気まぐれ、ブックレビュー。
もちろん誰が書いてもらっても構いません。
コメントも大歓迎です。
---
1.なかにし礼 赤い月
林芙美子 放浪記
2.遠藤周作 わたしが・棄てた・女
3.宮本輝 道頓堀川
宮本輝 蛍川
宮本輝 泥の河
4.村上護 山頭火句集
5.重松清 ビタミンF
6.福永武彦 忘却の河
7.五木寛之 青年は荒野をめざす
8.瀬戸内寂聴 手毬
9.熊谷達也 邂逅の森
10.原民喜 夏の花・心願の国
11.遠藤周作 母なるもの
12.重松清 疾走
13.井上靖 敦煌
14.時実新子 小説新子
15.井上ひさし モッキンポット師の後始末
16.椎名麟三 永遠なる序章
17.北壮夫 どくとるマンボウ航海記
18.新田次郎 火の島
19.阿川弘之 山本五十六
20.松本清張 詩城の旅びと
21.小和田哲男 石田三成―「知の参謀」の実像
22.田辺聖子 道頓堀の雨に別れて以来なり〈上〉―川柳作家・岸本水府とその時代
23.正高信男 0歳児がことばを獲得するとき―行動学からのアプローチ
24.木谷収 バイオマスは地球環境を救えるか (岩波ジュニア新書)
25.村山由佳 天使の卵(エンジェルス・エッグ)
26.ベルンハルト シュリンク 朗読者
27.小和田哲男 明智光秀―つくられた「謀反人」
28.辰濃和男 四国遍路
29.長谷川櫂 「奥の細道」をよむ
30.ゲーテ 若きウェルテルの悩み
31.川端康成 伊豆の踊子
32.宮本輝 宮本輝全短篇 上下
33.齋藤孝 読書力(岩波新書)
34.中島みゆき 愛が好きです
36.星野道夫 旅をする木
39.水上勉 飢餓海峡
42.司馬遼太郎 竜馬がゆく
43.三浦しをん 風が強く吹いている
44.車谷長吉 赤目四十八瀧心中未遂
45.安野光雅 ちくま文庫手帳2010
46.絲山秋子 沖で待つ
47.松本清張 ゼロの焦点
48.向田邦子 父の詫び状
49.倉本聡 優しい時間―Scenario 2005
50.遠藤周作 さらば、夏の光よ
51.佐野真一 東電OL殺人事件
52.島尾敏雄 死の棘
53.吉川英治 宮本武蔵
54.池澤夏樹 カデナ
55.高村薫 マークスの山(上・下)
56.関野吉晴 グレートジャーニー―地球を這う〈1〉南米~アラスカ篇
56.関野吉晴 グレートジャーニー―地球を這う〈2〉ユーラシア~アフリカ篇
57.熊谷達也 相剋の森
58.なかにし礼 長崎ぶらぶら節
59.阿川弘之 春の城
60.高村薫 レディ・ジョーカー〈上、中、下)
61.銀色夏生 散リユク夕ベ―詩集
62.新田次郎 アラスカ物語
63.向田邦子 思い出トランプ
64.武田百合子 富士日記 (上巻)
65.植村直己 青春を山に賭けて
66.向田邦子 男どき女どき
67.遠藤周作 女の一生〈1部〉キクの場合/女の一生〈2部〉サチ子の場合
68.井上荒野 切羽へ
69.八木沢里志 森崎書店の日々
70.谷崎潤一郎 細雪 (上・中・下)
71.吉田修一 悪人(上・下)
72.司馬遼太郎 街道をゆく (27) 因幡・伯耆のみち.檮原街道
73.小川洋子 博士の愛した数式
74.遠藤周作 王妃マリー・アントワネット
75.岡本太郎 ─ 愛する言葉
岡本太郎 ─ 強く生きる言葉
76.内田百輭 ノラや
77.藤沢周平 一茶
78.角川書店 別れの言葉辞典―現代言語セミナー
79.遠藤周作 おバカさん
82.島尾敏雄 出発は遂に訪れず
83.角田光代 八日目の蝉
84.池澤夏樹 マシアス・ギリの失脚
85.青山七恵 ひとり日和
86.角田光代 空中庭園
87.斎藤孝 コメント力―「できる人」はここがちがう
88.向田邦子 あ・うん
89.齋藤孝 座右のゲーテ −壁に突き当たったとき開く本
90.池澤夏樹 真昼のプリニウス
91.山本兼一 利休にたずねよ
92.川上未映子 ヘヴン
93.金森敦子 関所抜け 江戸の女たちの冒険
94.武田百合子 ことばの食卓
95.金森敦子 芭蕉はどんな旅をしたのか―「奥の細道」の経済・関所・景観
96.宮本輝 三千枚の金貨
97.村上龍 55歳からのハローライフ
98.井上靖 本覚坊遺文 (講談社文芸文庫)
99.吉川英治 鳴門秘帖
100.百田尚樹 永遠の0
101.朝吹真理子 きことわ
102.松本清張 黒い樹海
103.向田邦子 夜中の薔薇
104.宮本輝 三十光年の星たち(上・下)
105.遠藤周作 悲しみの歌
106.中島京子 小さいおうち
107 池井戸潤 下町ロケット
