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THE 感動する話コミュの幸せと時間

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またまた自分の作品の一つのせます。


私にはもう幸せな時間がない…
大好きな彼の命が残りわずかだから。
彼と私が初めて会ったのは、私が路上で弾き語りをしていた時に、
聞いた後にすごくいい曲だし歌上手いねと言ってくれた。
ほとんど立ち止まる人がいなかったから、すごく嬉しかった。
それから彼はいつも来てくれた。
彼はファンになってくれた。
いつの間にか、私も彼の人柄のファンになってた。

会うたびに、なんでもない会話の時間…それが私には幸せな時間だった。
ところが急に彼は来なくなった。
私は心配になった。

しばらくすると…彼が再び現れた。

ほっとした。
久しぶりに幸せな気分で歌えた。
歌い終わると彼は、

「今日で多分君に会えるのは最後だ…実は入院するんだ…もう治らないの、進行がどんどんしてくんだ…
君は将来は立派な歌手になるよ…きっと」

私は泣いた…そして次の瞬間彼に愛の告白をした…
私はあなたのファンですと…好きと。

彼はとまどいながら

「ありがとう…嬉しい。でもきっと時間が止まりでもしなければ、君はすぐに悲しいことになる。
僕はそんな姿みたくない。だけど残りを君と過ごしたいと気持ちもある。」

私は彼に毎日お見舞いに行くと約束した。

それから毎日、病院が幸せな場所だった。

ある日いつものように、病院に行って、路上ライブをやっていると…
結構年配のおばちゃんが話しかけてきた…

「なんだろうね…あんたの歌から悲しさが漂う…なんかあったのかい」

私は誰かにこの切ない気持ちを聞いて欲しかった…
おばさんに話した。

「そうかい…時間が止まればいいんだね…
よしこれをあんたにあげよう。」

と不思議な形をした時計のようなものを渡された。

「私には昔好きな人がいて、でもね…彼は海外に行くことになって、海外行く日がこなければと思ってこれを作ったんだよ…
これはね…スイッチを押すと…時がとまるんだよ…
自分と一番大切な人だけは動けるんだよ…だから今の状態が永遠に続くんだよ。だから病気も進行せず止まるし、あなたも今の状態のままで永遠に続くんだよ。もっともまだ使ったことないから…確かじゃないけど…それに一度しか使えないんだ…もう一度押すと時間が進む…あんたがどうするかは自由さ…使うのもよし…捨てると悪用されるから、壊して欲しい。」

私は一つ気になった。
なんでその時計を海外行く前に使わなかったのかを聞いた。

「残念ながら完成が間に合わなかったんだよ…結局海外行っちまって、それからもうずっと音沙汰ないんだよ。
だからあんたは幸せをつかみな。

そう言うとおばさんは去ってた…
正直半信半疑だね…
けど少しでも可能性があるなら…
やって見よう。

押してみた…なんも変化もない。
まあそうだよな…普通に考えて、その日はそのまま寝てしまった。
起きてみると…うっ朝か?と思って外にでると…夜だった…寝過ぎたのか?
いや寝た時のままだ…本当にすごい…
私は確かめたいことがあった…そう彼の病院だ。

彼の部屋に行くと彼は不思議そうにしていた…

「なんだか時間が止まってるみたいだ…」

混乱する彼に私は事情を話した…

「てことは僕と君以外の時間が止まってるんだ。」

そうだよと…しかも病気も止まったままだということも伝えた。

「信じられない…でもそうなら願いが叶うよ…」

願いとは…

「僕君といろんなとこへデートしたかったんだ。
いつも路上ライブか…病院しかなかったからさ…」

さっそく2人のデートが始まった…。

行きたいとこは片っ端から行った。
遊園地や、夜景にいったり、他にもいろいろ行って幸せな時間を過ごした。

教会にも行ってみようと彼に言った。

「そうだね。」

教会に入ると結婚式の途中で時間が止まっていた。

私は見とれていると彼が

「これでいいのかな…」

と呟いた。

最後に私はどうしても行きたいとこがあると言って彼を連れていった。

ここ…そうコンサート会場…
一番ステージに立ってみたかった。

客席には彼が一人。

私はそこで、何曲も歌い続けた。

彼は幸せそうに私を見ていてくれた。

彼は私の側にきた。
すると彼は

「決めた。
時間を動かそう。」

私は驚いた…なんで?ずっと一緒にいれるんだよ。
それなのになんで…私には分からなかったが…彼は私を抱きしめながら、私に言った。

「今の歌を聞いて思った…君がここで満員のとこで歌う姿を見てみたい…例え天国からでも…
確かにこのままいれば、僕は死なないし、君とも一緒にいれる。
だけどそうすると、君がここで満員の前で歌えなくなる…さっきの教会の2人もこれから幸せが待ってるだろうし、それを奪えない、僕は今の幸せより、未来の幸せを選びたい…ごめんな…でも俺今でも幸せだよ。この先短くても…君と会えたことで…もう一生分の幸せを感じれたよ。
だから、元に戻そう。」
私は泣きながら彼と病院に戻り…もう一度ボタンを押した。

それからしばらくして、彼は亡くなりました。

私はあのコンサート会場を目指す…彼が命と引き換えに与えてくれたチャンスだから。

いつものように路上で歌ってると、見覚えのあるおばさんがいた…
私に不思議な贈り物をしてくれたおばさんだった。
すごく幸せそうだった…隣に男性が、そっか海外行った彼が戻ってきたんだな…きっとそうだ…そうだと信じたい…
最近路上ライブにお客さんが増え始めた。
私はお客さんに必ず言う言葉がある。

今の幸せより、未来の幸せを選びたい…
あなたたちは今の幸せと未来の幸せどちらを選びますか?

おしまい

コメント(4)

彼の勇気と凛とした去りかたには、彼女の幸せだけを、願いが泣けます。

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