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俺と伝説のニーランチャーコミュの150

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150

少女は俺たちのやり取りを無視して話し始めた。

「この『戦士たちの暁』へようこそおいでくださいました。新しい調和の夜明けです。赤は融和ならぬ調和を表す色。その赤い輝きに照らされておりますのが、調和と輪郭を象徴します『赤い月』です。そして、私は『赤月(あかつき)』と申します。以後お見知りおきを。」

そういうと少女は深々とお辞儀をした。

「秩序と混沌の調和が崩れる時、私は新しい時代の秩序と混沌を見極めなければなりません。」
「・・・なにが『なければいけません』だ。」

コヨーテが犬(っぽい)姿のままでそう呟く。

「秩序の姿は常に変化してきました。秩序は混沌から必要に応じて生まれます。秩序の姿が変わるとき、混沌のあり方も変化し、そして、新しい調和が必要となるのです。」

「・・・なにが『必要となるのです』ですか。」

赤い麗人の胸に抱いた猫が「ニャア」と鳴いた。
ケットシーは短く「シャッ」と威嚇した。

「この館では『古い調和の黄昏』までの間、皆様に武器を取って戦っていただきます。そして、『戦士たちの晩餐』を経て、再び『新しい調和の暁』を迎えます。これを一月の間続けて、赤い月が欠け、再び満月になりましたら・・・」
「長いんだよ・・・毎度の事ながら!」
「そうですよ、ヒマじゃないんですから!」

ケットシーとコヨーテが猛抗議した。

「・・・つれないね、お前たち。ではいいでしょう、1週間・・・」
「一泊二日が限度です!」

ケットシーがそういうとコヨーテが頷いた。
赤月は短くため息をつくと「分かりました。一泊二日ですね。」と言うと、いつの間にか鳴り止んでいた鐘の音が再び響き始めた。
空が次第に青くなり始める。
見回すとどこかの原野の中に巨大な館が聳えている。
空には太陽はなく白い月、黒い月、そして先ほどから浮かんでいる赤い月が浮かぶ。

「とりあえず、地球ではないな。」

ヨーエルがそういうと赤い麗人はいつの間にかいなくなった。

−それでは戦士の皆様、ご健闘を・・・

俺はいつしかウェットスーツの姿になっている。
ハンはドレス姿に、マイアーは忍び装束になっている。
しかし、レンツォは下半身ずぶぬれに弓矢と矢筒の姿だった。

「俺はいつでもバリバリよぉ!」

訳のわからないことを言っている。
ケットシーは何かまじないを唱えると、むくむくと巨大化して手始めに黒い月を食べた。
コヨーテも白い月を丸呑みにする。
二匹は大地も割れんばかりに咆哮すると、獣性を剥き出しにして殴りあい始めた。
家ほどもある大きさの肉片が飛び散る。
肉片は落ちた端から大地を焦がし始めた。

「奴ら常連ってわけか・・・」

卞喜がいつの間にか全身黄色衣装に着替えていた。
頭には黄色い頭巾をかぶっている。

「俺の相手は誰がしてくれるんだ?」

俺たちは顔を見合わせる。
マイアーが進み出た。

「拙者が参ろう。」

卞喜が足元に唾を吐いた。

「後で泣いてもしらねぇぞ!この時代遅れの忍者かぶれ!!」
「そっくりその言葉お返しするでござるよ!マイナー三国武将!!」

マイアーはそう吐き捨てると大きく後ろへ跳び退った。
そこに恐るべき直径2mのトゲ付き鉄球が襲い掛かる。

「唸れ流星鎚!!」

卞喜が叫ぶと鉄球は跳ね上がり、卞喜の両の手の平からは恐ろしい量の鎖が流れ出した。

「あぶねぇ!」

その場にいた全員が鎖の下敷きになるのを恐れてその場を退く。
赤月のものと思われる館までもが逃げ出した。

「私の相手をしてくれるのは誰かしら?」

怪鳥ハン・ヘレチが爆音を轟かせながら上空へ舞い上がる。
そして、デビョルワンに目標を定めて歌い始めた。
俺はヨーエルとレンツォをふん掴まえると両脇に抱えてハンの攻撃から逃れた。
デビョルワンを中心に地面がめくれ上がる。

「父の敵か・・・」

ヨーエルが俺にしがみついたままそう呟いた。

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151

一旦離れてみると、卞喜が作った鎖の竜と、マイアーが呼び出したと思われる蛙が、どちらも恐ろしい馬鹿でかさでにらみ合いをしていた。
その手前ではハンがデビョルワンを歌声の電子レンジにかけて、地面ごと沸騰させている。
そして、頭上から声が聞こえた。

