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SONY PFR-V1 Loveコミュのメーカーさん、評論家さん情報

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SONY PFR-V1を使ってみたり、評論していたりするサイトなど。
ここに書いて、覗きにいきましょう。

コメント(16)

http://www.sony.jp/topics/headphone/pfr-v1/

ソニー 公式サイト 開発者さん情報。
着想30分、製品化2年。音響エンジニアさんの談話です。

山岸亮さん、山口恭正さんほか、製品化に力をつくしてくれた
エンジニアに敬意を表して、これを最初に。
http://www.sony.jp/mail/mysony/series/20080619/
山口さんの独占インタヴュー 

(文のみ)
中学生の頃からオーディオの世界に興味を持ち始めたスピーカー職人・山岸。
音楽よりも“音”の魅力に惹きつけられたという彼は、ソニーに入社してからも“音”にこだわり続け、「SRS-N100」「SRS-T1」「SRS-GS70」、そして「PFR-V1」などユニークなスピーカーを手がけてきた。
そんな山岸だが、実は昔から機械をいじることは苦手だったという。
中学時代の友達がオーディオにハマっていて、彼がいろいろと薦めてくれたのがオーディオに興味を持ち始めたきっかけです。最初に買ったLPも、彼が薦めてくれました。  最初に買ったLPをあらためて聴いてみると、60Hz以下の低音が入っていたり、ベルが鳴ったりと、かなり鮮烈な“音”が入っていて、そういうところにも惹かれました。音楽よりも“音”への興味が強かったんでしょうね。
高校生の頃は、オーディオ評論家の自作用スピーカーの設計図を見ながら、自分なりにアレンジしてオリジナルスピーカーを製作したりしていました。ただ昔から機械をいじるのは苦手で、プラスチックモデルキットも途中で飽きてしまい、最後まで作れたことがないんです。でも、オーディオは投げ出さずに続けられました。今でも不思議なのですが、自分の性格を変えてしまうほど、音に対しての興味が強かったんだと思います。


<SRS-N100>

<SRS-T1>

<SRS-GS70 >



大学に入学した山岸は、アルバイトや自主制作映画への参加で、さらに深く“音”の世界へと入り込んでいく。
オーディオ機器が好きだったので大学では電機学科を専攻したのですが、機械いじりが苦手なのは変わっていなくて、いろいろと苦労しました。まぁ今でも苦手なんですが(笑)。
大学生になって始めたアルバイトでは、稼いだお金のほとんどをオーディオ機器の購入に費やしていました。しかも働いていたのが家電量販店で、そのお店でほとんど商品を買っていたんです。お店にとってはいいお客さんだったと思いますよ。また、学生たちで作る自主映画にも音楽・音響担当として参加して、効果音の録音やシーンにあった音楽を選曲するなど、まさに“音”漬けの毎日でした。
そんな山岸がソニーに入るきかっけになったのは、就職課にいた担当者のひと言だった。
そうこうしているうちに就職活動の時期を迎え、どうしようかなと考えていると、就職課にいた担当者に「あなたはソニー向きだと思う」と言われたんです。
その頃のソニーはというと、ちょうどウォークマンが世間に広まってきた時期。それまで自分もそれなりにお金をかけてオーディオ機器を揃えていたつもりなのですが、ウォークマンは、安くはないとはいえ3万円台で買えて、しかもコンパクト。それなのにすごく音がいい。当時、とても衝撃を受けました。その印象は今でも覚えています。
実は私が最初に買ったオーディオ機器が、ソニーの開発したSQ4と呼ばれるマトリクス4チャンネル方式のモジュラー・ステレオだったんです。実は中学時代の友達の家にあったのが、CD-4と呼ばれるディスクリート4チャンネル方式のシステムで、その音を最初に聴いたとき、“後ろのスピーカーからも音が出る!”ってビックリしました。まさに音に囲まれる感覚で、その定位感が忘れられなくて、自分も最初から4チャンネルで音を出してみたいという思いがあったんです。初めて買うものにしてはマニアックな選択でしたけどね。
またソニーにはトリニトロンなど、新しい技術、製品を生み出す会社というイメージもあり、ボーナスも高かった(笑)。それならば受けてみようと。
今思うと、自分の何がソニー向きだったのか分からないんですが、就職課の担当者のひと言が、その後の人生を決めたと言ってもいいかもしれません。


