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日経産業新聞を読む★コミュの医療機器、成長のための条件

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「医療機器、成長のための条件」を読んで。
 
製造業の落ち込みは、海外よりも国内のほうが大きいことが明らかになってきた。
受注金額が前年同期比16%(84%減)という不振にあえぐ工作機械業界でも「世界中どこでも需要は減っているが、特にひどいのが国内」(牧野フライス製作所)との声が聞かれる。
2008年10-12月期に国内総生産(GDP)が前年同期より12.1%(年率換算)減った主な要因は、自動車・電機を中心とした輸出の不振とされる。いずれ不況が終われば、自動車と電機の輸出も上向くはずだが、元通りの水準には戻らないかもしれない。
自動車や電機の代わりになるような、新たな産業の柱が欲しいところだ。という。


新たな産業の条件は、
・長期的な需要を望めるということ。
・ものづくりで培った技術を転用できること。
・トレンドである安全・安心ブランドを付加できること。
・何らかの理由により海外勢による攻勢が続いていること。と考えると、医療の分野と食料の分野に目を向けざるを得ない。

現状では「病院の中に医療機器はたくさんあるが、そのおおよそ8割は海外製」と、ある医療関係者は言う。

国産は、検査機器まで。治療機器は海外勢が市場を押さえ輸入に依存する。
・検査機器:X線CT装置、超音波画像診断装置、内視鏡など
・治療機器:ペースメーカーなど

医療機器市場は、2兆1314億円。そのうち、輸入金額が、1兆220億円と約半分を占める。(07年厚生労働省の薬事工業生産動態統計年報より)

しかし、国内メーカーが技術で劣っているわけではない。
写真の三菱重工業は08年1月に、がん治療向けの放射線治療装置「MHI-TM2000」を発売し、医療分野へ本格参入している。
従来、患者が装置へ入ってから治療を終了するまで、1時間かかっていたものを15分と4分の1にする優れものである。
技術的には、放射線の照準を患部に合わせるまでの時間を大幅に短縮するというもので、X線ビームの断面形状を細かく制御するために照射ヘッドの首ふり機構や60枚の遮へい板を採用した装置を搭載している。

では、なぜ、国内メーカーのシェアが低いのか。それは偏に、薬事法による製造販売承認を取得するまでにリードタイムの長さにある。
日本という国柄であろうか、医療分野は超「安全」「安心」に密接している分野なのである。
だから、医療機器で事故が起こった場合に責任問題となってしまうから、製造販売承認に余念が無い。よってリードタイムが長くなるという構図である。

そもそも、医療機器に限らず、機械装置にはどうしても一定のリスクが発生する。
それは、ユーザーが自らの注意で避けなければならないリスクもあるであろう。
「社会的に許容できるレベルのリスクは受け入れる」という文化に乏しく、実質的に100%安全を目指すのが日本の要求品質である。
でも、このままでは、一向に欧米諸国への挽回は不能である。

製造業で普及が始まった「リスクマネジメント」の考え方を導入し、リスクがどこにどの程度の確率で存在するかを明らかにした上で、社会的に許容できるかどうかを考える、といった枠組みを適用するべきである。

続いて、食料だが、「食の安全」という言葉でも注目の分野である。
この業界こそ、日本のものづくり技術が生かされる業界で、すでに作物を計画的に生産する「植物工場」が試行稼動している。
植物を「DNAという設計成長プログラムが入ったバイオコンピューター」と考え、入力と出力の関係を明らかにしたうえで、入力をコントロールすれば計画通りの生産が可能になる。これは「ものづくり」そのものなのである。

20世紀の製造業は「もの」を大量につくって供給することが役割であったとすると、今後は「もの」を含めて「安全・安心」を供給する役割を担うべきである。先進国を中心として「もの」への欲求は弱まり、その代わり安全・安心へのニーズが強まっている。

住宅分野、自動車分野などで最先端の安全・安心技術を蓄積してきた日本だからこそ、今こそ海外に依存しているものの生産を国内に
取り戻し、内需を満たすことで産業として確立する必要がある。その上で、蓄積した技術を生かして、「安全・安心」を付加したものを海外へ輸出することで、新たな産業を確立していくのである。

たま★

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