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中東・イスラム世界との対話コミュのヨルダンという人工国家の「ナショナリズム」

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こうトピを書ききってしまって、なんつー大風呂敷を広げたもんだ、といつもながら思うのです。

これをまじめに書けば、修士論文か博士論文が書けますよ。

ネタとして楽しんでかけるような「体験談」でもないし。

困ったもんだ。頭には情報は詰まっているが、ここまでまじめにトピ名を書いてしまうと、どこから書けばいいのやら。

えーとですね、大雑把にヨルダン国民を分けると、ですね。

●48年以前から「トランス・ヨルダン王国」に居住していた、ヨルダン系ヨルダン人(変な言い方ですが、まあ、アラビア語日常会話の直訳です。まあ、「トランス系」ヨルダン人(らりってるのか?クラブでさら回しそうだから、この用語好きじゃないんす)、とか、「部族系」ヨルダン人、とか、「ベドウィン系」ヨルダン人とかいろいろ用語があります)

●48年以降、グリーンラインや西岸から流入したパレスチナ系ヨルダン人

前者が、現在までいたるヨルダン王国の政権、特に軍や治安機関を担う、「真の」ヨルダン人です。

後者は、要はですね、PLOの支持基盤として、ヨルダン王政にとって脅威な人たちなんです。だから、ヨルダンはPLOに対して敵対的で、挙句には、PLOと内戦を戦い、PLOをレバノンに追い出すしかなかったのですね、これが黒い9月事件。70年だったかな?

で、このときの内戦に、シリアがPLOを支援して関与したことを根に持ったヨルダンは、シリアを潜在的敵国とみなすようになり、今度は10数年後、シリア国内でムスリム同胞団が内戦を起こすと、恨みを晴らすべく、ムスリム同胞団を支援して、イスラエルに恩を売ったりしたんですね。アラビア語で血の復習をTHA’Rといいますが、本当にこのベタな復讐こそ、この地域の政治学の基本ルールです。

ということで、政権の最大の脅威だったPLOを追い出した後、国籍を取得して国民となっているパレスチナ系ヨルダン人をどうするのかってのは、ヨルダン内政の最大の課題なんです。

わかりやすく言えばですね、パレスチナ系の人たちは都市民が多いので、商売がうまい。一方、ヨルダン系ヨルダン人は、ベドウィンが多いので、ベドウィンの戦闘力を利用する軍・治安機関で優遇されるというかそもそもパレスチナ系は軍・治安機関に就職できない。

という風に、同じ国民ながらも、政策的に・文化的に、住み分けが進んだのですね。

で、先代の国王が死んだのは、イスラエルとの和平協定の直後。

先代は、やっぱり、偉大な指導者として、尊敬はしますよ。いくら、あの英国人を連れてきた観光ガイド業の一家とはいえですね、偉大な指導者の業績そのものは、私は素直に認め尊敬します。彼でなければ、この貧弱な人工国家をここまで安定的な国家に育てることはできなかったでしょうね。

つーか、先代のような優秀な指導者がいなければ、うーん、シリアがレバノンを支配したように、シリアにもチャンスがあったけど、きっとそれより優秀なイスラエルがもっとのっとっていたでしょうね。イラクもきっと介入したはず。ま、レバノンみたいな代理内戦になったでしょうね。

で、先代を引き継いだ今の国王は、あまりたいしたことはしていないのですが、まあ、引き継いだことを粛々としました。

その最大の課題は、「経済成長」です。

だって、先代が、偉大な指導者だとしても、マジで命を掛けてイスラエルとの和平を選択して、そのまま死んだってのは、すごいプレッシャーでしょうよ。

彼の和平が正しかったんだって証明する義務を負ってしまったのですから。

その証明をできる唯一の道が「だから経済的に発展したんです」ということしかないのです。

そこで、この資源も自然もなーんにもない国の「経済発展」という手品というかペテンをし続けるしか政権の正統性がないという宿命。

このペテンに不可欠なのは、イメージ戦略であり、プレゼン能力であり、そして、その営業活動の成果は、いくら、イスラエルとの和平に国際社会が金を払ってくれるかという一点にかかっているのです。

そこで、米国や日本やEUは、「ODA」を注ぎ込み、米国の犬であるサウジは、オイルそのものを提供し、オイルマネーを「投資」して、みーんなでこのペテンに協力しているのです。

こうして外部からもたらされる似非オイルマネーは、利権となり、政権に近い「企業」に分配され、それが国民経済の中核となるという、まあ、似非湾岸産油国のプチコピーみたいな国となりました。