ソニーに入社した山岸は、スピーカーを開発している部署ではなくヘッドホンチームに配属された。そこで「MDR-E252」というインナーイヤー型のヘッドホンを担当するのだが、いきなり特許を出願するほどの発明へつながる事となる。
本当はスピーカーを作りたかったのですが、配属先がヘッドホンチームということでちょっとがっかりしました(笑)。でも決まったからには自分なりにいろいろとやってみようと。
まず1年半ぐらいは研修や勉強をしまして、最初に担当したのが「MDR-E252」というインナーイヤー型イヤレシーバー、「N・U・D・E」シリーズの第1号機でした。先輩の指導を受けながら設計を担当したのですが、先輩たちに教わってやることとは別に、自分で考えながら改造したりもしました。その自分なりにやっていた部分で、今までにないものができてしまったんです。
◯山口さん その2
それがヘッドホンのターボ回路。これはヘッドホンの筐体から伸びているパイプの部分なのですが、この機構があるとものすごい低音が出るんです。実は「MDR-E252」を、防滴・防水型にしようと改造していました。そこで防滴にするのであればヘッドからパイプを伸ばして、その先に空気室を取り付けたらいいのでは? ということで設計してみたのですが、これが全然ダメ。でも、その空気室を取ってみたら低音がすごくよく出るようになったんです。
この回路を積んだヘッドホンはその後「MDR-E262」として発売され爆発的なヒットモデルとなりました。今までのモデルと比べると、10dB(デシベル)から20dBぐらい違う。音が比較にならないぐらい聴こえやすくなりますし、低音も高音もよくなる。自分で言うのもなんですが機構そのものが画期的で、社内外を含め皆さん驚いたと思います。社内でも当時のよその部の部長が「こういうものができたんだぞ」って、私の作った技術を私に自慢していたぐらいでしたから(笑)。
ただ、このターボ回路は理論的に考えたものではなく、設計している段階でたまたまできたもの、偶然の産物なんです。そのため機構ができてから、なんで低音がよく出るのだろうかを考えて、特許を出願しました。