108 金子兜太 語る 兜太――わが俳句人生
109 葉室麟 蜩ノ記
110 高村薫 李歐
111 宮本輝 水のかたち
113 安部龍太郎 等伯（上下）
114 山本兼一 花鳥の夢
115 高村薫 リヴィエラを撃て (上下)
116 桜木紫乃 ホテルローヤル
117 宮本輝 田園発 港行き自転車 (上下)
119 宮下奈都 羊と鋼の森
120 宮下奈都 はじめからその話をすればよかった
121 宮下奈都 神さまたちの遊ぶ庭
122 堀川惠子 原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年
もちろん誰が書いてもらっても構いません。
コメントも大歓迎です。
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1.なかにし礼 赤い月
林芙美子 放浪記
2.遠藤周作 わたしが・棄てた・女
3.宮本輝 道頓堀川
宮本輝 蛍川
宮本輝 泥の河
4.村上護 山頭火句集
5.重松清 ビタミンF
6.福永武彦 忘却の河
7.五木寛之 青年は荒野をめざす
8.瀬戸内寂聴 手毬
9.熊谷達也 邂逅の森
10.原民喜 夏の花・心願の国
11.遠藤周作 母なるもの
12.重松清 疾走
13.井上靖 敦煌
14.時実新子 小説新子
15.井上ひさし モッキンポット師の後始末
16.椎名麟三 永遠なる序章
17.北壮夫 どくとるマンボウ航海記
18.新田次郎 火の島
19.阿川弘之 山本五十六
20.松本清張 詩城の旅びと
21.小和田哲男 石田三成―「知の参謀」の実像
22.田辺聖子 道頓堀の雨に別れて以来なり〈上〉―川柳作家・岸本水府とその時代
23.正高信男 0歳児がことばを獲得するとき―行動学からのアプローチ
24.木谷収 バイオマスは地球環境を救えるか (岩波ジュニア新書)
25.村山由佳 天使の卵(エンジェルス・エッグ)
26.ベルンハルト シュリンク 朗読者
27.小和田哲男 明智光秀―つくられた「謀反人」
28.辰濃和男 四国遍路
29.長谷川櫂 「奥の細道」をよむ
30.ゲーテ 若きウェルテルの悩み
31.川端康成 伊豆の踊子
32.宮本輝 宮本輝全短篇 上下
33.齋藤孝 読書力(岩波新書)
34.中島みゆき 愛が好きです
36.星野道夫 旅をする木
39.水上勉 飢餓海峡
42.司馬遼太郎 竜馬がゆく
43.三浦しをん 風が強く吹いている
44.車谷長吉 赤目四十八瀧心中未遂
45.安野光雅 ちくま文庫手帳2010
46.絲山秋子 沖で待つ
47.松本清張 ゼロの焦点
48.向田邦子 父の詫び状
49.倉本聡 優しい時間―Scenario 2005
50.遠藤周作 さらば、夏の光よ
51.佐野真一 東電OL殺人事件
52.島尾敏雄 死の棘
53.吉川英治 宮本武蔵
54.池澤夏樹 カデナ
55.高村薫 マークスの山(上・下)
56.関野吉晴 グレートジャーニー―地球を這う〈1〉南米~アラスカ篇
56.関野吉晴 グレートジャーニー―地球を這う〈2〉ユーラシア~アフリカ篇
57.熊谷達也 相剋の森
58.なかにし礼 長崎ぶらぶら節
59.阿川弘之 春の城
60.高村薫 レディ・ジョーカー〈上、中、下)
61.銀色夏生 散リユク夕ベ―詩集
62.新田次郎 アラスカ物語
63.向田邦子 思い出トランプ
64.武田百合子 富士日記 (上巻)
65.植村直己 青春を山に賭けて
66.向田邦子 男どき女どき
67.遠藤周作 女の一生〈1部〉キクの場合/女の一生〈2部〉サチ子の場合
68.井上荒野 切羽へ
69.八木沢里志 森崎書店の日々
70.谷崎潤一郎 細雪 (上・中・下)
71.吉田修一 悪人(上・下)
72.司馬遼太郎 街道をゆく (27) 因幡・伯耆のみち.檮原街道
73.小川洋子 博士の愛した数式
74.遠藤周作 王妃マリー・アントワネット
75.岡本太郎 ─ 愛する言葉
岡本太郎 ─ 強く生きる言葉
76.内田百輭 ノラや
77.藤沢周平 一茶
78.角川書店 別れの言葉辞典―現代言語セミナー
79.遠藤周作 おバカさん
82.島尾敏雄 出発は遂に訪れず
83.角田光代 八日目の蝉
84.池澤夏樹 マシアス・ギリの失脚
85.青山七恵 ひとり日和
86.角田光代 空中庭園
87.斎藤孝 コメント力―「できる人」はここがちがう
88.向田邦子 あ・うん
89.齋藤孝 座右のゲーテ −壁に突き当たったとき開く本
