よしの家コミュの渡る世間はツノばかりＺ　第一話

雲一つない空が見守るバンフの森。
森はいつものように静かな音に溢れ、川は冬の殻を破り始めている。
生命の活動は春の訪れとともに激しさを増し、冬の名残雪を溶かしていた。

父エルク：「くぅ～～っ！！いてて。春だなーー」

母エルク：「あらやだあなた。どんな格好でねてたんですか？」

父：「ん？あぁ。。なんか寝違えたみたいで。」

母：「ツノが同じほう向いてるじゃないの。」

父：「まいったな。。ま、いちよう、春だし。」

母：「季節は関係ないですよ。ほら、早く食べて行かないと遅れま
すよ。」

父：「まいったな。。春、関係ないか。」

　春の訪れを感じてはいるものの、今一つ心が晴れない父エルク。
会社でもコピーを逆さにとってしまったり、若いメス社員にツノを笑われたり。

父：「なんだか今日はついてないな。」

　その日の帰り道。
気分転換にいつもと違う道を通る父エルク。
春の訪れとともにその表情をがらりと変える森の新鮮さがうれしかった。

景色を見ながら歩いて行く父エルク。
その目の片隅になにか怪しげな物陰が映ったように思えた。

父：「ん？いまなんかいたよな。んなわけないか。つーか、ありえ
ないし。無理だし。」

　全力で否定する父エルク。
すると目の前にあきらかに怪しい人が現れた。

父：「うわ～、にんげんだよ～。つーかなんか俺にむけてない？何
あれ？」
　
　するとその人間が持ってる四角いものから太陽のような光が！！
　
父「んjkだsbぎぃうあlsdfkjんgvまjlkghtりあ！！！！！！」
　
　父は混乱し、
（このままではやられる、このままでは狩られる、このままでは家族が危ない、このままでは地球が侵略される！！）

　体は人間の方に向かい突進！！
（息子の運動会でもこんなに早く走らなかったな、そういや去年なんて斜向いのお父さんゴール手前で転んで3位になっちゃったな。あんときは笑えなかったけど、今になってみると滑稽な姿だったな。うへへ。あ、んなこと考えてるばあいじゃ。。。）

　
　
　　　どかっ！！！
　
　
　
あまりに夢中に走ってたために、自分の幅を考える事ができずツノが二本の木に刺さる。
驚いた人間はしりもちをつき、一目散に逃げて行った。
　
ちち「ふっ、口程にもない。」
　
　
　
ちち「ぬけない。。。」

なんとか人間を退治した父エルク。
その運命の歯車はすでに狂い始めていた。

次回、
「抜けるのか！？父エルク？？」

乞うご期待☆