入社して初めて手がけた製品でいきなり大成功を収めた山岸は、「MDR-E484」などいくつかのヘッドホンを手がけたあと、スピーカー開発へと移ることになる。
「面白いことは上司に隠れてやれ。ダメだったら葬ってしまえ」と、元・副社長の大曽根も言っているのですが、決められた仕事だけではなく、何か面白いことをやろうという社風がソニーにはあります。ターボ回路もそういう社風がなければ、生まれてこなかったかもしれません。
私がヘッドホンの部署からスピーカーの部署に移ったのも、ヘッドホンの開発をしている傍ら勝手にスピーカーを作っていたら、上司が「じゃあスピーカーチームに移るか」と言ってくれたからなんです。
◯山口さん その3
念願のスピーカーチームへと移った山岸は「SRS-N100」「SRS-T1」「SRS-GS70」「SRS-Z1」、そして「PFR-V1」などユニークなスピーカーを次々と手がけ、社内では一目置かれる存在となる。
スピーカーチームに移ってからは、いろいろなモデルを手がけてきました。「ゴルフクラブのカーボンシャフトの先にスピーカーが付いているのは面白いのではないか?」という発想から作り上げた「SRS-N100」。これは、あるオーディオ評論家の方との交流から生まれました。また「SRS-GS70」は、音とバイブレーションを体感できるビデオゲーム用のスピーカーとして肩乗せタイプに。「SRS-Z1」は、不要な音の反射を抑えて実在感ある音を実現するため、スピーカーキャビネットを小型化し、さらにフローティングスタイルにしてみました。こうして振り返ると、その用途もデザインもさまざまです。
山岸が作り出すスピーカーたちは、個性的なデザインをしているものが多い。それは理想の音を追求した結果であり、そこには“常に理想の音を目指す”という山岸の強い思いが込められていた。
よく「変わったデザインのスピーカーを設計しますね」と言われるのですが、特に意識しているわけではなく、どれもその製品で“理想の音”を目指した結果なんです。
これは音響の本などにも書かれているのですが、“理想の音”というのは、小型の球体で伸び縮みしながら音を出す呼吸球と呼ばれるものなんです。今の技術では完璧な呼吸球を作り出すことはできませんが、何が理想なのかということを常に忘れないで設計することが大切だと思います。
また製品を設計する上で“知らないことは武器になる”とも思っています。分かっている人ならばやらないようなことをやる、そこに新たな発見があるかもしれない。
これは私の経験則なのですが、教科書や今までの定説などは意外と間違っていることもある。ただ絶対に間違ってないことがあって、そこは変えられませんが、音響分野には物理の法則内でまだまだ新しい発見やアイデアは有るはずだと思っています。
そういう意味でも部下たちには、固定概念にとらわれずとりあえず作ってみることが大切とアドバイスしています。作ってみて初めてダメかどうか見極めたほうがいい。もしかしたら作ったものを少しだけ変えたら、よりよいものに仕上がるかもしれない。
「MDR-E262」のときも、当初の目的である防滴・防水型を作ってみたけれどダメで、分解している途中にターボ回路ができてしまった。
さらに言うと、防滴型でスポーツタイプのヘッドホンという、今までにないものを作ろうとして生まれたものなんです。今までの製品をちょっとよくしようというのでは、誕生しなかったものだと思います。
もちろん理論的に考えて生まれてくるものもありますが、確率は低いけれどいろいろ作ってみる、その過程が重要なんです。失敗しても何らかの経験にはなりますから。
特に私の場合は最初に成功しているので、また大当たりがあるのではないかと余計に思ってしまう。偶然ほど恐ろしいものはないですね(笑)。
◯山口さん その4