90.池澤夏樹 真昼のプリニウス
91.山本兼一 利休にたずねよ
92.川上未映子 ヘヴン
93.金森敦子 関所抜け 江戸の女たちの冒険
94.武田百合子 ことばの食卓
95.金森敦子 芭蕉はどんな旅をしたのか―「奥の細道」の経済・関所・景観
96.宮本輝 三千枚の金貨
97.村上龍 55歳からのハローライフ
98.井上靖 本覚坊遺文 (講談社文芸文庫)
99.吉川英治 鳴門秘帖
100.百田尚樹 永遠の0
101.朝吹真理子 きことわ
102.松本清張 黒い樹海
103.向田邦子 夜中の薔薇
104.宮本輝 三十光年の星たち(上・下)
105.遠藤周作 悲しみの歌
106.中島京子 小さいおうち
107 池井戸潤 下町ロケット
108 金子兜太 語る 兜太――わが俳句人生
109 葉室麟 蜩ノ記
110 高村薫 李歐
111 宮本輝 水のかたち
113 安部龍太郎 等伯（上下）
114 山本兼一 花鳥の夢
115 高村薫 リヴィエラを撃て (上下)
116 桜木紫乃 ホテルローヤル
117 宮本輝 田園発 港行き自転車 (上下)
119 宮下奈都 羊と鋼の森
120 宮下奈都 はじめからその話をすればよかった
121 宮下奈都 神さまたちの遊ぶ庭
122 堀川惠子 原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年
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コメント(122)
二冊を同時進行（並列で）読んでいるのだが、（本当は3冊ですが）
武田百合子の「ことばの食卓」が面白い。面白いというより、嬉しい。
ちくま文庫は、ハズレなし。
秋の読書リストに入れてやってください。
----------------------------------
9月10日の 17音ノートから
▼週末に無精で置いた髭を剃る
▼月もなく静かな夜に文を読む
▼コンビニやおでんの幟に立ち止まり
夏にアイスやかき氷を食べるよりも
冬におでんやお鍋をつつくほうが好きだ。
猫舌の私がそう思っている。
武田百合子の「ことばの食卓」を読んでいる。
もったいなくて、ゆっくりい繰り返して読む。
----------------------------------
武田 百合子
ことばの食卓
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=22561
武田百合子の「ことばの食卓」が面白い。面白いというより、嬉しい。
ちくま文庫は、ハズレなし。
秋の読書リストに入れてやってください。
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9月10日の 17音ノートから
▼週末に無精で置いた髭を剃る
▼月もなく静かな夜に文を読む
▼コンビニやおでんの幟に立ち止まり
夏にアイスやかき氷を食べるよりも
冬におでんやお鍋をつつくほうが好きだ。
猫舌の私がそう思っている。
武田百合子の「ことばの食卓」を読んでいる。
もったいなくて、ゆっくりい繰り返して読む。
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武田 百合子
ことばの食卓
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=22561
みなさま、お久しぶりです。以下、日記と同じ。
宮本輝 三千枚の金貨
http://mixi.jp/view_item.pl?id=1862413&reviewer_id=288528
あんまし褒めませんでしたが、最近はこんなもんかな。
---
もしも、私の目の前に実在したら、私は必ず方向を見誤ってしまうような魅力的な女性が描かれている。
宮本輝は、そういう女性を描くのが天才的にうまい。室井沙都が水墨画先生（小宮先生）のことを話すところがある。
書きとめておきます。
「小宮先生は、水墨画の基礎だけを教えて下さるの。 筆の持ち方、墨のすり方、墨の濃淡の作り方…。○を何百回も描いて、次は横線を一本、それも何百回も描いて、」
どんな世界にも基礎としての決まり事がある。 この決まり事をしっかりと修得しておかないと、自分独自なものは生まれてこない。いわば不動の型で、それをおろそかにして我流で次ぎに進もうとしても必ず行き詰まってしまう。