こうして、なんちゃって湾岸産油国となったヨルダンは、イスラエルと米国の犬であると同時に、サウジの犬とも成り果てたのですね。

ここで重要なプレーヤーは、レバノンのハリーリー一族。

ハリーリーは、サウジ国籍保持者にして、血縁ではないものの、実質的にはサウード王家のプリンスといって差し支えない人物でした。

ハリーリーは、レバノン人のサウジ出稼ぎ労働者でした。レバノン人がサウジで成功する鍵は、自宅キャパクラ接待です。

中東のパリ、世界の美女、レバノン娘。

美しい妻と娘をキャパ嬢として、サウジ人のご主人様を自宅で酒池肉林で接待する、これこそ、レバノン人の生きる道。

ま、その元締めが、ハリーリーなんですな。こうして、肉体労働者から、ゼネコングループの長となり、サウジ国籍を取得し、サウード王家のプリンスの一人となったのです。

ま、レバノンのこの「繁栄」ってのは、こうやって、密接に、「女と酒」を通じて、湾岸オイルマネーにリンクするわけです。

その「アラブの繁栄」を伝える衛星放送の「アラブ文化」が、湾岸のファンドによるレバノンのチャンネルばかりだってのは、この実態を非常に正確に伝えています。

レバノンの内戦処理は、このハリーリーが、レバノンに帰国し、スンニ派リーダーとして台頭し、シリアと協力して国内をまとめ、そして、サウジから金を引っ張って復興するという構図でした。

しかし、ハリーリーは、シリアに反旗をひるがし、最終的に「シリア諜報機関」によって暗殺されます。ま、いまだに実態は闇の中ですが。

俺は個人的には、それこそ、アル・カーイダの犯行だった可能性すら十分にあると思いますけどね。でも、あれだけ諜報活動のメッカのベイルートの表通りでの白昼の犯行。まあ、関係国の諜報機関は、みーんな共犯関係だって思えば、ま、誰が実行したのかなんて論じても無意味ですね。CIAもモサドもシリアの諜報機関もみーんな知っていたと考えるべきでしょう。

で、ハリーリーの息子がこの役割を引き継ぎました。

ハリーリー一族こそ、サウジの命令を受けて、その犬であるヨルダンの「経済発展」を引き受けています。

こうして、リヤド・アンマン・ベイルートという「スンナ派同盟」が成立したのですね。

となると当然、敵対軸は、ハリーリーの敵であるレバノンのヒズブッラーであり、ヒズブッラーを支援する「シーア派同盟」のシリアとイランとなるわけですな。

あ、ヨルダンのナショナリズムね。

で、住み分けだ。

ヨルダン系ヨルダン人が軍・治安機関を通じて政権支持基盤となる一方、都市民で商売がうまいパレスチナ系は、政治から阻害されつつも、政権の政策と、主体性でもって、「経済発展」の「主体」となっているのです。

ここで、すでにパレスチナ系ヨルダン人は、腐り始めています。

だって、ナショナリズムからも政治からも阻害され、真の敵であるイスラエルの脅威にさらされながら、武器を持つことも政治活動をすることも禁止されたのですから、ひねくれるのは当然かと。

あ、要は、考えたりすると、めんどくさいし、答えを出そうとしても、禁止されるし、なーんにも実現できない政治なんて捨てちゃいましょーって割り切るのが、「経済発展」の「主体」なんです。

こうして、ハリーリー一族をボスとするこのアンマンの似非レバノン人コピー兼似非湾岸「アラブ人」コピーとなったパレスチナ系ヨルダン人は、とーんでもな連中です。

●プライド⇒「アラブ人」、「ベイルートっ子」、「金持ち」、「成功者」

●実態⇒サウジ人コピーとしての、労働倫理やスキルのない労働者。スキルはプレゼンにより国際社会や湾岸から金やオイルをたかる以外にはなーんにもない。

これが、ですよ、本物のベイルートっ子なら、少なくとも、マジでおしゃれ、ソフィスタケーション、美男美女なんで、ま、俺たちアジア人から見たら確かにまぶしいよね、ってあきらめがつくから、彼らから差別されてもある意味、あきらめつくんです。

でも、アンマンの似非ベイルートっ子は、そんなに大して美男美女でもソフィスタケーションもない上、湾岸の粗悪なコピーでもあるので、胡散臭い「アラブ」の雰囲気もプンプンするのですよ。そんな連中に、しかも、ですよ、俺たち日本人は血税を注いで彼らを食わせてやってる立場なのに、「アジア系」として差別されるこの不条理。

ある意味ですね、サウジの生物に差別されるのは、売り言葉に買い言葉ですが、俺たちが「石油を買ってやってるからおまへら金もってんだろう」だし、あの生物に言わせれば「おれらが石油うってやってんじゃーん?ありがたくおもへ」、どっちもどっちでしょ?