「俺の相手は誰がしてくれるんだい!?」

いおんだ。
いつの間にかセーラー服にベルト、グローブ、ハンマーという異様ないでたちで空中を戦車で駆けていた。
コシチェイとアルバートも同乗している。

「俺が相手してやるぜ!」

レンツォは俺の腕をすり抜けると声高に叫んだ。

「無理だろ!!」

俺とヨーエルと、さらにコシチェイまでもが同時に突っ込む。
レンツォは仁王立ちしたまま振り返らずに俺たちに小声で話した。

「俺も勝てる見込みはねぇが・・・敵にオンナは一人しかいねぇんだ・・・分かるだろ?」

「分かるか!バカ!死ね!!」

俺とヨーエルの激励に後押しされて、レンツォが進み出た。

「お嬢さん、ちとここは狭いみたいだ。そいつに乗っけて広いところまで連れてってくれないか?」
「・・・面白い!」

戦車は俺たちの目の前まで来ると、いおんはレンツォを乗せてどこかへ飛び去った。

「神行太保・・・神行太保になってから挨拶をしていなかったな。お目通りがかなって光栄だよ。」

アルバートはスーツ姿だった。
そして、両手を胸の前で組むと頭を下げる。

「そんなことしても、手加減できませんよ。」
「なるほど、しかしまだ若い君に私を倒せるかな?」
「まずは『かけっこ』からでしょう。」

アルバートは内ポケットからペーパーナイフを取り出した。

「ついてこれるかな?神行太保!」

そして、走り出した。

「ヨーエル、後頼むわ。」
「ん、ああ。」

そう言って俺はアルバートを追いかけた。
152

俺はアルバートに難なく追いついた。
アルバートはおよそ時速500kmぐらいでダラダラと走って俺を待っていた。

「もっと速くてもいいですよ。」
「待ってたんだよ君を。」

横並びになってしばらく走ると海が見えてきた。

「当然、水上は走れるのだろうね?」
「まあ、一応は。」

二人で同時に水上に出る。
障害物もなくなった。
頃合だ。

「ついてこれるかな!神行太保!!」
「まあ、頑張ります。」

アルバートはペーパーナイフを前に突き出すと極端な前傾姿勢を取った。
そして、俺を取り残してグングン加速して音の壁をぶち破る。
俺はそのままのフォームで加速を続けた。
走行による発電で、右ひざの金属球がスパークし始める。
そして、右ひざの神行符もろとも光り始め、空気の壁を破る光の点が現れた。

「マッハだ。」

音の壁を越えてなお加速を続ける。
今までは地球とか環境とかが心配なので出した事がなかったが、初体験の早さだった。
アルバートに追いつき追い越す。
抜くときに目一杯前傾したアルバートの顔をちらりと見ると、アルバートは目を丸くして愕然としていた。

「すんませんね、先輩。これでも一応『世界最速』なんで。」

お互いに音速を超えているので、声が届かないのは分かっていたが、一応言うだけのことは言っておいた。
そして、はるか後方にアルバートを置き去りにして、俺は会場で立ち止まった。
海面が俺の重さに耐えて、すり鉢状にへこむ。
そこへアルバートが走りこんできた。
減速して俺の周りをぐるぐるまわる。

「単なるスピードの勝負では負けたが、戦いは終わったわけではない!」

そして、俺に向かって突進してきた。
ペーパーナイフを握りこんだアルバートの拳が、俺の顔面を捕らえた。
そして、手首からボッキリと折れた。
俺は軽く唇を切ったみたいだ。

「何ぃぃ!!」

俺はちくりと痛い唇に顔をしかめながらも、アルバート氏の技の甘さを指摘した。

「どんな体重で走ってるんですか?もっと比重を上げなきゃ。」

俺を殴って走り抜けたアルバートを後ろから追いかける。
助走なしでも100mもあれば音速は軽い。

「見よ!これが神行太保様の技だ!」
「うわぁぁ!!よせ!!私の負けだぁ!!」

俺は右足を大きく後退させた一本足の状態でアルバートの目の前まで間合いを詰めた。

「ニィィィィランチャァァァァァァァァァァァァ!!!!」

アルバートの脇か腹部か分からないところへ俺の鋼鉄の右ひざが突き刺さる。
左足は容赦なく海面を蹴り、当る瞬間、俺の全体重をアルバートに伝えた。
どれぐらいになるかは分からないが、恐らく俺の体重は数十トンはあると思う。
速度はマッハ1強。
アルバートは膝蹴りの衝撃で跳ね飛ばされ、上空に向かって飛んで行った。

「おっさん、頑丈だな。」

アルバートは吹っ飛びながら遠い空の彼方へ消えていく。
上半身と下半身は辛うじてちぎれずにつながっていた。

「技に名前がつくのって・・・なんかいいな!」

人を蹴り殺してしまった衝撃に抗うように、俺は独り言を言い、無理矢理に笑顔を作った。
アルバートがけしかけたせいで師匠にやられた少年がいる。
心のどこかでそれが引っ掛かり続けていたので、躊躇はなかった。
しかし、後味はものすごく悪かった。
153