“理想の音”を求めスピーカーを作り続けてきた山岸は、“スピーカーを頭に装着する”というまったく新しい装着スタイルのパーソナルフィールドスピーカー「PFR-V1」を生み出す。それは「MDR-E262」と同じように、偶然から生み出されたものだった。
入社した頃から、スピーカーを頭の先に置くと音の広がりがよくなる、ということが研究されていました。ただ低音を出すためには本体が非常に大きくなり、どうしても重くなってしまう。また耳元や頭の先にスピーカーを乗せられても、本体が重いと重心が悪く安定しない。そういった理由で、なかなか理想の形にはなりませんでした。
それから十数年経った2005年の11月に、ふとひらめいたんです。私の部署で開発した「SRS-AX10」のスピーカーに、ストローのようなダクトを付ければ、軽量でしかも低音が出るものが作れるんじゃないかって。
すぐに食堂にある自動販売機からストローを1本持ってきて、スピーカーに刺してみました。その瞬間、これはイケる! と。それが「PFR-V1」を開発するきっかけです。
そう考えると「PFR-V1」は、構想十数年。低音を出すためのアイデアは30分で完成した製品なんですよ。また偶然、大当たりしたみたいなものです(笑)。
あくまで偶然だと謙遜する山岸だが、そこに至るまでさまざまな製品を生み出し、経験を積んできた彼だからこそ、そのアイデアを思いつくことができたのだろう。 1本のストローによって、十数年想い描いていたスピーカーを現実のものとした山岸だが、理想のスピーカー、理想の音への探究心はいまだ失われていない。
スピーカーはまだまだ可能性が広がるカテゴリーだと思います。例えばスピーカーやヘッドホンで究極のものを作ってしまうと、あとはその製品をいかに安く作るかというだけになり、趣味性がなくなってしまう。でも、音響というカテゴリーにはそうならない面白さがある。各社がいろいろなアイデアを出し、製品を作っているところが面白くて、ユーザーの方もそこに趣味性を感じていただいていると思います。
今後の課題としては、今までにない新しい“場所”を見つけることです。「PFR-V1」は、ソニーならではのスピーカーですが、スピーカーでもヘッドホンでもない、もしかしたら「PFR-V1」でもないものがあるかもしれない。今までにないスピーカーの形というのが当然あると思いますし、自分としても世の中にないもの、ユーザーの方がアッと驚くようなものを作りたいと思っています。そしてそれを実現できる土壌がソニーにはあります。
学生時代、それを見越して「あなたはソニー向きじゃないか」と言ってくれたのなら、すごいですね(笑)。
◯山口さん その5
私がスピーカーを選ぶときは、まずキャビネットを軽く叩いてみて、いい響きがするかどうかを確かめます。次に振動板をそっと触って感触を確かめます。あとは大きさやデザインなど趣味趣向に合わせてという感じです。
ただ一番重要なのは、自分が聴いていいと思うものを選ぶこと。自分がいいと思わなければ、聴いていてもつまらない。同じ会社の製品で同じシリーズのスピーカーであっても、スピーカーを設計した人間が違えば、音も変わってきます。もし可能であれば専門店やAVフェスタなどのイベントに、自分がいつも聞いているCDなどを持っていってじっくり聴き比べる。そうやってお気に入りのスピーカーを探すのがいいと思います。

<PFR-V1>
山岸が開発したPFR-V1。頭にかける新スタイルのスピーカーで、奥行きのあるハイクオリティーサウンドを実現。装着者のパーソナルフィールドを包み込む。
◎感想
 ProjectXです。
 AIBOの土井さんも、思い込んだら一途に走って、
様々な新製品を生み出していました。

 井深、盛田さんという、技術と商品化にむけての、巨人の薫陶を受けて、きっと走る楽しさを知っているのでしょう。
http://www.visualgrandprix.com/vgp2008/result/16185.html

ヴィジュアルグランプリという賞をもらったようです。
変わったヘッドフォンですから。ヘッドフォン
◯impress
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070918/np023.htm
【新製品レビュー】
「パーソナルフィールドスピーカー」という新しい挑戦
新感覚の装着感と音場。ソニー「PFR-V1」





10月10日発売
標準価格:オープンプライス



 大きな音を出せない環境や、屋外での音楽観賞に役立つヘッドフォン。どちらかというと「スピーカーが使えない時に活躍するアイテム」という脇役的なイメージがあり、音質もスピーカーに次ぐレベルという印象がある。
 クロストークの無さや、ユニットと耳の位置が近いことで微細な音も聞き取れるなど、ヘッドフォンならではの利点もある。だが、ダミーヘッドで録音したソースの再生を除き、音像の自然な定位や低音の再生能力では、スピーカーにかなわないのが現実だ。

 また、頭に何かを付けていることで生じる違和感、重さから来る長時間使用時の負担、ハウジングで耳を覆われることの圧迫感/閉塞感などもヘッドフォンが抱える欠点。音像の頭内定位もヘッドフォン特有の現象で、若い頃からイヤフォン/ヘッドフォンに慣れた世代には少ないが、年配の方には“頭の中で音楽が鳴ること自体が苦手”という人も多い。サラウンドヘッドフォンは、構造やDSPでの信号処理などでその問題を解決しようという製品だ。


PFR-V1

 そんな中、ソニーが10月10日に発売するのが「PFR-V1」だ。一見普通のヘッドフォンだが、よく見るとハウジングが無い。黒い球状のエンクロージャに入ったユニットが付いているが、カナル型イヤフォンにあるイヤーピースも無い。球状スピーカーをそのまま耳穴にねじこむのは不可能なサイズだ。

