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映画愛好会コミュの【ネタバレ有り】『光州5・18』[ 2008年5月10日公開 ]

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●Introduction
1980年5月18日、韓国・光州市。この町で25000余名の戒厳軍が民主化を要求する学生、市民らと衝突した“光州事件”…タクシー運転手の青年ミヌは早くに両親を失い、たった一人の弟ジヌと暮らしていた。父親代わりでもあるミヌは、弟に格別の愛情を寄せていた。そして、ミヌが想いを寄せる看護師のシネ。彼女は母親を亡くし、父親フンスとの二人暮らしだった。彼らの平和な日常は、その日を境に突如として襲った嵐のような戦禍にまみえていく。ミヌは、ただその現実が夢であることを願った。軍の銃弾に倒れた弟のジヌ。かけがえのない愛と命が次々と犠牲になっていく。ミヌは、ただ愛するものを守りたい一心で戦いを挑んでいくのだが…。

商業映画としては初めて“光州の悲劇”を完全映画化。韓国の歴史に翻弄され犠牲になった市民の悲劇、そこに浮かび上がる人間愛を衝撃的に描く感動作。アン・ソンギ、キム・サンギョン、イ・ヨウォン、イ・ジュンギら韓国最高の演技派俳優が集結。韓国内動員740万人突破、歴代韓国映画興行トップ10 入りを果たした。(作品資料より)

[ 2008年5月10日公開 ]

コメント(1)

 このような民族の歴史に刻み込まれた悲劇的事件を、時にユーモアを交えながらのラブストーリーにまとめ上げたところがすごい作品です。
 戒厳軍のあまりの非人道的な振る舞いに、事件に飲み込まれていった二人が、引き裂かれていく様は、涙なくしては語れません。涙腺を直撃するラストは、やはり韓国映画の王道を表現しています。
 邦画がこれをやるとすぐ政治色を出し、監督だけが怒っていて、観客は白けてしまいがちです。そして、民衆対権力という構図で、群像劇にしてしまい、誰に感情移入していいものか掴みにくい作品になっていたことでしょう。
 この作品の成功は、なんといっても主要人物を絞り込んで、事件を背景に廻し、もっぱら主要人物でドラマを組み立てたことにありました。
 枠を固めるキャラも個性的な面々で、戒厳軍が攻めてきて、命の危険があるなかでも、ギャグを連発しているのです。取り巻きの軽妙さが、この作品の重たさを和らげていました。

 それにしても、ショッキングな映像でした。
 同じ同胞同士が、無差別に女も子供も老人も、暴徒といたというだけで無差別に殺されていいものでしょうか。いくら上官の命令でも、撃ち殺す中には、自分の親類縁者もいたかも知れません。軍事政権の狂気を身にしみて感じずにはいられませんでした。しかも撃ち殺すシーンにおいて、一切妥協ないのです。ああっそこは撃たないで!関係ない人でしょと叫びたくなるようなところへも、構わず銃弾は飛び交い、次々に血しぶきを上げて人が倒れていきました。映画とはいえ、目を覆いたくなるような惨劇です。
 父親が撃たれて倒れたところにしがみついてなきじゃくる幼子。その子を助けようとして犠牲になる市民たち。せめて救いなのは、幼子に銃弾が当たるシーンを免れたことでした。
 医者も例外ではありませんでした。けが人の救出に出動した救急車まで、戒厳軍は狙い撃ちし、医者を殺したのです。

 やがて主人公ミヌの機転で、戒厳軍は一時撤退を余儀なくされます。
 ここで撤退理由として、市民側がTNT火薬を用いて戦車などの破壊予告をしたことになっていますが、実際は市民側が戒厳軍の戦車などの戦備や火器を奪い応戦したのです。製作予算の制約もあったでしょうが、実話通りの市街戦があったほうがより迫力があったでしょう。

 いざ撤退となって、軍の前ではしゃぐ市民に飛んでもないことが起きました。撤退の刻限となり、国家が流されて、厳粛な表情で市民が奏上しているとき突如として、戒厳軍が無差別射撃を始めたのです。
 この作品が韓国の国民を捉えた要因として、国家を神妙に歌っている愛国民を無差別に銃撃したこのシーンに特に強い衝撃を受けたからだと思います。
 この銃撃で、ミヌは目の前で弟を殺されて逆上。恋人シネの父親フンスが組織した市民軍に参加します。
 作品では、突如ラストに市民軍は孤立したような描かれ方をします。フンスが語るアメリカの空母が来たら自分たちは終わりだということも唐突でよく解りませんでした。
 ここは史実通り、指導部が闘争派と協商派に分かれて分裂し、一部闘争派を残して自主武装解除を行ったこととアメリカが鎮圧を黙認したことを描くべきでした。
 ただ物語は史実よりも、恋するミヌとシネにどのような運命が待ち受けていくにポイントがおかれています。
 ふたりがやっと愛を確認しあったとき、どのような悲しみが待ち受けていたのか、映画館でハンカチを握りしめて、見届けてください。
そして人と人とが愛し合うことの深さと、命の重たさを感じずにはいられなくなることでしょう。

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