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大河ロマン小説 屍山血河コミュの第22章 豹変、美女と野獣

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「ぎゃははは!お前らなにしけた面しているんだ?楽しくやろうぜ!」
 顔を真っ赤に染めて唾を飛ばしているのはマックスではない。クルーガーでもない。
アイシャだ。
 当分どの国も共和国に攻め込む余裕はないとエドワードが情報を仕入れ、慰労の宴会をマックス宅で設けたのだが……
 すでにアイシャの後ろには5本のワインボトルが転がっている。マックスもシルビアもマーロンも、イメージの落差にあぜんとしていた。
「こら!じゃんじゃん飲め!人生、楽しんでなんぼだろ?」
「アイシャ、いい加減にしなさい。体を壊すわよ」
 ややきつい表情でシルビアは説得するが、どこ吹く風だ。
「あー、気持ちいい。おら!お前らかたすぎるぞ!今日は無礼講だ。とにかく楽しもう!」
「駄目だな……もう誰も止められない。ここまで豹変すると多重人格だ」
 マックスががっくりと首を垂れると、しみじみとエリオットがつぶやいた。
「思い出すわい。わしもあんなことがあった。酒を飲むのではなく、酒に飲まれてしまう。ときにはバカ騒ぎも悪くはない」
「閣下、そろそろ止めに入らないとまずいですじゃ?」
「いや、わしも今日は飲みたい気分だ。娘、わしと勝負じゃ!」
 ファイザードの諌めも聞かず、エリオットもワインボトルの口を開け、ラッパ飲みする。
「いいね!爺さん、あんた大将だよ。あれ?元帥と大将はどう違うんだっけ?」
 クルーガーはうんざりしつつ、忠告した。
「元帥のほうが上に決まってるだろ。アイシャ、そろそろやめな。ここにいる全員があんたのことを気遣っているんだぜ」
「わかった、わかった。いやー、五臓六腑にしみ込んでるな。今日はぐっすり眠れそうだ。じゃあお休みー」
「じゃあ、みなさん、今日はありがとうございました。こうなることは全く予想外で、二度と同じことが起こらないよう、見守ってください」
「じゃあ、これでお開きだな」
 ぞろぞろとマックス宅から帰っていくが、美しい足取りで歩くシルビアにグレンデールが声をかけた。
「アービング君、その、なんて言ったらいいか」
「どうなさったのですか?」
「お、お茶でも飲まないか?夕食までたっぷり時間もあることだし」
「別にかまいませんが」
「そうか!ではとびきりうまいコーヒー屋を知っているから、そこで話そう」
「では、ご案内ください」
 共和国、いや大陸一の美女と話せる機会などそうはない。前々からシルビアに恋心をいだいていたグレンデールはついつい唇が緩むのだった。

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