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上原ひろみコミュのコンサートレポート Hiromi's Sonic Bloom@Yoshi's Featuring John Shannon 4days 初日5/3

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Halfmoon Bay の公演から3週間、Hiromiがサンフランシスコベイエリアに帰ってきた。一ヶ月も待たずに再度SonicBloomが見られるなんて幸せなことだ。しかも今回はギターがFuzeではない。John Shannonというギタリストをフィーチャーしての初めての公演だ。

Fuzeは唯一無二のキャラクターを誇る凄腕であり彼の代わりのギタリストが只者ですむわけがない。もちろんHiromiがただの代替で満足するわけがない。いろいろネットを探ってみてやっと出てきたのがこのサイトである。

http://www.wakingvision.com/core/index.html

なんと、マーティンがHiromiトリオに参加する前に組んでいたバンドであった。サウンドを聴いて驚く。まったく180度違う音楽性だ。アンビエント的な要素をふんだん盛り込んだに音響派(?)な音楽。そこに流れる感情は美しく激しい。こんなギタリストがSonicBloomをいかに弾くのであろうか?

そして今回はYohis'sでの公演。Hiromiを見に行くのは3回目だけど考えてみたらまともな音を聴かせる為にきちんと作られたJazzクラブで彼女の演奏を聴くのは初めてである。

Yoshisはとても音が良いJazzクラブだと思う。そしてYoshi'sのグランドピアノもとても良い音がする。そんなワクワクをもって初日の公演を迎えた。

1st set:PM8:00

渋滞にたっぷりと1時間半はまってぎりぎり15分前に到着。あらかた席は埋まっていたのだが幸運にも真ん中の一番後ろPA前の音のバランスがよい席が取れた。正面から見て左からグランドピアノ、ベース、ドラムス、ギターという配置。ギターはシングルネックで6弦だ(笑)。トニーがステージの後ろからちょこっと出てきてベースのケースをステージ裏に戻す。やおら一発大あくび。NYとカリフォルニアの時差3時間は意外にじわっと効く。夜12時が朝の3時だし。飛行機だって6時間もかかる。

Please welcome Hiromi〜! のアナウンスと共にバンドメンバーがステージへ。HiromiはCDジャケットの衣装で登場、みんな大喝采だ。John Shannonは細面の白人で当たり前だが度迫力のFuzeとは全然雰囲気が違う。メンバーが各ポジションにセットしさて一曲目と緊張感が増したところでふとマーティンがタイムをかける。スティック持ってないじゃん・・これはかっこ悪い。Hiromiが右手でマーティンを射撃。減点1。

そしてTime Difference からセットは始まった。Hiromiのソロが終わったやおら、John Shannonのギターに鳥肌が立つ。ディレイを一杯に使ったディストーションダブルチョーキング一発。遠くから何かの生き物の咆哮が聞こえてきたかのようだ。小節に音符ひとつのソロ。Hiromiの高速ソロの後にこんな空間のソロがくる事なんてだれも予測してない。そしてそれに呼応してメンバーの演奏の空気が一変する。

2曲目 Time Travel で確信した。FuzeのSonicBloomがドッカリとヘビーなリズム隊をバックに備えたスリリングなロックバンドだとすれば、今日のSonicBloomの完全に4人が一列に並んだコンテンポラリーJazz バンドだ。メンバー全員この変化を歓迎して楽しんでいるようにみえる。メンバーが各自のインプロビゼーションに呼応してどんどん演奏を変化させてゆくのでまるで曲がまるで生き物のようだ。

そして変化の自由度のきっかけは John Shannon が醸し出す空間がつくり、そこにHiromiが反応する、マーティンが反応する、トニーがフォービートを上に下に振ってゆく。これをジャズと言わずとして何がジャズだろう。

この曲に限らずこの日はリスクを恐れず攻める演奏でとにかくいろんなことをする。もちろん攻めすぎて時々すれ違う時もあるけどお構いなし。Hiromiもノリノリ。右手つかったり左手使ったりとにかく楽しそうだ。ソロにちょろっとスタンダードジャズのフレーズまぜたり。(彼女は普段あまりそういうことをするタイプじゃないと思う。)

しかし特に構成やアレンジを変えるわけでもなくプレイヤーが変わるだけでこうも違う曲になるものかと。あらためてこの4人はすごいと思った。なにより音楽性がすごい。

きっとSpiralのコンセプトの延長上でTime Controlを作ったとしたらギターはJohnだったんじゃないかと思う。four piece of orchestra と言っても良いかもしれない。でもたぶんフジロックで盛り上がるのは間違いなくFuzeのSonicBloomだと思う。これは優劣じゃなくてベクトルの違いだけでどっちも凄い。

1st セットはその後もJohnの音楽性が生きるスペーシーな展開を見せる。Time Travel のシンセによるエンディングの後に、Time Flies のピアノソロに引き継がれてゆく。個人的には1stセットで一番良かった。繊細なピアノソロからシンセによるメロディが終わるとJohnの空間ギターが柔らかにメロディーを引き継ぐ。そこにHiromiがアルバムよりもサステインとアルペジオをより聴かせる本当に優しい演奏で空間を包み返す。矢野顕子の弾き語りのような繊細で優しいピアノだ。二人の間でしゃがんでいるトニーとマーティンがとてもうれしそうな顔で二人の演奏を聴いている。

