目を向けると何とか生き残る技術開発も進んでいる。
中山製鋼所は鋼板の表面に強度や粘りに優れたアモルファス(非晶質)金属を皮膜として形成する技術を開発した。
通常の鋼板より、さびにくさや耐摩耗性を大幅に向上できるから高い耐久性が求められる化学薬品用ポンプの部品向け製品や多くの建設材料として事業化が期待できる。

神戸製鋼所は「アイアン・ナゲット」と呼ぶ粒状の鉄を約10分間でつくれる新しい製鉄法を採用した商業プラントを米国で稼働させたと発表した。
現在主流の高炉を使った製鉄に比べ二酸化炭素(CO2)排出量を約2割減らせる点などを訴え、鋼材原料を安定確保する手法として技術の普及をめざす。
新製鉄法「ITmk3(アイティ・マークスリー)」は神鋼が約15年かけて実用化した。
今回のプラントは米ミネソタ州にあり、米大手電炉メーカー、スチール・ダイナミックス(SDI)と共同で建設を進めてきた。
生産設備への投資額は2億ドル程度。生産したアイアン・ナゲット(写真)は全量をSDIが購入し、鉄鋼製品の原料として使う。

ITmk3は高炉に比べ1カ所あたりの生産規模は小さいが、品位が低く安価な鉄鉱石や石炭から鉄をつくれるなどの利点もある。
神鋼は自らプラントを運営するだけでなく、他の鉄鋼メーカーや鉱山会社に技術供与してライセンス収入を得る事業展開を計画している。

生産量を抑制し技術を売る体制へシフトが進めば売上げは維持したままCO2排出量を削減できるのだろうが、どうも違う方向へ進んでいるようだ。

たま★

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