余計な事は考えずに、仲間のところへ急いで戻る事だけを考えた。
レンツォが心配だったが、遠目に雷神いおんが走り回ってレンツォを探しているのが見えたため、まだ大丈夫だと踏んだ。

「あとは・・・」

コシチェイの氷づけを発見した。
多分、不死身だからどうってことないのだろうが、自力で抜け出せそうにはないのでほうっておく事にした。
走るヨーエルを見つけた。
後ろから抱える。

「驚くから声ぐらいかけてから掴まえろ!」
「余裕ないって!」

ヨーエルが俺にきつく抱きついた。
そのケがあるわけじゃないが、時速300kmは軽く出ている。

「怖ぇえ!こんな速度で走るのか!」

ヨーエルは震え上がっている。

「ハンだ!」

ハンはデビョルワンと最後に見たときと全く同じ状態で対峙していた。

「デビョルワン!耐えれるのか!!」
「無理だ!ハン逃げて来い!!」

デビョルワンの周囲は草木が燃えて地面が剥き出しになり、岩石が赤熱している。
服はすっかり燃え尽きているが、デビョルワンは余裕の仁王立ちだった。
ハンは俺たちのほうへ飛んでくると、精魂果てたのか俺たちの目の前で倒れた。
デビョルワンに接近できなかった為に、空を飛びながら、高出力の音波を離れたデビョルワンに叩きつけつづけていたのだ。

「あいつ・・・死なない!!」

デビョルワンは離れた場所で悠然と立っている。

「伏せてろ。」

俺はデビョルワンから充分離れた場所をマッハで駆け抜けた。
衝撃波でデビョルワンのいるあたりをえぐったつもりだ
が、デビョルワンは少々吹っ飛ばされた程度でけろっとしている。
減速してヨーエルのところへ戻る。

「俺じゃ無理だ。」
「みたいだな・・・下がってろ。」

ヨーエルは帽子を脱ぐとポケットにねじ込む。
途端に地面に生えた雑草に霜が降りた。

「氷の魔術師のお出ましか!」

デビョルワンの呼びかけにヨーエルが叫び返す。

「俺の射程は『俺の見える限りどこまでも』だ!貴様はどこまで届くんだ!?」
「そんなことを教えてやるわけにはいかん。」
「なら、ここから貴様を氷漬けにするまでだ!」

デビョルワンは渋い顔をした。

「せいぜいが200mだ!」

今は500mは離れているだろうか。
信用するとすれば安全距離だ。

「それだけ、分かれば聞きたい事はない。逃がしてやるから失せろ!」

デビョルワンがむっとした顔をした。

「本当はもっと届くんだが・・・不向きなんだよ!」
「なにがだ!?」

デビョルワンは手をかざすとどす黒いオーラを腕から伸ばし始めた。
どう考えてもアレに触れると絶命しそうだ。

「暗殺向きじゃないんだよ。」

そう言いながら、すでに200mはゆうに超えて伸びている黒い柱を俺たちのほうに振った。
俺はヨーエルとハンを抱えると、思い切り跳び退った。

「ぐふぅ!!」
「きゃぁぁ!!」

ヨーエルとハンが唸る。
俺の加速が強烈だったのだ。
デビョルワンが構わず話を続ける。

「割りと伸ばせるんだが、伸びるのが遅いんだよ。目立つしな。」

ヨーエルが軽く咳き込みながら応じた。

「分かった、全力を出そう。」

ハンが今度は俺を抱えて飛び上がった。
ドレスには巧妙に捕まる場所が作ってあったが、どうしても太ももにしがみつくような形になる。
俺たちのいる場所にはダイアモンドダストが起きていた。
上空に上ると、恐ろしい人数に分身したマイアーと恐らく数kmの長さの鎖を振り回した卞喜が戦っている。
俺たちはひとまず観戦する事にした。
ヨーエルの立っている場所はいつしか氷原になっている。
デビョルワンの黒い影は途中で曲がり、今ははっきりと鎌の形を取っている。

「『死神の鎌』か・・・らしいな。」

ヨーエルは氷の塊を鎌に向かって飛ばした。
氷は鎌に当って砕けた。

「そして、ただの影ではなく『物体』だ!」
「そのとおり。俺の能力を物質化してあるわけだ!」

ヨーエルは無数の氷柱を成長させ始めると、デビョルワンに向かって氷の上を滑り始めた。
靴の底で器用にスラロームする。
ふと見上げると赤い月の縁に座って、赤月が観戦していた。