 それもそのはず、これはヘッドフォンではない。ヘッドフォン型の“パーソナルフィールドスピーカー”と呼ばれる製品だという。つまり、ヘッドパッドやハンガー部は、球状スピーカーを耳の前に吊るすための機構と言うわけだ。「頭内定位が嫌ならば、ユニットを耳から離して、耳の前に置けばいい」という、ある意味で非常に単純明快なアイデアで作られた製品。ヘッドフォンでも、普通のスピーカーでも無い、一風変わったモデルをさっそく体験してみよう。

■ 装着感も新感覚

 手にするとまず感じるのは軽さだ。コードを除く重量は約96g。大型ヘッドフォンは200〜300gが普通なので約半分、折り畳み可能なモバイル用ヘッドフォンと同程度の重さだ。ハウジングやイヤーパッドが無く、ヘッドパッドはメッシュ素材なので、この軽さは当然と言えるだろう。


前方から見たところ 背後から見たところ。ユニットの向きがヘッドフォンとは異なり、耳の向きと平行になっている

 やはり目に付くのはユニット。ダイナミック型の21mm径フルレンジユニットで、ヘッドフォンとしては小さめだが、イヤフォンとしてはありえない大型サイズ。光沢仕上げが美しい球形エンクロージャに収められている。感度は93dB/mWと比較的高く、オールパーメンジュール磁気回路を採用している。再生周波数帯域は35Hz〜25kHz。インピーダンスは16Ω。


21mm径フルレンジユニットを搭載している エンクロージャは球形。アルミダイカスト製で、質感も高い





以下、続く
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070918/np023.htm

2ーーーーーーーーー

回折の少なそうなエンクロージャをぐるりと眺めても、バスレフポートらしき穴が無い。その代わり、アルミ製のガイドアームのようなものが伸びており、よく見るとその先に小さな穴が開いている。どうやれこれがポートのようだ。

 「エクステンデットバスレフダクト」と名付けられたもので、アームパーツの中が空洞になっており、ユニット背面からの空気がアーム内部を伝って、この穴から出力され、低音を再生するという。つまり、アームそのものが音道というわけだ。

 この設計も十分奇抜なものだが、さらに驚くのは装着方法。アーム部分を耳の穴の中に入れるのだ。と言っても、アーム自体は耳穴をふさぐほど大きなものでは無い。長さも、カナル型イヤフォンのイヤーピースほど奥まで詰め込まなくていい。“耳穴の入り口に添える”イメージだ。


装着したところ。アーム部分は“耳穴の入り口に添える”イメージだ

 なぜこんなことをしなければならないかと言うと、バスレフポートから生み出される低音を聞くためだ。中〜高音域はユニットから直接聞き、低音域は耳の穴に直接アームで届けるという構造。理解した上で全体を見ると、奇抜なデザインも理にかなったものに見えてくるのが面白い。

エクステンデットバスレフダクトの構図
 “噴き出される空気でこそばゆいのでは?”と思われるかもしれないが、低音が豊富なロックやパイプオルガンを再生しながらポートに指を近づけてもほとんど風は感じない。耳穴が風で涼しいほどボリュームを上げることも可能ではあるが、その場合は聞いていられないほどの大音量になるため、実用的に“こそばゆくなる”事は無いだろう。
 装着してみると、軽量さとハウジングの無さで圧迫感はまったく感じない。超ジュラルミン製ヘッドバンドの剛性は高く、やわな感じが無いのが好印象。頭と触れる部分はヘッドパッドとこめかみの後頭部寄りの位置に当てるガイドのみで、装着感はおおむね良好だ。


スピーカーを吊るすハンガーは上下に調整できるほか、頭部と接続するガイド部分も独立して位置を調整可能。これにより耳や耳穴の位置に合わせた調整が可能。ハンガー全体は横方向にも開いたり、閉じたりでき、頭の幅にも適応できる

