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欧米の世界制覇コミュの【文献紹介】ロシア

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ロシアに関する文献を紹介するトピックです。

ロシアについては,そもそもロシアはヨーロッパなのかという問いがあります。
フランスでは,ロシアの地域研究は東洋学の一部門とされているようです。
ロシア自身にとっても,己のアイデンティティ確認の問題として,スラヴ派と西欧派の対立を生みました。

欧米にとって,ロシアは外部であると同時に内部であるような,そのような両義性を持つ存在なのでしょう。

文献紹介を通じて,そうしたロシアの本質(最近,余り流行らない言葉ですが)を探ってゆきたいと思います。

既読,未読を問いません。

最低限,著者名,書名,出版社は挙げてください。

内容の簡単な紹介,感想などを述べていただけると,ありがたいです。

コメント(3)

P・パスカル「ロシア史」(文庫クセジュ)

キエフ・ロシア(800−)からロシア革命直前までの簡にして要を得た通史。文庫クセジュシリーズに共通の,如何にもフランス的な明晰で乾いた知性を感じさせる叙述で,ロシア史についての過不足のない知識を得ることができます。

これはロシア史に限りませんが,政治史主体の通史というものは,人間の歴史のときに眼を蔽いたくなるような残忍さを浮き彫りにするもののようです。人類の歴史は戦争と権力闘争の歴史であるとでも言いたくなる時があります。しかし,これは,政治史中心の叙述が然らしめるもので,大部分の庶民とは無縁の世界でしょう。

著者(1890−1966)はソルボンヌ大学でロシア史とロシア文学を講じたロシア専門家。
中村喜和「増補 聖なるロシアを求めて」(平凡社ライブラリー)

「17世紀後半,正教会の儀礼の改革をめざす総主教ニコンの命令にしたがわず,ロシア的伝統を守ろうとしたアヴァクームは,迫害と追放のうえ,火刑に処される。以後,正教会から分かれ,古来の典礼を守りつづけたロシア旧教徒たち。その信仰とユートピア伝説を丹念にたどる。」(紹介文より)

著者は一橋大学名誉教授。専攻ロシア文化史。
本書は1990年度大佛次郎賞受賞作である。
栗原成郎「ロシア異界幻想」(岩波新書)

 ロシアのフォークロア(民間伝承)に現れた異界幻想の諸相を描く。

 第1章「「この世」と「あの世」のしきい」は、ロシア農民がどのようにして死を予期し、「お迎え」を待つかを記す。

 第2章「家の聖域に棲むもの」は、住まいの隅の祭壇や竈(ペーチカ)と、そこに潜む祖霊の化身「ドモヴォイ」について述べる。

 第3章「ロシア・フォークロアにおける「死」の概念」は、ロシア口承文芸に表現される、生の無敵戦士アニカと死神との凄惨な戦いを描く。

 第4章「「聖なるロシア」の啓示」は、かって、ロシア全土を流浪する盲目の巡礼詩人達が歌った霊歌「鳩の書」が語る「聖なるルーシ」の世界について述べる。

 第5章「ロシア的終末論」は、「善はあったが、過ぎ去った。善は来るが、それは長く待たねばならぬ」現世を覆し、義人達が起こされる最後の審判の到来について語る。

 第6章「天国と地獄の幻景」は、ロシアのフォークロアに現れたキリスト教到来以前の異教的な要素の名残を留める天国と地獄の形象について述べる。

 唯物論のソ連の70年間を経てもなおロシアの地で語り継がれてきたこれらのフォークロアは、ロシア人の民族性を反映して、幻想的かつ異界的である。それは一方では語り物や昔話の世界に、他方では宗教が民衆と出会ったときに生まれた法話や霊歌に、属している。
 これらは一体となって前近代の民衆の異界幻想を形成している。柳田国男らによって採集された我が国の民間伝承と比較するとき、それは、それぞれの地域的特性の違いを現すと同時に、共通した要素も多く含まれていると感じられた。

 著者は1934年生まれのスラヴ文献学者。東京大学名誉教授。この書は著者の「個人的な終末感情のなかで構想された」という。

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