「いまはとにかく自分で描きたいものを忠実に写生するようにって言われてるの。鉛筆でいいのよ。でも忠実な写生でないと駄目だ、って。適当なデフォルメは断じて認めない。風景をスケッチするとき、遠くの電線四本を、ずるして三本にしてはならない。瓦屋根の瓦の数を誤魔化してはならない。私、それを先生の仰有るとおりにやってて、ひとつ気づいたことがあるの」
「私はこれまで風景を見ても花を見ても、人間の顔を見ても、じつはなんにも見えてなかったんだ、ってこと。 斉木さんも一度やってみたらいいわ。 奥さんの顔がいちばんいいかもしれない」
宮本輝 三千枚の金貨
http://mixi.jp/view_item.pl?id=1862413&reviewer_id=288528
あんまし褒めませんでしたが、最近はこんなもんかな。
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もしも、私の目の前に実在したら、私は必ず方向を見誤ってしまうような魅力的な女性が描かれている。
宮本輝は、そういう女性を描くのが天才的にうまい。室井沙都が水墨画先生（小宮先生）のことを話すところがある。
書きとめておきます。
「小宮先生は、水墨画の基礎だけを教えて下さるの。 筆の持ち方、墨のすり方、墨の濃淡の作り方…。○を何百回も描いて、次は横線を一本、それも何百回も描いて、」
どんな世界にも基礎としての決まり事がある。 この決まり事をしっかりと修得しておかないと、自分独自なものは生まれてこない。いわば不動の型で、それをおろそかにして我流で次ぎに進もうとしても必ず行き詰まってしまう。
「いまはとにかく自分で描きたいものを忠実に写生するようにって言われてるの。鉛筆でいいのよ。でも忠実な写生でないと駄目だ、って。適当なデフォルメは断じて認めない。風景をスケッチするとき、遠くの電線四本を、ずるして三本にしてはならない。瓦屋根の瓦の数を誤魔化してはならない。私、それを先生の仰有るとおりにやってて、ひとつ気づいたことがあるの」
「私はこれまで風景を見ても花を見ても、人間の顔を見ても、じつはなんにも見えてなかったんだ、ってこと。 斉木さんも一度やってみたらいいわ。 奥さんの顔がいちばんいいかもしれない」
百田尚樹
永遠の0
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=1243614
日記から。
まあ、真夏に読む1冊です。★★★
すごい勢いでレビューが投稿されている。
そういう仲間に入るのは嫌やなあと思いつつも、書き留めておくというけじめは必要だろう。
映画も見ないと思う。
もう一回読むこともないし、同じ作家を連続して読むこともない。
同じように映画になった作品で2作ほど思い浮かべると
・赤い月
・赤目四十八瀧心中未遂
がある。
こちらも私は映画を見ていない。
映画を見る必要もないし、見たくもならないほどに作品に芸術性があふれていた。
脳みそが
永遠の0を読んで枯れたので
芸術性を求めるために
放浪記に戻ることにした。
永遠の0
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=1243614
日記から。
まあ、真夏に読む1冊です。★★★
すごい勢いでレビューが投稿されている。
そういう仲間に入るのは嫌やなあと思いつつも、書き留めておくというけじめは必要だろう。
映画も見ないと思う。
もう一回読むこともないし、同じ作家を連続して読むこともない。
同じように映画になった作品で2作ほど思い浮かべると
・赤い月
・赤目四十八瀧心中未遂
がある。
こちらも私は映画を見ていない。
映画を見る必要もないし、見たくもならないほどに作品に芸術性があふれていた。
脳みそが
永遠の0を読んで枯れたので
芸術性を求めるために
放浪記に戻ることにした。
コチラも日記から。
--------------------------
先日から、「死の棘」（島尾敏雄）と並行に読んでいた「悲しみの歌」を読了しました。
昭和５２年１０月に「海と毒薬」を買って、その直後に「死の棘」を買って、遠藤と島尾に夢中になっていた学生時代がある。
「悲しみの歌」は、昭和５６年８月に買っています。文庫本の初版が６月で、文庫化されて大急ぎで買ったのかもしれない。もちろん初版。
今では「海と毒薬」の続編のように言われるものの、世に出るまでに時間を要したらしい。