「そして、お前の回りの植物を見て分かったんだが、お前は『殺す』のではなく『奪う』のだろう!?」
「さすが、氷の魔術師!!」

デビョルワンは黒い鎌を引っ込めると両手を前にかざした。

「貴様の魂貰ったぁ!!」

ヨーエルはデビョルワンの前で立ち止まっている。
デビョルワンは顔をゆがめた。

「予想はしていたが、お前の魂は底なしか・・・」
「底がないわけではないが、そう簡単に吸い切れる物ではないぞ。」

俺とハンはもう少しだけ二人に近付いた。

「しかし!俺は冥府の王だぁ!!吸い尽くす!!」
「黙って吸われるかぁ!!喰らえぇぇぇ!!エターナルフォースブリザードォォォ!!!」

俺とハンは耳を疑った。
どこかで聞き覚えがあるが、ヨーエルはそれまで無言で何かを冷却するだけだった。
恐らくデビョルワンの攻撃の届く範囲まで近寄ったのは、この技を当てるためだったのだろう。

「・・・やはりお前がオリジナルか・・・絶対零度を手中に収めるとは・・・しかし、残念だったな・・・絶対零度では俺は『落ちん』ぞ・・・」

凍りかけた顔面を引きつらせながらデビョルワンが言った。

「普通ならお前はすでに死んでいるのだがな・・・さては、吸い取った魂を消費して。『死』を免れているな・・・。」

デビョルワンはもう答えない。
顔面が凍結して喋れないのだ。
かわりに両手からどす黒いオーラが流れ出てきた。

「ヨーエル!ヤバイ!それは『ヤバい』!!」

思わず叫んだ。
しかし、ヨーエルは身じろぎ一つしなかった。

「貴様が冥府の王であろうと、俺はアルノールの息子ヨーエルだ。冥土に帰る手土産にもう一歩先を見せてやる。」

ヨーエルは両手をデビョルワンに向かってかざすと両手からやはり真っ黒なオーラが前に伸びる。

「エターナルフォースブリザード・・・イマジナリィィィィィ!!!!!」

俺とハンは身じろぎした。
観戦しているだけの赤月ですらおののいた。
冷気は離れていても肌で感じるほどだった。
さらにヨーエルに向かって突風が吹き始めたのだ。
ハンは小声でホバリングしていたが、そのままヨーエルに向かって引っ張られ始めた。
大急ぎで声を張り上げ、ヨーエルに向かう風に抵抗するが、それでもまだ引っ張られる。

「ダメだ!ハン!俺が走る!降ろせ!!」

俺とハンは手近な場所に着地すると、今度は俺がハンを抱えて走り始めた。
その後ろから氷原が迫ってくる。
振り向かずにとにかく走った。
そして、一定距離を離れると突風を感じなくなった。

「なんだあれ・・・」

ふいに赤い月から鐘が鳴り響き、赤月の声が響いた。

− 申しわけありません、予想外の事態でこの世界が崩れかけました。一旦中断して世界を修復します。

「マジかよ・・・」

俺たちとハンは呆然と立っていた。

「氷の魔術師ヨーエル・アルノールソン・・・なんて恐ろしい人・・・」

ハンが呟くのが聞こえる。
ヨーエルは絶対零度に下がってなお抵抗したデビョルワンを、絶対零度からさらに冷却したのだ。
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俺たちはいつの間にか館の門の前に立っていた。
そして、そこには俺が倒したはずのアルバートや、ついさっき絶対零度を突破したはずのデビョルワンまでがいた。
ケットシーとコヨーテはヨーエルを何か化け物を見るような目で見ていた。
赤月は若干顔を引きつらせて門を開けた。

「お入りください。」

館の中には長机があり、食事が用意されていた。
焼いた肉と、豆と肉のシチューと、パンと何かのジュースだった。
ケットシーが耳打ちした。

「ごちそうなんですよ。ここ数百年で人類の文化水準が神話の世界を引き離したんです。」

若い女性が十人ほどで給仕をしてくれる。
赤月が咎めるような言い方でヨーエルに声をかける。

「ヨーエル様には良識というものはないのですか?」

ヨーエルは豚肉か何かわからない肉を噛みながら、悪びれもせずに答えた。

「ないね。俺は一度だって絶対零度が低温の限界だなんて言った事はないぜ。」
「危うくこの世界ごと崩壊するところでした。」
「もうちょっと頑丈に作っとけよ。」

食卓は全体的に憮然とした雰囲気に包まれていた。
アルバートはあまりにも完膚なきまでに俺に叩き潰されてショックだったらしく無言だ。
マイアーと卞喜は勝負の決着がつけられなかった事が不服だったらしい。
雷神いおんは何かイライラしているし、レンツォはこれが本懐とでも言わんばかりに食事をがっついている。
コシチェイは右に倣えと肉に必死でかじりついていた。
ハンは何かいいたげにしているが、踏ん切りがつかない様子だ。
結局無言で食事を終えた。
そのあと俺たちはRSSSで一つの部屋に通された。
レンツォを除く全員がぐったりしていて、ヨーエルにいたっては部屋の隅で床に寝転がって寝息を立てている。
俺は、義足を磨く布を探して部屋を歩き回ったが、何も見当たらず椅子に座った。
それぞれが思い思いの格好で休んでいるが、いい加減眠くなってきて、俺は部屋を出た。

