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俺と伝説のニーランチャーコミュの085

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085

高校3年生になると、やっと落ち着いて勉強ができるようになった。
2年の終わりの方は、忙しすぎて正直いろいろ覚えていないし、1年生の終わりから2年生の頭にかけては病院のベッドに縛り付けられていて記憶すらなかった。
師匠はその間に、俺がマッハを超えたときに現れた光の点について謎を解明していた。
光の点は神行符の持っている機能の一つだったらしく、どうやら戴宗と呼ばれた神行法の使い手が、半人半妖の馬霊から教えられたのは、その空気を切り裂く衝角を持った神行符だったようだ。

「そう言われてみれば、ワシは誰かに神行法を教えるとき以外は神行符は使っとらんかったからな。戴宗が走るときは必ず貼っておったようじゃ。しかし、無くて良い物を今から使うのは面倒じゃな。」

師匠はそう言って切り捨てたが、俺にとっては吉報だった。
樋口は、光の点が空気を切るその現象については知らぬ存ぜぬだったからだ。
もうチェコに帰ってしまったが、ゼマンさんの所蔵する片足男の人形の紋章と、師匠の知っている神行符は細部で異なっている。
樋口はその後も、俺の膝に当たる部分の改良を幾度か行って、義足をつける痛みは極限まで減らされた。
俺自身の義足の扱いも上達して、立つ、座る、走るといった、ほぼ線対称や点対称の動きには問題を感じることがなくなった。
ただし、サッカーのような両足を非対称に使うスポーツはまるきりダメだった。
走っていて急に方向転換する時も、右の膝下は思ったようには動かないので、歩数を合わせて左足を軸にして回るといった細かいテクニックが要求される。
そうした場合は、右ひざのリフトで義足を中に浮かせた状態になる。
上げる高さは最小限だが、やはり若干のぎこちなさは残っている。
俺は義足を普段は使わないようにしていた。
実は片足でも神行法が使える俺は、世間一般の人間よりほとんどの身体能力で勝っていたからだ。
着地の心配さえしなければ、片足でも垂直とびで100mは跳びあがる自身があった。
七美は神行法について完全に理解する事はなかったが、俺が特別な走り方をする事を理解していた。
地元のケーブルテレビに出たせいで、地元では割とよく知られるようになった。
ほとぼりが冷める頃、俺にちょっかいをかけるやつも出てきた。
樋口と俺がたまたま二人だけで町を歩いていると、社会人なのか大学生なのか分からない頭の悪そうなやつに絡まれた。

「お前、自分でトラックに突っ込んだんだってな。」

俺は痛いところをつかれて、苦い顔をしながら。

「まあね。」

と答えた。
樋口がそれを聞いて笑っていると、相手の人数がだんだん増えてきた。
樋口はそれを見ながらさらに楽しそうに笑った。

「増えた増えた!」
「お前、うるせぇよ。」

樋口が髪を捕まれて数人に連れて行かれたのを見ながら俺も腹を抱えて笑った。

「あっはっは!あれ見てよ、あいつバカだ!」
「お前もバカなんだよ。」

そんな風にして、樋口と俺はその日だけで40人近くのヤンキーをしめた。
俺は松葉杖を凶器に使うのが新鮮で楽しかった。
樋口は戻ってきたとき、なぜか砂だらけで、ズボンを残して上に来ていた服を全部脱いでいた。
靴すら履いていなかった。

「お前バカだろ、服どうしたんだよ?」
「お前も松葉杖壊れてんじゃねーか。」

お礼参りは3日間続いたけど、3日間俺たち二人は色々な職種の人間を迎撃し続けた。

「お前ら、社会をなめとるだろ?」

そして師匠に怒られた。
師匠は、篠宮と七美がさらわれそうな所を見つけてベンツを破壊し、相手の首謀者の数人を簀巻きにして担ぎ上げ、東シナ海を南下し、多少迷いながらルソンとかその類の地方に放り出して、再び東シナ海上を走って戻って帰国したのだった。
俺と樋口は調子に乗って暴れまわった事について、非常に具体的に数時間に及ぶ厳重注意を受け、すっかりしょげていた。

「でも、すげぇな・・・あの爺さんは身内が狙われるタイミングを読んでたんだからな。」
「やっぱり、戦時中の生き物は違うよな。」

河川敷に座り込んで二人で猛省した。
樋口はやっぱりこのときも裸足にジーパンだけをはいていた。

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