THE　感動する話コミュのGodiva

コピペ

　ベルギーの名門チョコレートメーカー、ゴディバ（Godiva）は、馬にまたがった裸婦がシンボルマークになっています。この女性が、社名になっているゴディバ夫人なのですが、実は彼女、イギリスで語り継がれている伝説の女性なのです。

　11世紀のイギリス・コヴェントリーに住む人達は、領主であるマーシア伯レオフリックの圧政に苦しんでいました。かれの妻であったゴディバは、住民達のことを思い、何度も夫を諫め、心を入れ替えて欲しいと願います。
　しかし彼は妻の意見を聞き入れません。それどころか、度重なる妻の忠告に嫌気が差してきます。そこで彼は、彼女に無理難題を突きつけました。
　「裸で馬に乗り、町を巡回したならば、お前の意見を受け入れよう」
　彼は、これなら妻も黙るだろうと考えました。彼女は悩みました。
　しかし、住民達を救えるのならと、「当日は外出せず、窓を閉めるように」と住民に布告して、本当に裸で馬に乗って町中を練り歩いたのです。住民達もコティバの自己犠牲の心に打たれ、彼女の言うとおり戸や窓を閉め切り、家の中に引き篭もりました。
　ただ一人、仕立て屋のトムという男が、こっそり彼女の裸を見てしまい、神罰を受けて失明したと伝わっています。英語で覗き魔を表す「ピーピング・トム」（Peeping Tom）はこれが由来という。
　夫のレオフリックはコディバとの約束を守り、圧政を改めたといわれています。
　　　　（『ちょっといい話』アルファポリス文庫より）