 しかし、多くの人が戸惑うのは耳の穴に入れるアームだ。装着方法を説明すると「え!? このアームを耳の穴に入れるの!?」という反応がほとんど。耳穴に添えるくらいの挿入度しかないのだが、“耳の穴に硬い金属的な何かを入れる”という製品はまず存在しないため、強い違和感を感じる人が多いようだ。

 それを軽減するための工夫として、ダクトの表面にはフッ素系の塗装が施されており、冷たさは低減されている。しばらく着けていると違和感は感じなくなるが、何かを食べたり、あくびをしたりしてアゴを動かすと違和感が蘇ってくる。慣れが必要な装着感なのは間違いない。

 なお、搭載しているユニットの能率は高いが、組み合わせるポータブルプレーヤーによっては、出力に不満が生じる可能性がある。そこで、製品にはブースター(アンプ)が付属している。電源は単4乾電池×2本で、連続再生時間はアルカリ電池利用時で95時間。ON/OFFスイッチのみでボリュームは無く、オートパワーオフも備えていない。ブースターを間に入れることでの音質劣化は少ないが、製品の価格を考えるとオートパワーオフは欲しかったところだ。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070918/np023.htm
3−ーーーーーー
■ 清涼感のある音質

 音質の前に、音場を解説しよう。ヘッドフォンよりもユニットが耳の前方に位置してはいるが、残念ながら据え置き型スピーカーのように、ボーカルが目の前に定位するほどではない。前方定位は、顔からスピーカーを20cm程度離さないと発生させるのは難しい。しかし、音場はヘッドフォンの頭内定位とは明らかに異なる。

 音場を帽子の“つば”で例えると、通常のヘッドフォンはシルクハットやシャンプーハットのように頭の中心を軸に円形に広がるが、「PFR-V1」ではその軸が前方にずれ、ちょうど野球帽のつばのようなイメージで展開する。そのため、頭の中で音楽が響いているという感覚は低減され、ヘッドフォンでは味わえなかった新感覚の音場が体験できる。

 音モレはそもそもスピーカーであるため、盛大だ。ユニットから耳までの距離がヘッドフォンよりも遠く、バスレフも機構的にある程度の音量まで上げないと低音が感じられないため、理想的な音量にすると周囲の人に何の曲を聞いているか容易にわかってしまう状態になる。同口径ユニットを採用した据え置き型/小型スピーカーと同程度の音が周囲に飛ぶと考えて間違いは無い。

 音質は人によって評価が大きく変わる部分でもあるため、2名で聴き比べを行なった。

 


[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070918/np023.htm

4ーーーーーーーー
【音質インプレッション】
編集部:山崎(常用イヤフォンATH-CK7)

 一番気になる低音だが、ピアノの左手のアタック音もしっかり聞こえ、ロックで乱打されるドラムの迫力もそこそこある。だが、葉加瀬太郎「Another Star」のアコースティック・ベースでは、弦の動きは明瞭に描かれるものの、ベースの筐体が共鳴する芳醇な音が乏しい。通常ならば中〜低音の響きはエンクロージャで増幅されるものだが、“心地良い響き”を再生するのは苦手なようだ。
 だが、全体のバランスは良くチューニングされており、JAZZやクラシックを聴いても「若干低音が薄めかな」という程度の不満しか感じない。奇抜なデザインから連想するよりも、遙かに正統派な音だ。ただ、女性ヴォーカルでは艶っぽさは抜け、乾燥した声に聞こえてしまう。一番近いのは、バランスドアーマチュア方式のカナル型イヤフォンの音だろう。

 付帯音や雑味が少ないため、個々の楽器の動きや、歌手の口の開閉などがよくわかる。ニアフィールド効果による情報量の豊富さも合わさり、音楽を分析するような、モニターライクで玄人好みな音質と言える。この手の音質が好きな人には“ハマル音”だ。