「誰かいませんか?」

メイドの一人が出てきたので、いい時間だから寝る場所はないかとたずねると、急いで用意してくれた。
とにかくハンを個室に入れないといけないと思い気を回したつもりが、ハンはソファで熟睡していた。
俺はため息をつきながらハンを担ぎ上げ、個室に放り込むと、眠っているケットシーを摘み上げて、壁際のヨーエルの横に置いてみた。
ケットシーはヨーエルに寄り添って眠ろうとしたが、ヨーエルの寝息の冷たさに驚いて目を覚ました。

155

翌朝、俺は自宅のベッドで、怒る七美に起こされて目覚めた。
一瞬、夢を見ていたのかと思ったが、七美が起こっている理由を聞いて夢ではないと分かった。

「あんた、なんで靴はいたまま寝るのよ!!」

俺は「あーすいません」と言うと大急ぎで左の靴と義足を外し、ついでにウェットスーツも脱ぎ捨てた。
そして、急いでシャワーを浴びて身支度すると、部屋の扉をあけて、カラバ領の改修中の家に入る。
素通りして軽く走るとカラバ城だった。

「どうなってる?」

円卓には疲れ果てた顔の樋口と、カラバ大王がいた。

「こっちが聞きてぇよ。ケットシーがいなくなっちまった。」

俺は機能の事を掻い摘んで説明すると、カラバ大王は何か心当たりがあるような感じだった。

「赤月・・・聞いた事がある名前だ・・・だが、面識はないと思う。」

そして、ため息をついた。

「調和(バランス)の連中が出張ってくるとは・・・余程、退屈していたようだな。」

ケットシーはその数時間後フラフラになって帰ってきた。

「赤い月の連中がヘソを曲げて大変だったんです。何とか私とバカ犬でなだめたのですが、聞く耳を持たなくて・・・最悪の結果です。」
「最悪の結果?」

ケットシーは泣きそうな顔をして言った。

「人類から文明を取り上げるって。」
「はぁ?」
「奴ら人類を滅ぼすつもりですよ。どっかの勢力の力を借りて。」

俺はいまいちよく分からずに黙っていると、カラバ大王が語気を荒げた。

「聞き捨てならんぞ!人類全体だとどうだか知らないが、少なくとも私は調和の連中とは一万年以上前に不可侵条約を結んだ。」

ケットシーは頷いた。

「なので、私たちがどうという事はないのですが、今、私たちの領地はこの城と、神行太保が購入した山林だけです。」

カラバ大王は「フン」と鼻を鳴らすと、椅子に座りなおしたが、その動作はいかにも乱暴だった。

「ケットシー!条約の碑文をもってこい!」
「了解しました。」

ケットシーはカラバ大王と会話しているうちに、だんだんしゃっきりしてきた。
入ってきたときとはうって変わって、軽い足取りで部屋を出る。

「昔、奴ら『調和の赤い勢力』がアトランティスを滅ぼした直後に、わが国が疲弊した調和の勢力を叩いて壊滅寸前まで追い込んだ。その時に、地球上から消えうせるという約束で、奴らを逃がしてやったんだ。その時に、未来永劫お互いの国土と人民に手を出さないと取り決めたのだが、その当時から奴らのやり方はフェアじゃなかったんだ。」

カラバ大王は咳払いを一つした。

「密室に連れ込んで、二勢力を戦わせて、自分たちは高みの見物を決め込むような方法を取っていた。その度に『新しい調和』がどうとか言いがかりをつけるのだが、いかにも浅薄なんだよ。」

ケットシーが台車に重そうな石版を載せてやって来た。

「・・・これがその不可侵条約だ。」

全く読解できない。
何か楔(くさび)のような形が並んでいるように見える。

「やはりそうだな。我らの同盟国も不可侵条約の範疇に含まれている。」

カラバ大王は立ち上がって歩き回った。

「ケットシー、全員をここに呼べ。特にダムセは今すぐだ。」
「仰せのままに。」

ケットシーはそういうと部屋を飛び出していった。
156

全員が揃った円卓は圧巻だった。
俺の知らない顔も混じっている。
横の樋口がUA(アフリカ連合)の長だと教えてくれた。

「まず、本日は良くお集まりいただいた。礼を言う。」

カラバ大王は見るからに盛装している。
樋口はターバンを巻いて、顔に油を塗っていた。
見回すと全員がきちんとした身なりをしている。
俺だけが普段着だ。

「なんで、教えてくれないんだよ。」
「待ってろ。手配してある。」

樋口はそういうと背筋を伸ばして真面目腐った顔を作った。
カラバ大王が話を続けた。

「これから、しばらくお時間を頂いて現在我々が置かれている状況を理解いただき、それについて私の方策をご説明し、賛同いただければと考えている。だが、説明の為に場所を替えたいのだが、その準備ができるまでしばしお待ちいただきたい。」

