映画愛好会コミュの『チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室』 [ 2009年4月4日公開 ]

久しぶりに満点の映画に出合えました

ダントツで今年観た映画（DVD含む）で一番よかったです！

タイトルがタイトルだし、監督は、『40歳の童貞男』のexecutive producer（映画の編集出身）って書いてあったので、おちゃらけた感じのコメディかと思っていました。

で、映画を観てみたら、予想に反してリアルで奥深い感動作でした！！

「美人のママと豪邸に住む成績優秀のチャーリーは、その明晰な頭脳を活かして、やっちゃいけない”リスキー・ビジネス”をついつい学校の中でやってしまい、また私立高校を退学になってしまう。そして、公立学校に転校した初日にいじめに遭ってしまったチャーリーは、学校の人気者になるために、男子トイレで悩み多き学生たちをカウンセリングして彼らの症状を自分の症状として色々な医師に診察してもらって薬を処方してもらい、その薬を学校で売りさばくというアイデアを思いつく。」というところから物語が始まりますが、中盤で、ある事件が起きてから、だんだんリアルな感動作になってきました。

特にRobert Downey Jr.演じる、チャーリーが転校する公立高校の校長で、チャーリーが好きになる女の子のお父さんであるガーデナー校長役（もちろんRobert Downey Jr.が引き受けるような校長役だから、優等生タイプの校長ではないです。）が、「校長」や「恋人の父親」の典型の、”主人公がすること全てに反対する人”ではなく、本当はチャーリーを退学にしたいのに、チャーリーのやることの内正しいことは正しいから応援しなくてはいけないというジレンマが伝わってきて、リアルでした。チャーリーとガーデナー校長が、エンディングに向かって、「生徒vs校長」や「娘の恋人vs恋人の父親」という立場や年齢差を超えて、結果的にお互い高め合えていたところが感動的でした！

脇役も、それぞれがストーリー上重要な役割を担っていて、本当にいい脚本でした！！

主人公のチャーリーも、『リトルマン・テイト』みたいに天才すぎるわけではなく、ワルでも厭味でもなく、ただ人気者になりたいという高校生らしい理由で行動している役だから、すぐ感情移入できました。チャーリーを演じるAnton Yelchinは、ロシアのフィギュアスケートの選手を両親に持つという異色の俳優で、なかなかよかったです。夏公開の『ターミネーター４』では、imdbでは2番目に名前が載っているし、どんどんビッグになっていきそうです！

あと、ヒロイン役のKat Denningsもすごくよかったです！決して美人じゃないのに、存在感があるところが、Evan Rachel WoodやEva Green的。

将来売れっ子（Katの場合、インディーズ映画で。）になりそうな匂いがぷんぷんする２人です。

あと特に、主人公のチャーリーのお母さん（『アメリカン・スプレンダー』、『ワンダーランド駅で』のHope Davis）と、ガーデナー校長（Robert Downey Jr.）のせりふがくすりと笑えました。

この映画は、チャーリーの視点もガーデナー校長の視点もどちらも丁寧に描かれているので、私は両者の心情を理解できたし、例えティーンの心を忘れた人でも、親目線で、親心がわからない人も、ティーン目線でストーリーを追えて、満足できるエンディングになっていると思います！！高校が中心の話だけど、ティーンだけでなく、大人にも向けて作られている映画だと思いました！