そのころの遠藤周作といえば、大人気作家で、長者番付は常連でしたし、新聞雑誌でも引っ張りだこでした。昭和５０年ころから６０年ころの間に読み尽くしました。感想をそのとき毎に書き残さなかったのは残念なことです。
文庫本は、察しの通り真っ茶色です。電車のなかで広げてもいかにも古めかしい本を読んでいるとわかります。ページはところどころ便箋のように剥がれそうになってきますので、丁寧に扱う必要があります。誰にもあげらませんお宝です。
遠藤周作
悲しみの歌
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=45870
--------------------------
先日から、「死の棘」（島尾敏雄）と並行に読んでいた「悲しみの歌」を読了しました。
昭和５２年１０月に「海と毒薬」を買って、その直後に「死の棘」を買って、遠藤と島尾に夢中になっていた学生時代がある。
「悲しみの歌」は、昭和５６年８月に買っています。文庫本の初版が６月で、文庫化されて大急ぎで買ったのかもしれない。もちろん初版。
今では「海と毒薬」の続編のように言われるものの、世に出るまでに時間を要したらしい。
そのころの遠藤周作といえば、大人気作家で、長者番付は常連でしたし、新聞雑誌でも引っ張りだこでした。昭和５０年ころから６０年ころの間に読み尽くしました。感想をそのとき毎に書き残さなかったのは残念なことです。
文庫本は、察しの通り真っ茶色です。電車のなかで広げてもいかにも古めかしい本を読んでいるとわかります。ページはところどころ便箋のように剥がれそうになってきますので、丁寧に扱う必要があります。誰にもあげらませんお宝です。
遠藤周作
悲しみの歌
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=45870
映画に出て来る若い二人のことは
ほとんど知りませんが、
映画を作る人の情熱を感じるような映画サイトの予告編です。
本で読む作品は、頁を繰みながら味わう作品です。
映画もいいのでしょうが、きっと今の時代の期待通りではなかったのではないかと想像します。
葉室麟 蜩ノ記 (祥伝社文庫)
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=2734421
❏
❏ 印象深かった言葉の1つを紹介する。
葉室麟 蜩ノ記 −− 言葉から
秋谷と慶泉和尚との会話から
−−− もはや、この世に未練はござりません
−−− まだ覚悟が足らぬようじゃ。未練がないと申すは、この世に残る者の心を気遣うてはおらぬと言っておるに等しい。この世をいとおしい、去りとうない、と思うて逝かねば、残された者が行き暮れよう
ほとんど知りませんが、
映画を作る人の情熱を感じるような映画サイトの予告編です。
本で読む作品は、頁を繰みながら味わう作品です。
映画もいいのでしょうが、きっと今の時代の期待通りではなかったのではないかと想像します。
葉室麟 蜩ノ記 (祥伝社文庫)
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=2734421
❏
❏ 印象深かった言葉の1つを紹介する。
葉室麟 蜩ノ記 −− 言葉から
秋谷と慶泉和尚との会話から
−−− もはや、この世に未練はござりません
−−− まだ覚悟が足らぬようじゃ。未練がないと申すは、この世に残る者の心を気遣うてはおらぬと言っておるに等しい。この世をいとおしい、去りとうない、と思うて逝かねば、残された者が行き暮れよう
久しぶりです。
高村薫 李歐
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=4388
２０００字しか書けないので、
感想の続き
作品の中で
---
一彰はそれ以深く考えるの放棄したが、所詮、理性で突き詰めるに足るだけの意味はない。
突発的な歓喜の発熱だと思ったからだった。
熱である限りそのうち冷めるだろうし、熱が下がらなければ死ぬだけだった。
---
と哲学を語り
また別の形で漢詩を引く。
（文庫250ページ）
（重送裴��中貶吉州 劉長卿）
猿啼客散暮江頭
人自傷心水自流
同作逐臣君更遠
�愡活瀘ぐ豸表�
これは、
重ねて裴郎中の吉州に貶せらるるを送る
猿は啼き 客は散ず 暮江の頭
人は自ら傷心 水は自ら流る
同じく逐臣と作りて君は更に遠く
猿の鳴きしきる夕暮れの時の船着場で君と別れる。
人は自然と心を痛めるが