俺は普段着のセーターを着たまま罰ゲームのような顔をして座っていたら、誰かが袖を引っ張る。
見てみると、俺の椅子の横にかがみこんで袖を引いているのは篠宮さんだった。

「!?」
「・・・ちょっと来て。」

俺は一礼すると席を立ち、篠宮さんについて部屋を出た。

「何でここにいるの!?」
「冬休み入ってからしょっちゅう来てたの。」

樋口は城に彼女まで連れ込んでいたらしい。
呆れて物も言えない。
俺は篠宮さんに樋口の部屋に案内されると、見知った顔がいた。

「お久しぶりです。神行太保様。」
「宮本さん!」

「俺の」礼服が目の前にあった。
急いで着付けてもらう。
そして胸にはおびただしい数の勲章が下げられる。

「じゃあ。」
「あれ?篠宮さんどこ行くの?」

篠宮さんは不思議そうな顔をした。

「え?自分の部屋。」

指さしたのは、続きになっている部屋の扉だった。
俺はナニかナニかでナニかな感じになって、一瞬意識が遠のいた。
そして、そちらの部屋からは聞き覚えの有る声が聞こえる。

「さらちゃん、手伝って!」
「待って、今行く!」

七美だ。
157

城の大広間は見たこともないようなバカでかい会議場に改造されていた。
会議場の入り口には虍の隊員が立ち並び警備に立っている。
見回すといつも閑散としている城中が虍によって警備されていた。
警備隊長は当然ヒゲだ。
そのヒゲの前でカラバ大王が立ち止まると

「ご助力かたじけない。」

と声をかけた。
ヒゲは最敬礼をして応えた。
会議場には長机が丸く向き合うように並べてあって、一つだけは少し前に飛び出しておいてある。
見るからに議長の席だが、意外にもそこに座ったのはダムセと見知らぬ老人だった。
会議前からその二人は積極的に意見を戦わせている。
気がつくと、カラバ城にかかっていた言語を翻訳してしまう「まじない」が解けていた。
俺は議場の中心から多少それたところに他のRSSSのメンバーと一緒に並んで座った。
横には久々にギャルメイク復活かと思うほど強烈なアイメイクをして七美が座っていた。
髪が金色になっている。

「ブリーチ?」
「ちょっと冬休みだから昔の友達と会ったのよ。」

白いドレスはどこから出てきたのか分からないが、恐らく城にあったものだろう。
その横に樋口がピンクのターバンと黄色い絹のシャツ、紫の長衣という出で立ちで座る。
マイアーは仕立てのよさそうなスーツを着て、その横にはレンツォが珍しくスーツを着ているが、首になんかネクタイの親戚みたいなのを巻いている。
樋口に尋ねるとアスコットタイというものだと教えてくれた。
ヨーエルは耳まで覆うニットキャップをかぶっているがやはりスーツを着ている。
カラバ大王はもはや言う事がないぐらい「大王な」服を着ていた。
ハンはいつもの足が出ているドレスではなく、別の黒いドレスを探して着ているようだ。

「篠宮は?来ないの?」
「お前のところは夫婦だろ?」

なんだかよく分からないが、まあそういうことなんだろう。
会議には俺の知らない人間がたくさん来ていたが、中にはニュースで見たことがある人も混じっていた。
樋口の話だと主にフランス語と英語が使われていたそうだが、俺は「ピーポー」しか聞き取れなかった。
しばらく、そうした話し合いが続くと拍手が沸き起こり、カラバ大王が最初からダムセが連れてきていた人の内の一人に、見たこともない大きさの宝石を箱から取り出して箱に戻すと、今度はその箱ごと渡した。
さらに金の延べ棒を取り出して渡す。
渡された相手はカラバ大王とガッチリと握手をする。
カメラのフラッシュが光り、カラバ大王は演説をはじめた・・・がカラバ語ともいえる言語だった為、何を言っているか全く分からず、ダムセのフランス語での同時通訳ですらさっぱり分からなかった。
とにかく大切な会議なんだという事は分かったが、何の話し合いをしているかさっぱり分からず、七美は襲い掛かる睡魔と必死で戦っている。