でも、この似非ベイルートっ子コピー兼似非湾岸「アラブ」コピーのアンマンの連中は、そもそも、文化的にもまったく日本人から見ても尊敬できないし、彼らの金は俺たちが寛大にばら撒いている血税なんだって点で、もう差別を許せる余地は0なんです。

で、この種のアンマンスノッビーは、下町や難民キャンプに取り残されたパレスチナ人同胞を卑下して、笑います。

さらに許せないのは、自分たちの努力でない「経済発展」を根拠に、隣国シリアを「発展途上国」と馬鹿にし、私たちシリア人を「貧乏な野蛮な連中」と見下します。むかつきますねー、マジで。

ま、彼らの薄っぺらいプライドはよくわかりますよ。

だって、本来なら、パレスチナ難民の子孫として、祖国の解放の抵抗運動の主体となるべきなのに、PLOは追い出され、西岸のPLO指導部は署名した白紙を販売する商人となり、ヨルダンは米国とイスラエルにより支配され、米国に支配されるサウジによっても支配され、彼らにプレゼンして営業してお金を引きずらないと今の生活すら維持できない。

で、一方のシリア国民は、発展途上国とはいえ、ある程度の自立した国民経済を獲得し、弱国のはずなのに、イスラエルとの和平を拒否し、さらにはイランを巻き込んでヒズブッラーを育て上げ、イスラエルに対する抵抗運動を続けているのを毎日目撃させられるんですから。それは、なんとかして馬鹿にして嫌わないと、パレスチナ人としてのプライドが傷つくんでしょうね。

こうして、とにもかくにも、「自分たちは成功者の強者であり、他の連中は貧者の弱者の負け犬」という世界に閉じこもり、アンマンのせまーい、アップタウンに引きこもり、他人を馬鹿にし続けるしかないのです。

その引きこもり地区に全財産をはたいて購入した新車のランクルで殴りこみをかけたつもりの当時「外交官」だったアジア系の私はですね、結局気がついたら、単なるランクルのドライバーになっていたのです。あ、逆効果だった?って?

こうして、パレスチナ系は政治からもナショナリズムからも阻害され、一部はアンマンのスノッビー地区にこうして引きこもりの似非ベイルートっ子の本質は労働できないサウジ人コピーの生活を「享受」できるようになったのですが、それすら否定され放置されているのが、下町や難民キャンプのリアルなパレスチナ難民の子孫。

彼らのできることっていえば、じーさんたちの鍵を見つめて「いつかはふるさとに帰るんだ」とつぶやくだけです。

それで納得できない人たちが、どうするか?

ヒゲヒゲブラザーになって「本当の正しいイスラームが実行されれば、ぜーんぶ神様がなんとかしてくれるんだー、イスラエルは神様が壊してくれるんだー、この抑圧も全部神様が終わりにしてくれるんだー」病に自ら進んで感染するしかないのです。

こうして、ですね、エジプトからはムスリム同胞団が組織的に進出し、サウジからは凶悪なワッハーブ派ウイルスが持ち込まれ、この混合するヨルダンのヒゲヒゲ病は、相当最悪です。正直、本家のエジプトのムスリム同胞団の人たちの方がよっぽどか知的に見えてしまうくらい粗悪なまがい物となりました。

とまあ、「経済成功」したら、腐る、貧者だとヒゲヒゲ病に感染するか、単なる抗議すらできない貧者として細々と暮らすしかない、という3択しかヨルダンのパレスチナ人には与えられていないのです。

その点、ゆがんだプライドからも、ヒゲヒゲ病からも、弱者ルサンチマンからも、比較的自由なのが、実は、ヨルダンにおいては、私が嫌いを公言してきた部族系の、血筋での「アラブ人」のヨルダン人なんだってことになるのは、論理的帰結ということでした。

ここまでは、昔いたころには気がつかなかった。だって、ベドウィン見ただけで吐き気したんで。

で、ベドウィン系は、そもそも、社会的成功が、軍隊と治安機関なんで、そもそも肉体労働に誇りを持っている連中なんですね。その点でも、サウジ人とも腐ったアンマンアップタウンの似非サウジ人とも大違い。

しかも、経済的にそんなに恵まれなくても、田舎できちんとした血縁コミュニティーと土地への帰属と歴史があるから、ヒゲヒゲ病に感染する理由もあまりない。

それでも、ヨルダン南部の旧サウジ領の住民は、いまだにサウジ国籍を保持していたりして、本音は「俺たちサウジ人」だったりするんで、まあ、ぜーんぶ、まっとうな連中だとまでは思いませんが。

私が好きなカテゴリーの部族系ヨルダン人は、もうシリア世界そのもの、である、北部ヨルダンの農民系ヨルダン人、クリスチャンとの共存の歴史が長い中部のベドウィン系ヨルダン人だけ、なんだと思います。南部のベドウィンは、特にマアーンは、もう無理でした。だって、アフガン帰りの「怒りのアフガン」な男たちが徘徊するジハードの町でしたから。サウジリヤルが流通していたし。

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