そんな人の情などお構いなしに
川の水はどこまでも流れていく
君も私も同じく左遷された身
君は私よりもさらに遠くに赴任するのだ
青々としたあの山の彼方
万里の果てまで
小さな舟に乗って行ってしまうのだ
という意味の詩で、李歐と一彰が別れるシーンで一彰がボールペンで写真の裏に書き付ける。
この詩は突き刺さった。天才的にうまい。
人生をドラマに仕立てて小説にして感動までを呼び込むのは非常に難しい。
友情を言葉で表して長い月日の物語の中に埋め込んで結実させるのはもっと難しいだろう。
有りもしない背景の中でいかにも有り得るような奮えみたいな興奮をじりじりとストーリーから放出し続け、滅びるべきものを滅ぼして、多くの男女の心のふれあう物語が完結する。
高村薫は、これで感動してはいけないんだ、と言いたかったような気もする。
高村薫 李歐
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=4388
２０００字しか書けないので、
感想の続き
作品の中で
---
一彰はそれ以深く考えるの放棄したが、所詮、理性で突き詰めるに足るだけの意味はない。
突発的な歓喜の発熱だと思ったからだった。
熱である限りそのうち冷めるだろうし、熱が下がらなければ死ぬだけだった。
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と哲学を語り
また別の形で漢詩を引く。
（文庫250ページ）
（重送裴��中貶吉州 劉長卿）
猿啼客散暮江頭
人自傷心水自流
同作逐臣君更遠
�愡活瀘ぐ豸表�
これは、
重ねて裴郎中の吉州に貶せらるるを送る
猿は啼き 客は散ず 暮江の頭
人は自ら傷心 水は自ら流る
同じく逐臣と作りて君は更に遠く
猿の鳴きしきる夕暮れの時の船着場で君と別れる。
人は自然と心を痛めるが
そんな人の情などお構いなしに
川の水はどこまでも流れていく
君も私も同じく左遷された身
君は私よりもさらに遠くに赴任するのだ
青々としたあの山の彼方
万里の果てまで
小さな舟に乗って行ってしまうのだ
という意味の詩で、李歐と一彰が別れるシーンで一彰がボールペンで写真の裏に書き付ける。
この詩は突き刺さった。天才的にうまい。
人生をドラマに仕立てて小説にして感動までを呼び込むのは非常に難しい。
友情を言葉で表して長い月日の物語の中に埋め込んで結実させるのはもっと難しいだろう。
有りもしない背景の中でいかにも有り得るような奮えみたいな興奮をじりじりとストーリーから放出し続け、滅びるべきものを滅ぼして、多くの男女の心のふれあう物語が完結する。
高村薫は、これで感動してはいけないんだ、と言いたかったような気もする。
宮本輝 水のかたち
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=3645792
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=3645793
---
宮本輝の水のかたちのなかで、志乃子が
私ねェ、「心は巧みなる画師の如し」っていう言葉が凄く好きなの
-
心は画師の如し、じゃないのよ。
巧みなる、っていう言葉が付くのよ。
つまり、心に描いたとおりになっていくってことなのよ。
心には、そんな凄い力がある
だから、不幸なことを思い描いちゃいけない。悲しいことを思い描いちゃいけない。不吉なことを思い描いちゃいけない。
楽しいこと、嬉しいこと、幸福なことを、つねに心に思い描いていると、いつかそれが現実になる。お伽噺みたいだけど、これは不思議な真実だ
と語る。
「華厳経」の「唯心偈」に説かれた 「心は巧みなる画師の如く、種々の五陰（ごおん）を画き一切世界の中に、法として造らざるもの無し」
を引いているものだろう、とメモしておく。
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=3645792
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=3645793
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宮本輝の水のかたちのなかで、志乃子が
私ねェ、「心は巧みなる画師の如し」っていう言葉が凄く好きなの
-
心は画師の如し、じゃないのよ。
巧みなる、っていう言葉が付くのよ。
