□百葉箱／言葉のコレクションコミュのストリッパーの恋

流れ流れて　東京の
小さな夜を見つけたの
あたしにあるのは
この身体
魅せて　見られて　
恋をする
ゆうべの客は　昔の男
ふって　ふられて　
流した涙
あたしの身体が　
嘘をつく
つよがりばかりの　
恋をして
あたしの身体が　
見栄をはる

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彼女の客はなぜかいつも
自分のはらわたの上の精液を
彼女の手のウェットティッシュが
そっとふき取っていくサマを
静かに眺めているようでした

実際に観ていたワケじゃありません
所詮、風俗店のバイトなど
女の子以下です
ただその隔たりの向こうで繰り広げられている
ナニかの雰囲気を感じていただけで

でも彼女は自分の仕事を終えて
送り出す客の顔は、ナゼかいつも幸福そうで
送り出す彼女の顔も、安らかさに満ちていて

さて次の客の為に部屋の後片付けをする僕を
彼女があまりにぼんやりと見ているものだから
少し悪戯心が出たわたしは
彼女の仕事中に彼女のヒモが来たんだけど
帰っちゃった、などと告げると

彼女の顔が少し曇って
「そう、彼は本当に悪いひとじゃないし
　とてもわたしには優しいんだけど・・・」

明け方、バイトの同僚と
始発を待ちながらの呑み屋
「あのジイさん、
　なんであんなにいい女のヒモで
　いられるんだろうね？」
知ってるよ、あれでかなりマメなんだから

僕らは眠気をアルコールの刺激で癒しながら
あのジイさんが彼女に擦り寄るサマを想像していた
なんだか哀しくて
でもそんなにブザマにも思えなくて・・・

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