「ねえ、これ全体的に何やってるの?」

小声で樋口に尋ねる。

「『カラバ帝国』を作るんだよ。夏休みの宿題張りの突貫工事でな。」
「どういうこと?」

樋口は周りをみながら小声で説明してくれた。

「エチオピア政府からダナキル砂漠っていう低地の一部を『購入』したんだ・・・だいぶ狭いけどな。そこを国土、後はカラバ大王自身を国民にして、立憲国家を作るんだ。」
「はぁ。」

会議は結構な長さで続いた。
それから先は樋口が気を利かせて何をやっているか教えてくれた。
エチオピアとアフリカの幾つかの国を後ろ盾にして国家をでっち上げると、今度は同盟国を募り始めた。
聞いた事もないマイナーな国ばかりがどんどん名乗りをあげていく。
樋口ですらカタカナ表記や日本語での国名を思い出せないで何度か悩んだ。
時には「いや、俺、本当に知らない。この国!」と言ってダムセのフランス語の発音を繰り返すだけの事や、強引に日本語になおして国名を捏造する事もあった。

「あの国は俺も分かる。」
「あー出てきたな。」

俺に土地を売ってくれた国の元首その人が調印した。
実は少し複雑な気分だった。

「樋口、実際どうなのよ?」

樋口は難しい顔をした。

「俺は日本の外に長い間いたから分かるけど、日本だって海外では結構な言われ方をしているよ。エチオピアだって本当はもっとソマリアに近い地域を割譲してくれようとしたんだけど、民族紛争があって出来なかったみたいだし、対外的にも中でも何もかもがクリーンに行なわれている国家なんて・・・あそこぐらいしかないよ。」

樋口が指差したのは世界で一番面積の狭い国だった。
カラバ帝国はその国よりもちょっとだけ面積が広い。

「カラバ帝国と同盟を組んだ国は、それなりにリスクを背負っているんだ。カラバ帝国が事実上のRSSSであることは、『安保理』やその周辺の連中にとってはすぐ分かることだしね。」
「だろうな。」

樋口は上着を脱いで椅子にかけながら続けた。

「安保理の当面の目的である5大国支配の邪魔になるのは間違いないんだ。」
「なんだっけそれ?」

樋口はため息をつくと。

「・・・まあ、お前は今を懸命に生きることに集中しろ。」

といって椅子に深く腰掛けた。
横を見ると七美が舟をこいでいて、マイアーの横のレンツォは小さくいびきをかいていた。
158

会議の後片付けをしていると、ケットシーが顔をしかめてどこかから出てきた。

「ああ、すまん。」

カラバ大王が謝る。
ケットシーが喋ったり歩いたりすると混乱を招くので、隠れていたのだ。

「いいんですよ。それよりも大王。来客です。」

ケットシーが指した方には赤いドレスをまとった麗人が立っていた。
調和の勢力であり、今回の騒動の原因でもある赤月だ。
カラバ大王は顔を引きつらせて挨拶した。

「ご機嫌麗しゅう。調和の使者。」
「何千年ぶりかの建国、おめでとうございます。偉大なカラバ大王様の御姿を拝めるなんて21世紀の人々は幸せですね。」
「・・・何か御用か?」