 また、ハウジングが無い事から生じる独特の清涼感、開放感は癖になりそうなほど魅力的。フュージョンやモダンジャズなどを再生すると、音場の広がりの自然さや、外部の音にまぎれて消えていく余韻の美しさなどは特筆すべきポイントだ。

 全てのジャンルをオールマイティーに再生するというよりも、BGM的な音楽の再生を得意とするモデル……という印象だ。

編集部:臼田(常用イヤフォンMDR-EX90SL)

 ヘッドバンドにはまったく違和感がないが、アルミ製のバスレフアームには慣れが必要だ。アームを耳穴にねじ込むと、ヘッドバンドとアームがきっちりと保持してくれるのだが、耳奥がむずかゆくなってくる。アームを浅めに耳穴にかぶせてもいいのだが、そうすると低音にやや物足りなさを感じる。
 音質は思いのほかナチュラル。打楽器の堅いアタック音には、ダイレクトに耳に刺さるような力強さとスピード感があり、驚かされる。低音はあっさりしているので、ヒップホップやハウスなどではちょっと重さが足りないと感じてしまう。

 “5万円のヘッドフォン”と比較すると、低音はもう少し欲しいところだが、単に音質だけで“パーソナルフィールドスピーカー”と意識させられることはあまりない。

 しかし、目の前に広がる立体的な音像は“ヘッドフォン”とは全く別世界。ボーカルのセンター定位がきっちりと出て、立体的な音場が目の前に広がる。独特のライブ感が新しい。それでいて、耳は覆われていないので、かなりのボリュームでも周囲の音が聞こえているので、なんとも奇妙な音楽体験が味わえる。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070918/np023.htm

5ーーーーーーー

■ 面白い試みではあるが……

 ちなみに「このバスレフポートは本当に必要なのだろうか?」と思って耳穴から外してみたが、低音がまったく感じられなくなってしまった。耳穴への挿入は必須と言える。耳穴の違和感に慣れさえすれば、どこでも手軽に高音質が楽しめるスピーカーとして面白い製品だ。しかし、実際にどんなユーザーにお勧めできるかと考えると難しい。

 音モレを考えると、屋外や電車、飛行機、職場などでの使用は厳しいだろう。外部の音が聞こえるため、乗り物運転中に使用できないこともないだろうが、やはり基本は家での使用ということになるだろう。

 書斎で、お金に余裕のある大人が、ゆったりと自分の時間を音楽と共に楽しむ……などとイメージしてみるが、音が自由に出せる環境であるならば、アクティブスピーカーを置いたり、小型デジタルアンプでブックシェルフスピーカーでもドライブすれば、そちらのほうがバランスの良い音が楽しめるだろう。

 深夜、家族に遠慮しながらテレビを観る時などに便利そうだが、それならば音モレの少ないヘッドフォンを選んだほうが確実。また、そのためだけに5万円を超える製品を買うというのも現実的ではないだろう。

 頭を動かしても聞こえ方が変化しないという特性や、頭内定位やハウジングから来る圧迫感の無さ、清涼感のある音質を活かし、1人、または少人数で部屋の中で仕事をしているような職業の人に向くかもしれない。例えば漫画家、小説家、イラストレーター、音楽家などだ。また、外部の音が聞こえることで、家事をしながら音楽を楽しんでいても、玄関のチャイムが鳴ったことに気付けるというのも利点と言えるだろう。

 価格が5万円を超えることもあり、製品としてはターゲット層が見えにくいモデルだ。しかし、スピーカーを耳の前に吊るしてしまおうというアイデアと、その状態でバランスの良い音質を実現するための各種構造は高く評価したい。