楽曲はその後Deep Into The Night , Time Controlと続きセットを終了。

うーんよかったなぁ。。とほうけてロビーにて2ndセットを待つ。音の良いクラブじゃないと今夜の空間とインタープレーはありえない。

Hiromiさんはセット間にCDにサインを。すごい行列。セットの間は短くちょっとは休憩すればよいのに、と思う。本当にファンを大切にする人だ。トニーは相変わらずぶらっとロビーに来る。Johnは彼女(美人)を連れてきたみたいで僕の後ろでなにやらくつろいでいた。

2nd: 10:30 PM

2ndセットでは前に座れた。セット間できちんとピアノの調律を入れている。さすがだ。かぶりつきは近すぎてバンド全体が見えなくなるので2列目に。Hiromiのピアノを斜め後ろから見る感じ。

2ndセットはトリオで開始。トニーのベースソロからスタートするSpiral。演奏開始前トニーがHiromiにどうぞ、いえいえトニーからどうぞとジェスチャーする。今日はバンドの空気がすごく良い。そして演奏はよどみなく切なく歌い始める。

SpiralはHiromiのタッチと楽曲の感情の起伏が一体となった本当に美しい曲だと思う。この曲はギリギリで涙を抑えているような、何かひとつあったら決壊してしまいそうな感情を最後の一線でおしとどめるているような、そんなことを感じさせられる。

トリオはもう一曲 Old Castle.. を演奏し、再度 John Shannonを迎える。今日のHiromiは本当に笑顔だ。そしてAnother Mind より Double Personality いきなりロックギター全開。1stではかなり深刻な顔で演奏していた彼だが、ここでは笑顔だ。トニーがキメの16分のフレーズを全部ユニゾンする。これが物凄いスリリング。攻めている。めくるめくソロ合戦に観客も拍手喝さいだ。

そして今夜最高の演奏がこの後の "Note From The Past" だった。John Shannon が本領を発揮する。空間を一杯に作るサウンドでゆらゆらと物悲しくテーマを奏でた後、ボトルネックを使ったスライドギターで自ら作った空間をズダズダに切り裂いてゆく。それに感応するHiromiが凄まじい。もはやソロだとかバッキングだとかそういう次元ではない。Johnによって膨らんだり切り裂かれたりする空間に容赦なくグランドピアノを叩きつける。Johnが少しずつフェードアウトし、もはや立ちっぱなしのHiromiが全身をグランドピアノに叩きつける。感情が爆発する。最後の一撃でHiromiは本当に何かを叫んだ。その後爆発した感情を抑えるかのごとくピアノの前で立ち尽くすHiromi・・。

変な話だが僕はしばらくしてHiromiがトニーににっこりと微笑みかけたときに実際けっこうほっとした。演奏を見ながら時々心配になる。この人は本当にこんなことをして大丈夫なんだろうかと。命を削って演奏してるんじゃないかと思わせられるのだ。

この演奏で客席のテンション(圧倒されててもそれはテンションだ)は最高潮に高まった。Body Clock vs Real Clock = Jet Lag でノリノリ大全開、そして最後の曲はTime Out。大喝采の大団円だ。本当に良いライブだ。今まで見たHiromiのライブはそのたびにノックアウトされていたけど今回が一番良いライブだった。1st-2nd 通してセットリストに起承転結あり、バンドには親密で良い空気があり、演奏は歌っていた。

鳴り止まない拍手に入り口近くのマネージャさん(?)がもう一曲OKのサインを出す。大喝采の拍手を浴びてHiromiの再登場。「今日は日本食を食べたのでちょっと日本っぽい歌を弾きます」というトークに観客がウケル。「MCではじめてのジョークがあたって嬉しいです。」とHiromi。

アンコールは「さくらさくら」だ。生で見たかった演奏。彼女がピアノと会話する様子はとてもチャーミングだ。ピアノとの間に親密な一体感がある。ユーモアたっぷりの演奏から次第に盛り上がりソロにもかかわらず立ち上がっての演奏だ。

きっと今日のライブは彼女の中でもずいぶん良いライブだったんじゃないかと思う。演奏終了後スタンディングオベーションに答える彼女は胸に手を当てる感無量のジェスチャーだった。その場のみんな幸せだった。

Hiromiさんありがとう!

#お読みいただいてありがとうございました。長文失礼いたしました。

コメント(4)

ライブの熱狂が伝わってきます。
ものすごくいいライブだったようですね。
俺はひろみさんのライブは、まだ1回しか行ったことが
ないのですが、ホントにライブ向きのアーティストだと
思います。
早くSonicbloomのライブに行きたい!!
すばらしいレビューでした。映像が浮かんで演奏が聞こえてくるような気がします。
あとスパイラルの感覚は自分とすごく似てて、共感できました。
臨場感あふれるすばらしいレポ、ありがとうございました。
早くライヴに行きたい!!
すばらしいレポですね。ライブを擬似体験出来た気がします。

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