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アナタが作る物語コミュの【心霊系】ZERO・7

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今回は、主人公・中岡 庸佑の飼い猫、
ゼロ目線でのお話になります(^^)
更新は相変わらずのマイペース(どころか
出産が予定より遅れ気味なのでストレッチ
しながら、という不要報告付きw)になりますが、
お楽しみいただけたら幸いです(笑)



†††††††††††††††††††



………私の現主人・庸佑が日本に帰国して
一年ほどが過ぎた。
早かったような、短かったような。
最初は(いやむしろ今も?)自分の『武器屋』
という運命を受け入れられずにいた庸佑だが、
きっと本人は無意識ではあるだろうが
少しずつ今の生活に落ち着きを見せてきた。

庸佑の両親夫婦を失い、
残念ながら猫としての本能によって
日本から出られずしばらくはアメリカに
行ってしまった庸佑と離れ離れに
なっていたが、
約15年振りに再会した庸佑を見て、
思わず息を呑んだ瞬間を私は当分忘れられない
だろう。

庸佑の父・庸平を生き写したような姿。
庸平は、バカなのかと思うほど人が良く、
現代人に言わせるならまさに『イエスマン』。
しかし『能力』こそなかったが正義感は強く、
彼の周囲では常に沢山の人々が笑顔で
彼を取り巻いていた。

庸佑の母・佑希もまた朗らかな性格で、
普段はぽや〜っとしていたが、
持って生まれた『霊媒師』としての『能力』は
目を見張るものがあり、
しかし後にその『能力』ゆえに、
後々生まれた庸佑の運命を大きく変える事に
なったわけだが、
庸佑は結果的に『守護霊』にこそ見捨てられたが、
『武器屋』としての稀代の『能力』と、
『人に愛される』ところはまさに両親譲りだ。



庸佑が生まれてから佑希が日頃漏らしていた
言葉を思い出す。

『この子が生まれて初めて自分の運命を呪った。
この『能力』故に庸佑の運命はこれから大きく
翻弄されるものになるだろうし、
その運命から庸佑を守ってやれるほど
私はきっと長くは生きられないだろう。
だからゼロ、うんと長生きして私達の庸佑を
守ってやってほしい』



「……心配せずとも、庸佑は立派にお前達から
色々なものを受け継ぎ、
沢山の人々の想いに守られているよ」





「……………人の痺れきった足(膝)の上で
寝言とは、随分寝心地がよろしかったようだな」





※コメントに続きます※

コメント(12)




眩しい陽の光に耐えながらゆっくりと
目を開けると、
庸佑が引きつった笑みを浮かべながら
覗き込んでいた。



「ちと昔の夢を見ていたようだ。
しかし庸佑、腹が減ったのだが」

寝言の内容を聞かれてしまったのではないかと
少し焦った私は、ごまかすように餌を催促する。

「誰かさんのおかげで足がしびれて
動けねんだよっ!(怒)」

……この化け猫が、と庸佑の心の声が聞こえる。

「………だから誰が化け猫だ」

私はいつものように庸佑に猫パンチを喰らわせる。

「ぅぐっ……!そ、そこは……!!」

どうやらしびれのピークに達している部分に
ヒットしたらしく、
庸佑は全身を震わせながら呻く。
しかしいくらしびれが強くとも絶対に私を
振り落としたりはしない。
それがわかっているから、いつもこのやり取りが
繰り返される。



「く、くそぉ……
『読む』のは反則だぞ……!!」

額にうっすらと脂汗を浮かせながら、
庸佑は悔しそうに私を睨む。

つい数日前までは寝ればうなされ、
繁華街を通れば近くを通りかかったオカマに
飛び上がる勢いでビビり(+蕁麻疹)、
家の呼び鈴や携帯が鳴れば布団に潜り込んで
ガタガタ震え出す始末だったのだが、
ここ何日かでようやく落ち着いてきたらしい。



「くそっ、いつか『燻製』にして壁に飾って
やるからな……!」
(↑正解:『剥製』)

「あぁ、萌ちゃんに連絡するのを忘れていた」

「……………!!(ガクブル)」



そんなやり取りをしていると、
不意に庸佑の携帯が着信を知らせた。

「……きゃっ!
………う、あ、あれ?
穂乃花ちゃんだ」

「きゃっ、って言ったな今………」

「………っ!!
は、はい、もしもし?」

庸佑が手で私の口を抑え、電話に出る。



「うん、うん………えっ?
穂乃花ちゃんの………父さんが??」



数分ほど話し、やがて電話を切る。

「何か……こないだのお詫びも兼ねて
彼女の父さんに会ってほしいって
言われたんだけど……」

「……ん?そうか。
会ってきたらいいじゃないか」

「えっ!?いや、別に父親に会うほどの
間柄でもないし、
そもそも俺は『霊媒師』としてあの場に
居合わせたわけじゃないんだから、
依頼人である父親に会うなら本来は
深苗ババアとか、彼女を命がけで庇った
萌ちゃんが会うのが普通じゃないか?」