カラバ大王が勤めて平静を保っているのが痛いほど分かった。

「まずは一言、お祝いを申し上げたかったのですわ。あら、ケットシーさんまで。」

ケットシーは珍しく猫のように威嚇した。

「あら?面白い格好をしたドイツの方は?」

マイアーは大急ぎで政情不安な南米に戻っていった。

「南米です。」

赤月は「あら、残念。」と何が残念なのかわからないが嘆息した。

「私、考えたのですが、現在混沌の勢力が強すぎると思います。特にヨーエル様は恐ろしいお力をお持ちで・・・」

ヨーエルは赤月を無視して、長机を運んでいた。

「あちらにはトリックスターと雷神トールがいますよね。それだけでも充分私たちが負けていませんか?」

ケットシーがそういうと赤月は冷ややかな眼でケットシーを見下した。

「どうでしょう?雷神とトリックスター自体は今までも何度かいましたからね。」

よほどヨーエルに恨みを持っているようだ。

「それで、私はこうする事にしました。秩序の勢力のデビョルワン様に私たちの側へ来ていただきます。」

ケットシーが身震いした。

「意味が分かりません!!必要があるとも思えない!!」
「赤月、意図するところがわからぬぞ。」

カラバ大王とケットシーが激昂した。
話についていけない俺たちは戸惑うばかりだった。

「・・・てぇことは・・・あのデビョルワンは赤い屋敷に住むのか?」

樋口はレンツォに「黙っててくださいね」と言うとレンツォは軽くしょげた。

「『調和の』!それはならぬ!!」
「『人間の』、貴方一人にそれを止める権利はありません。第一に、それは本人が望んだ事です。」

俺たちはカラバ大王と赤月が言葉を交わすのを黙ってみていた。
ケットシーが口を挟む。

「赤い人、彼にきちんとその意味を説明したのですか?」
「当然です。古い友。なんならお会いしますか?」

デビョルワンが奥から現れた。
いつも、溢れんばかりの残忍さを湛えていたが、今日はそれがなかった。

「カラバ大王様、建国おめでとうございます。」

デビョルワンが頭を下げる。

「話すのははじめてだな。私の生まれた国は海の底に沈んでしまったが・・・デビョルワン、生まれたのはどちらだ?」
「済州島で生まれました。美しいところです。」

カラバ大王は目を閉じて記憶から何かを探っている。

「はたして、貴殿がどれほど私達の事を知っているか分からぬが、終わりのない日々はつらいぞ。」

そう声をかけたカラバ大王の声には多少あきらめた感が漂う。
ケットシーは不安そうな顔をしながら大王とデビョルワンを交互に見ていた。

「私は・・・魂を吸い取りつづけなければ生きていけません。私の糧となった最初の魂は母でした。私が産まれた時のことです。」

カラバ大王はうつむきがちに問い掛ける。

「・・・その魂は?」
「まだ私の中に。」

そう言って胸のあたりをさする殺人鬼デビョルワンの顔は穏やかだった。
カラバ大王は片付きかかっている椅子の一つにどっかりと腰をおろすと、儀礼用の王冠を外して膝の上に置く。

「赤月、もしや仲の良い友人が増えるなんて甘い事を考えているのではなかろうな?」

赤月は小声で「いいえ」とこたえる。
大王は赤月を指差して、何かを言おうとしたが、結局何も言わずに手を下ろした。
159

カラバ大王がやつれた表情で、デビョルワンに語りかける。

「不死には幸福のようなものはないぞ?」

デビョルワンが慎重に答えた。

「カラバ大王。私は今ですら寿命が在るかどうか自信がないのです。私の昏い魂は、魂を飲み尽くすと勝手に次の魂を奪ってしまう。それぐらいならば・・・」

カラバ大王はデビョルワンの言葉を左手をかざして遮った。

「・・・分かった、もういい。その痛みが私に分かる日は決して来ない。お前だけの痛みだ。」

赤月は口元を真っ赤な扇で覆うと、何か小声で唱えている。
いつの間にかコヨーテがうろついていた。
気がつかなかったが、もう2人、見知らぬ長身の男性とローブを深くかぶった男性が現れた。
背の高い男性が両手を広げて進み出る。

「『人間の』『調和の』『理性の』『反逆の』『秘術の』・・・そして私『彷徨の』全てが揃ったな。」
「そうだ。これで全てだ。」

長身の男性の問いかけにローブの男性が押し殺した声で答え、赤月を見る。

「では新しき友を招こうか。『調和の』新しき友をなんと呼ぶ?」

赤月が答えた。

「『冥府の』」

その声に他の5人も頷く。

「では参られよ。新しき友よ。『調和の』赤月の求めるに従って、我らは貴方を新しい友とするべく名前を授けよう。」

俺たちはとりあえず関係なさそうだったので一歩(本当はもっと)退いてその有り様を見ていた。
背の高い男は大きく息を吸うと一息に喋った。

「我ら最も古き儀式の時代に定められたるに則って、その求めるに従って集まるは・・・」

その声に呼応して6人全員が輪になってデビョルワンを囲む。

「人間のカラバ」
「反逆のコヨーテ」
「理性のケットシー」
「秘術のマーリン」
「調和の赤月」
「・・・彷徨のアハスヴェール。我らは汝を限りなく友とし、永遠に君の名を呼ぼう。『冥府の』」
「『冥府の』」
「『冥府の』」
「『冥府の』」
「『冥府の』」
「『冥府の』。」

6人がそういい終わると、デビョルワンは目を赤く腫らしていた。

「今、ずっと虜になっていた母さんの魂が・・・」

そう言って、何か張り詰めていた糸が切れるように声をあげて泣きだした。そんなデビョルワンをなんだか、何も考えられずに見ている。
突っ立っている俺たちの中からハンが進み出た。
そして、何も言わずにデビョルワンを含めた7人を見つめていた。
7人は一人、また一人と姿を消し、カラバ大王とケットシーがのろのろと動き出して、また後片付けをはじめた。
樋口がハンに声をかける。

「父親の仇だったんだろ?」
「そうです。」

ハンはため息をついて、また片付けをはじめた。

「母さん・・・」

ヨーエルが呟く。
そうして、城の広間の片付けが再開される中、ケットシーだけがハンのため息で吹っ飛ばされた事に不服を申し立てていた。

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