つまり、心に描いたとおりになっていくってことなのよ。
心には、そんな凄い力がある
だから、不幸なことを思い描いちゃいけない。悲しいことを思い描いちゃいけない。不吉なことを思い描いちゃいけない。
楽しいこと、嬉しいこと、幸福なことを、つねに心に思い描いていると、いつかそれが現実になる。お伽噺みたいだけど、これは不思議な真実だ
と語る。
「華厳経」の「唯心偈」に説かれた 「心は巧みなる画師の如く、種々の五陰（ごおん）を画き一切世界の中に、法として造らざるもの無し」
を引いているものだろう、とメモしておく。
山本謙一「花鳥の夢」（文春文庫）は、
永徳を描いた作品で
まだ読んでいないのですが
今度読みたいと思いました。
「利休にたずねよ」
が読んであったので、
ここで登場する利休ははっきりと見えました。
安部龍太郎 等伯（上下）
恐ろしいほどに素晴らしい作品です。
利休、永徳、等伯をつなげるためにも
花鳥の夢 を早く読みたい。
安部龍太郎 等伯（上下）
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=3649274
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=3698334
永徳を描いた作品で
まだ読んでいないのですが
今度読みたいと思いました。
「利休にたずねよ」
が読んであったので、
ここで登場する利休ははっきりと見えました。
安部龍太郎 等伯（上下）
恐ろしいほどに素晴らしい作品です。
利休、永徳、等伯をつなげるためにも
花鳥の夢 を早く読みたい。
安部龍太郎 等伯（上下）
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=3649274
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=3698334
（読後の日記から）
堀川惠子さんとは永山裁判の作品で出会い、そのあとはしばらく文芸作品を読んでいました。
直木賞作品や本屋大賞受賞作品を読んだりして、緩やかな気持ちになっていたのです。
ふと、ヒロシマの被爆の日の読売新聞の社説であった。
2016年08月06日 06時00分 広島は6日、長崎は9日に、それぞれ71回目の原爆忌を迎える。非人道的な悲劇を、二度と繰り返してはなるまい。より多くの世界の指導者に被爆の実相を伝え、核軍縮の機運 を高めることが大切だ。広島市の松井一実市長はきょう発表する平和宣言で、5月にオバマ米大統領が広島を初訪問した際の声明を引用 する。「核兵器のない世界を追求する勇気を持たなければならない」という一節だ。松井氏は、オバマ氏が声明で示した「情熱」を「あの『絶対悪』を許さないというヒロシマの思いが届いた証 し」と評価する。広島平和記念資料館は、オバマ氏自作の折り鶴4羽が展示された後、入館者が前年同期比で4割も増えた。オバ マ氏の歴史的な被爆地訪問は、日本人が原爆と平和を改めて考える機会にもなった。オバマ氏の訪問を一回限りのものにしてはならない。今後も、様々な核保有国の首脳らに対し、広島や長崎で原 爆の惨禍に直接触れるよう働きかけ続けたい。核軍縮交渉が停滞する中、その努力が、核廃絶という究極の目標への長い道程の一歩となろう。 米国社会でも、原爆投下への評価は着実に変化している。 「戦争終結を早めた」と正当化する人の比率は、終戦時の85%から昨年は56%にまで減少した。今春には米国で、ドキュメンタリー映画「ペーパー・ランタンズ(灯籠流し)」が制作された。米兵捕虜12人 が被爆死した事実を発掘した広島在住の森重昭さん(79)と、現地を昨年訪れた米国人遺族らの心の交流を描い た作品だ。森さんと遺族が灯籠流しで死者を弔う場面は、平和への思いを静かに訴える。森さんは、オバマ氏と広島で抱き 合った被爆者だ。年々、風化しがちな被爆体験を継承することも重要である。広島市は昨年度、「被爆体験伝承者」による講話事業を始めた。伝承者が被爆者から聞き取った話を、次代の 人々に語り続ける。平和記念資料館は2018年度から、遺品や日記など、実物中心の展示に切り替える。被爆者の人形や模型では なく、「実物の力」を最大限生かす狙いだという。今年の大宅壮一ノンフィクション賞は、堀川惠子さんの「原爆供養塔」に贈られた。原爆犠牲者の遺骨約7万柱 を納めた平和記念公園内の塚と、その塚を長年守り続けた女性の物語だ。貴重な被爆体験を正確に記録して、世界へ発信する。日本人が忘れてはならない責務である。 2016年08月06日 06時00分 Copyright 