「まぁ難しい事はよくわからんが
彼女の父親は有名人だ、別に構わないだろ」

「どういう理屈だよそれ……てか、
有名人てどういう事だ?」

庸佑が不思議そうに私に問いかける。
よし、少しいじめてみるか。



「………まぁ、お前も日本に来て
一年ほどになる。……会えばわかるさ」



「………な、何だここ?」



穂乃花に指示された料理屋をカーナビで検索し、
たどり着いた店の外観を見て庸佑がポカンと
口を開ける。

料理屋だと猫である私は同席できないので、
その様子を通称・『縁モニター』で見守る。

かなり立派な門構え、玄関の見えない広い庭。
ちょっとやそっとの金持ちでもそう出入りを
許さない雰囲気を醸し出していた。



「どこかのお嬢様なのは予想できたけど……
せ、正装で、って言われたのは
こういう事だったのか……」

……一体あの子何者なんだ?と言う声が
庸佑の脳内に飛び交っているらしく、
少々声がうわずってきている。



しばらく歩いてようやく店の玄関にたどり着いた
庸佑を、女将らしき中年の女が出迎えた。

「中岡様ですね?
ようこそいらっしゃいました、こちらへどうぞ」

口をパクパクさせながら言われるまま
長い廊下を歩いていくと、
やがてひとつの座敷に通された。



「八城様、中岡様がご到着されました」



そう言って女将が丁寧に襖を開ける。
そして中にいた人物を見て、庸佑が小さく
悲鳴を上げた。



「待ってたわ庸佑くん、
こちら、私の父の八城 大悟。
顔くらいは……知ってるかしら?」



………そこにいたのは、
穂乃花の父でありこの日本の内閣総理大臣、
八城 大悟だった。



………顔面蒼白になりながら、
庸佑の脳内に色んな考えが渦巻く。

『こ、これ何かのドッキリか!?』
『アメリカに帰りたい……』
『また変な悪夢が……!?』
『スピル○ーグがどこかに潜んでるのか?』
『助けて神様深苗様』

…………庸佑よ、お前はやはりバカなのか?(涙)




「そんなに堅くならないでくれよ、
初めまして、中岡くん。
娘から話は聞いているよ、先立っては
えらく世話になったそうで」

そう言って気さくな笑顔で八城総理が
庸佑に声をかける。

「○▲×※?†@%………」

「いや、あの、できれば日本語で……」

動揺のあまり本来使い慣れている英語(私は
英語はさっぱりだが、英語にしてもきっと
支離滅裂だろうと思われる)を発している庸佑に
八城総理と穂乃花が軽く引いている。



結局穂乃花に手を引かれ(介護?)、
ようやく庸佑が席につく。

そして徐々に運び込まれる料理を見て、
『写真を撮ってみようか』など訳のわからない
思考を繰り広げながら、
会話がほぼ噛み合わない状態で時間が経過する。



「あ、あまり食欲がないのかな?中岡くん……
な、何やら驚かせてしまったようで申し訳ないね」

「い、いえ、こちらこそ、すみません……」

………何故か土下座する庸佑。
み、見ていられない………orz



「とりあえず、日本語を話せるようになった
ところで本題に入らせてもらおうか」

八城総理が改めて庸佑を見据える。
そして、思わず私達でも驚く発言をした。





「君、穂乃花の夫になってくれる気はないか?」



『縁モニター』を見ながらコーヒーを
口に含んでいた深苗が、
驚きのあまり豪快に吹き出す。

それを真横で顔面に喰らった私を、
縁が「く、黒猫で良かったですね……」と
呟きながら素早く濡れタオルで拭いてくれる。



再び『縁モニター』に集中力を向けると、
(ちなみに目で見るわけではなく集中する事によって
脳内に映像が浮かび上がる感じである)
庸佑が某RPGのサボ○ンダーのような顔で
硬直していた。
その顔を見て、私達3人は不謹慎ながら?
必死に笑いを堪える。



「も、もう一度言おうか?中岡くん……。
『穂乃花の夫になってほしい』のだが……」



『な、何故あえてもう一度言うんだ!?』
と、誰からともなくつっこみ、3人揃って
ついに大爆笑してしまう。
普通なら驚きすぎて笑えないところだが、
職業上、そして『神前家筋』ゆえに
笑えるのだろう、と改めて痛感する。