 個人的にはこのアイデアは、バーチャルサラウンド技術を駆使しても、なかなか広大なサラウンド感が得られないサラウンドヘッドフォン分野にこそ活用して欲しい。センターチャンネルをファントム化し、4つの球形スピーカーを頭のまわりに浮かべ、帽子型のアームや肩で支える「リアルサラウンドヘッドフォン」などが登場しても面白いだろう。

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200709/07-0903B/
□製品情報
http://www.ecat.sony.co.jp/avacc/activespeaker/acc/index.cfm?PD=28745&KM=PFR-V1
□関連記事
【9月3日】ソニー、ヘッドフォン型の「フィールドスピーカー」
−スピーカーを頭に装着しリアルな音場を再現
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070903/sony1.htm
(2007年9月18日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20071019/1003591/?P=1
◯日経Trendyの記事/同感出来る点はおおくある。

 “ヘッドホンのような解像感はないし、音の粒が少々粗いという印象、”
 は、意味不明?比較の対象を書いてくれないと、同意しかねる。
 
 全体的には、的を得ている大人の文章なのは、日経だからかな。
http://www.phileweb.com/news/audio/200710/25/7573.html

2007年10月25日
ヘッドホン?それともスピーカー? − ソニーの「PFR-V1」を使ってみた

ソニーからユニークなスピーカー「PFR-V1」が発売された。本機の写真を見ていただきたいのだが、これはヘッドホンではなく、まぎれもないスピーカーなのだ。

PFR-V1は耳の直近で鳴らすスピーカーであり、ヘッドホンにような遮音はまったくされていない。もし電車などで使おうものなら、音声がまわりにまる聞こえになってしまう。ではそのメリットはどこにあるのか?耳元で鳴らすことで小さな音でも迫力あるサウンドが楽しめるというのが、本機が提唱するコンセプトなのだ。

(中略)
━━付属のブースターはどんなときに使うのでしょうか。


本機の専用ブースター
山岸氏:これは携帯音楽プレーヤーなどにつないで本機を再生する際に使います。音量が今ひとつ小さいと感じた時に使ってみていただくと良いと思います。このブースターにもこだわりがあり、高音質のコンデンサーを搭載するために、4層基盤を搭載しました。アンプに接続した場合でも、ブースターを使うと音がよくなることが多いようです。
(中略 その2)

インタビューを終えて、とても気になったことがある。それはPFR-V1に付属する「ブースター」だ。これはプチアンプとも言える代物で、ヘッドホンを使っていて、ボリュームが不足した場合に接続して使う。PSPやiPod、ウォークマンなど、通常のヘッドホンを接続すると音量不足を感じることが多く、とくに音声出力が弱いPSPだと、ドラマを見る場合はフルボリュームなってしまう。

せっかくなので、このブースターを使ってフツーのヘッドホンとPSPや音楽プレーヤーを接続して音質を試して見た。するとどうだろう。ボリュームが大きくなるだけでなく、音の解像感がグッと上がる。中高域の伸びが顕著で、じつに気持ちの良いサウンドになる。それでいて低音はほどよくプラスされる程度なので、音割れなどはない。ウォークマンA800シリーズに付属するインナーイヤータイプのヘッドホンを繋いで試したが、まるで別物とも言える鳴りっぷりだった。残念ながらソニーから携帯用のヘッドホンアンプやブースターは発売されていないが、これだけの実力ならぜひ単体での販売をして欲しい。とはいえ、この手のアクセサリーは、あまり高くては無粋になる。店頭価格で3000円前後なら筆者は迷わず購入する。ぜひ商品化を検討していただきたい。

(レポート:鈴木桂水)

筆者プロフィール
元産業用ロボットメーカーの開発、設計担当を経て、現在はAV機器とパソコン周辺機器を主に扱うフリーライター。テレビ番組表を日夜分析している自称「テレビ番組表アナリスト」でもある。ユーザーの視点と元エンジニアの直感を頼りに、使いこなし系のコラムを得意とする。そのほかAV機器の情報雑誌などで執筆中。
>>鈴木桂水氏のブログはこちら

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