The Yomiuri Shimbun
社説を読み堀川恵子さんの名前を思い出しここで紹介された作品をもう一度じっくりと読みたいと思った。
このようなルポは、誰でもが書けるものではない。この人がこのテーマに遭遇したことが幸運だったと言って良いだろう。誰が書いても、誰が調べても、こんな作品ができあがるわけではないことを考えると、読ませてもらった私たちも幸運だった。
だからこそ、堀川さんの書いた物語を読んで欲しい。
--------------------------------------------------
堀川惠子
原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=288528&id=3575535
堀川惠子さんとは永山裁判の作品で出会い、そのあとはしばらく文芸作品を読んでいました。
直木賞作品や本屋大賞受賞作品を読んだりして、緩やかな気持ちになっていたのです。
ふと、ヒロシマの被爆の日の読売新聞の社説であった。
2016年08月06日 06時00分 広島は6日、長崎は9日に、それぞれ71回目の原爆忌を迎える。非人道的な悲劇を、二度と繰り返してはなるまい。より多くの世界の指導者に被爆の実相を伝え、核軍縮の機運 を高めることが大切だ。広島市の松井一実市長はきょう発表する平和宣言で、5月にオバマ米大統領が広島を初訪問した際の声明を引用 する。「核兵器のない世界を追求する勇気を持たなければならない」という一節だ。松井氏は、オバマ氏が声明で示した「情熱」を「あの『絶対悪』を許さないというヒロシマの思いが届いた証 し」と評価する。広島平和記念資料館は、オバマ氏自作の折り鶴4羽が展示された後、入館者が前年同期比で4割も増えた。オバ マ氏の歴史的な被爆地訪問は、日本人が原爆と平和を改めて考える機会にもなった。オバマ氏の訪問を一回限りのものにしてはならない。今後も、様々な核保有国の首脳らに対し、広島や長崎で原 爆の惨禍に直接触れるよう働きかけ続けたい。核軍縮交渉が停滞する中、その努力が、核廃絶という究極の目標への長い道程の一歩となろう。 米国社会でも、原爆投下への評価は着実に変化している。 「戦争終結を早めた」と正当化する人の比率は、終戦時の85%から昨年は56%にまで減少した。今春には米国で、ドキュメンタリー映画「ペーパー・ランタンズ(灯籠流し)」が制作された。米兵捕虜12人 が被爆死した事実を発掘した広島在住の森重昭さん(79)と、現地を昨年訪れた米国人遺族らの心の交流を描い た作品だ。森さんと遺族が灯籠流しで死者を弔う場面は、平和への思いを静かに訴える。森さんは、オバマ氏と広島で抱き 合った被爆者だ。年々、風化しがちな被爆体験を継承することも重要である。広島市は昨年度、「被爆体験伝承者」による講話事業を始めた。伝承者が被爆者から聞き取った話を、次代の 人々に語り続ける。平和記念資料館は2018年度から、遺品や日記など、実物中心の展示に切り替える。被爆者の人形や模型では なく、「実物の力」を最大限生かす狙いだという。今年の大宅壮一ノンフィクション賞は、堀川惠子さんの「原爆供養塔」に贈られた。原爆犠牲者の遺骨約7万柱 を納めた平和記念公園内の塚と、その塚を長年守り続けた女性の物語だ。貴重な被爆体験を正確に記録して、世界へ発信する。日本人が忘れてはならない責務である。 2016年08月06日 06時00分 Copyright The Yomiuri Shimbun
社説を読み堀川恵子さんの名前を思い出しここで紹介された作品をもう一度じっくりと読みたいと思った。
このようなルポは、誰でもが書けるものではない。この人がこのテーマに遭遇したことが幸運だったと言って良いだろう。誰が書いても、誰が調べても、こんな作品ができあがるわけではないことを考えると、読ませてもらった私たちも幸運だった。
だからこそ、堀川さんの書いた物語を読んで欲しい。
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堀川惠子
原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年
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