しかし当の庸佑の方は、今にも『サラサラ〜』と
風化しそうなほど更に硬直を強めている。

一体、八城総理は何を考えているのか………。



「私は深苗さんから、彼女が中岡くんに対して
相当な信頼性を向けていると聞いている。
そんな君だから適任なんだ……今回の『仕事』は」



「………………へっ?」

我に返った庸佑が、鼻から抜けたような
間の抜けた返事をする。
それを穂乃花が申し訳なさそうな表情で見ている。



「実は君を指名で頼みたい仕事があってね、
深苗さんに相談したところ君に直接頼んでみる
ように言われたんだよ。
あくまで君は『霊媒師』として活動しているわけ
ではないから、彼女の一存で決めるわけには
いかない、とね」

『あ、あの魔女にそんな常識的な考え方が
できたのか!?』
と、庸佑の心の声が聞こえる。

ふと深苗を見ると、
(私も初めて見たが)『神前家シフト表』と
書かれた謎のノートに庸佑の名前が書き足され、
見渡す限りの空き枠に全て○を殴り書きして
いるところだった。
(ちなみに私も含め、ふだん霊媒師としての仕事にも
出向く全ての神前家筋の者の名前が記載されていた)




「実はな、あまり大きな声では話せないんだが、
前総理の息子が以前から穂乃花に求婚して
いるんだが、勿論いい話……ではあるし、
相手はとても大人しい性格で人柄もよく、
頭も切れる、まさに申し分ない男だ。
しかし私としては穂乃花の意思を尊重してやりたい。
穂乃花はその相手に対して全く乗り気ではなく、
ずっとやんわり断り続けていたんだが……
近頃まるで人が変わったように穂乃花への
アプローチが強引なものになり、
挙げ句ちょっとした嫌がらせのようにまで
発展してしまっているんだ。
前総理には私が政界に入る頃からとても世話に
なっているし、極力話を大きくしたくはない。
そこで先日の依頼の際に君の話を聞いて、
名家の生まれであり、見た目・年齢・学歴など
まさに申し分のない君に白羽の矢を
立てさせてもらったわけなんだ」



八城総理が話し終え、庸佑がすぐに口を開く。

「………め、名家って、俺はただ普通の家に
生まれて、ちょっと親の仕事は特殊でしたけど、
特に何かあるわけでも贅沢な生活をしていた
わけでもありません。
こういう店にだって初めて来るってかテレビで
しか見たことないくらいだし、
学歴だって飛び級はしてたけど本当まぐれみたいな
もんなんです。動揺したら日本語話せなくなるし、
俺ではとても力不足にしかならないかと………」

と、庸佑が八城総理の目を見据えて答える。
それを見て、八城総理はフッ、と微笑んだ。

「ここに来た君を一目見て、私は改めて
君しかいない、と思ったんだ。
……その『目』だよ、君なら間違いなく
やり遂げてくれる。
私も一応は一国の『内閣』にまでのし上がった
男だ、人を見る目には多少の自信はあるつもりだよ」

そう言って庸佑の傍らに自ら歩み寄り、
庸佑の肩をがっしりと掴む。
その手には彼の放つ雰囲気・言葉の力強さに
比例するように、しっかりとした『何か』が
こめられていた。



「……私からも、お願いします。庸佑くん」

穂乃花も庸佑の目を見据え、頭を下げる。

ここで断ったりしたら男じゃないぞ、庸佑!
と心の中で呟きながら深苗の方を見ると、
深苗もまさに同じ事を考えているようだった。



しばしの沈黙が流れ、庸佑がようやく口を開いた。





「……………お、
俺には無理だぁぁあああ!!」



『縁モニター』のあちら側とこちら側にいた
庸佑以外の全員が見事にずっこける。
八城総理は驚きのあまり目を丸くして
口を開けている。



「………ち、ちょいとゼロ、
庸佑まさかこれ……泣いてるんじゃないかい?」

「ま、まじ泣き……のようだな」

「な……泣いて、ますね」

3人で顔を見合わせ、ひそひそと話す。





「す………すみません、取り乱しました」

「い、いや……さっきから随分と取り乱して
いるようだが」

庸佑の言葉に、八城総理が思わずツッコミを入れる。

「あ、あの、俺………
………俺で、いいんですか?」

「え?」

「きっとヘマばかりやらかす気がして
ならないですが……
俺で大丈夫、でしょうか??」



おずおずと聞く庸佑の手を、
八城総理がしっかりと笑顔で握る。

「………ああ、君しかいない」



その言葉を聞いて、ゆっくりと頷く庸佑を
私達3人は苦笑いで見ていた………。



………帰り道。

私を深苗宅で拾い、庸佑と共にマンションに
向かって車を走らせる。



「………なぁゼロ、
八城総理が『名家』とか言ってたけど、
俺今思えば家の事、『能力』やら何やらの
『霊媒師』絡みの話は聞いたけど、
それ以外って結局まだよくわからないんだよな。
日本にいた期間も短かったし、アメリカでは
そんなの考える事もなかった。
結局、うちや『神前』は何者なんだ?」

信号待ちになると同時に、庸佑が切り出す。

「……そうだな、元々古来より『神前』の家は
陰陽師などの家系でな。
今は『陰陽師』というより『霊媒師』の方が
しっくり来るから言い方を変えてはいるが。
それ故に幕府や朝廷、つまり今でいう政界からの
依頼を中心として活動していた。
『浄霊ならびに除霊』、『妖怪退治』、
『占い事』など様々な事を、な。
その中に『式神使い』の家があってな。
それが現在の中岡家で、『飼鬼(しき)』と
呼び名を変えたんだ」

庸佑がなるほど、と呟きながら、
いつしか車の進路がマンションを通り過ぎ、
適当な道を走らせている。

「てことは、
『浄霊や除霊』が深苗ババアや瑛地ん家で、
縁さん&萌ちゃん家や、熊田さん姉妹の家、
叶音ちゃんの家が『占い事』とかって感じ
だったってことか」

「あぁ、さすが物分かりが早くなったな。
そう、『本家』はあくまで神前家だが、
『式神使い』は中岡家しかなかったんだ。
本当はうちとは筋が別だがいくつか式神を
従える家はあったんだが、
昔は中途半端な力量ではすぐに己の式神に
『喰われる』ほど式神の立場は強いものでな、
生き残ったのは中岡家のみ、というわけだ。
その分、変な言い方になってしまうが
中岡家は『希少価値』が高い。
だから政界御用達の霊媒師家系の中でも、
『神前』と『中岡』は『名家』として今でも
重宝されているわけだ。
まぁ、今の政界では余程の権力でもなければ
私達の存在はおろか、目通りすらかなわんがな」

「め、目通りって……そんな大それてんのかよ
俺らは……(汗)」



事実、庸佑は知らない事だが(庸佑の場合、
『武器屋』なので『霊媒師』としては
無理があるため)庸佑の帰国と同時にどこから
ともなく聞きつけた政治家達が庸佑との面会を
求めてきたが、ことごとく深苗に却下され、
ほぼアメリカ育ちの庸佑の顔を知る者すら
少ない為、庸佑が堂々と街なかを出歩いても
接触される事はないので、庸佑は何だかんだ
平穏な日々を送っているのだ。



「まぁとりあえずお前は希少な中岡家の
たった1人の人間だ。
八城総理も、深苗と懇意の仲でなければ
顔を見る事すらできなかっただろう」

「そんな俺にホストやらせたお前らって……」

はぁ〜、と庸佑がため息を漏らす。



「まぁでも、俺アメリカにいた頃って
周りもドン引きするほどの『不運人間』で
下手に誰も関わろうとはしてこなかったし、
今回あの総理が『俺を』必要としてくれた。
それは素直に嬉しかったし……俺、
やれるだけやってみるわ」

と、庸佑が呟く。



「………そうだな」

庸佑、お前は自分が思ってる以上に皆に
『必要とされている』ぞ。
そう、私なんてきっと、お前がいなくては
生きていけないだろうな……。
……と、心の中で呟きながら、
私は流れていくネオンの光に照らされている
庸佑の横顔を見つめるのだった………。
>>[10]

おかげさまで10日に無事産まれました(*'▽'*)
ただ、私の方が産後の体調が思わしくない&
原因不明?で足を痛めてしまいまして、
リハビリやら何やらで更新遅れてしまって
すみません(>_<)
ご心配いただいてありがとうございます( ´艸`)

リンクなのですが、やはり私の機種でコピペが
できないようで……;;;
なので、復帰次第副管理人さんに
お願いしてみようと思います(´;ω;`)

お手数おかけしてしまって申し訳ないです
<m(__)m>
>>[11]
 無事、ご出産おめでとうございます〜。バースデーバー
 出産も育児も大変な事です。
 更新はどうぞ、無理をせず、ゆっくりと。
 なにしろ、今でも読むのが追いつきません。

 副管理人さんも1歳にならないお子さんがいらっしゃるから、きっとお話が合うかもしれませんね。
 携帯の操作はわからなくてごめんなさい。持ってないんです、携帯。

 私だとコメントを使ってしまいますが、最後につけるリンクは私がやります。
 ただ、一週間に2〜3日はネット環境に無い所に居るので、とっても遅くなります。お許しください。わーい(嬉しい顔)

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