ロイド・Ａ・シマンデル愛好会コミュの巨匠シマンデルの半生

A couple of years ago...

ネドヴェドがバロンドールを獲得した年・・・
チェコに女囚映画のカルテル“Bound Heat Films”を建立した我らがシマンデル師・・・
誰も剥がそうとしないためか、謎のベールに包まれたままの彼の経歴にメスを入れましょう・・・
この私めが、割礼の執刀医となりましょう・・・

本日はあのIMDbにも載っていない貴重な「霜降りシャトーブリアンネタ」をご用意
食べて食べてのお時間がやってまいりました

＜シマンデルの半生＞
ルボス・シマンドル:Lubos Simandlは激動のチェコ・スロバキアで産まれた。若くして祖国を去り、カナダへ移住したデル青年はファーストネームをロイド: Lloydに変え、靴工場(リーボックかな)で働きながらブリティッシュ・コロンビア大で血液学を学んだ。
１９７９年、まだ学生だったロイド青年は『O嬢の物語』と『氷の微笑』を合体させたようなエロティック・スリラー映画を制作するが、配給がうまくいかず全財産を失ってしまう・・・
学生破産すごいヤツですね・・・日本ならマルイの赤いカードが救ってくれただろうにな・・・年利２８％の出世リボ払いでさ・・・

その後数年間を、エクササイズ・ビデオやコマーシャル・フィルムの制作に携わることで費やした我らがデル。仕事の傍ら、ニューヨークで映画配給の手伝いもやった。ただ働き同然ながら、映画制作の現場を肌で学んだシマンデルは１９８４年、カナダにNorth America Releasing を設立し本格的に映画製作を始め、１９８６年、満を持して『Ladies of Lotus』をリリースする。１６万ドルで制作した低予算映画にもかかわらず、公開３週間で５０万ドルの興行成績をあげた。

おお、すげぇ粗利が６８％もあるじゃないか

低予算で、常にヒット映画の二番煎じながらも彼の手かげた映画は決して赤字を出すことは無かった。

その後、祖国チェコ共和国の農村“Milin”にNorth America Releasingのスタジオを建設する。巨大なジャガイモの貯蔵庫に手を加え作ったスタジオだ。

「映画とジャガイモには、同じ環境が必要なんだね・・・」

と、シマンドルは笑う。イモの鮮度を保つため、貯蔵庫は気密性が高い構造になっている。この構造は、映画の音響効果にうってつけであるし、厚い壁は爆発物を使ったアクションシーンを撮影してもびくともしない強度をほこるのだ。シマンドルはそのスタジオでアクションとセックス満載の低予算映画を作り続けた。

なるほど・・・んでもセックスとイモが結びつかないぞ

ビジネスが軌道にのったシマンドルはこれまでとは毛色の変わった作品を手掛けた。『Heaven’s Tears』は、第二次大戦中ドイツ兵士とユダヤ人女性の禁断の恋を描いた寓話的な作品であった。それまでのセックスとアクション満載の低俗作品とはかけ離れた、美しく、感動的な物語だったのである。ただし、しっかりと絡みのシーンはあるのでご安心を主演は『オークション』でジェニファーを演じたリーシャ・スニェルグロブ嬢
周囲の人間は“ロイドが心をこめてやった素晴らしい仕事”だと賞賛をおくるが、興行成績はふるわず赤字を出すこととなった。“彼が心をこめた作品”は大失敗してしまうのだ。

「みんな、とても美しくて感動する映画だって言ってくれるよ。だけどこの映画にはセックスもアクションもあまりない。ビッグ・ネームも出演していないしね。ほんと大損だった。だから続きは作らないよ」

と、シマンドルは振り返る。

「だけど満足しているよ。とてつもなく高くついた満足だがね」

と、シマンデルは静かに笑った。
その後は、開き直ったかのようにヒット映画の“偽者(バッタモン)”を作ることに徹する。『ダイ・ハード』がヒットすれば、テロリストが人質を盾に立てこもる『クラッカー・ジャック:Crackerjack』を、『ターミネーター』がヒットすれば未来から刺客がやってくるSF作品『タイム・ランナー:Time Runner』を、といった具合に・・・

レンタル・ビデオ屋に行ってみたはいいものの、お目当ての映画が全部貸し出し中で、仕方なく似たような話を選んだり、大作の余韻に浸りたくて似たような映画を観てしまうってことあるよね
これって「あるある」だよね
このジャンル、絶対に収益が見込めるテッパン塩カルビジャンルなんだよね

「映画製作はビジネス」と割り切るシマンデルが、エロティック映画を手掛けることは当然のこと。
どこの国でも、“ポルノとギャンブルは不況知らずだ”なのだ。
シマンドルは1992年『チェーン・ヒート?』を監督した。彼が女囚映画業界で踏み出した第一歩である。『チェーン・ヒート』は、いわば女囚映画の『スター・ウォーズ』みたいな作品で、そんじょそこらの女囚映画とは格が違うのだ。彼はこの大役を見事にはたしてみせた。
『チェーン・ヒート?』は大ヒットし、彼に巨万の富をもたらした。この成功が、『Heaven’s Tears』の大失敗を引き起こすのだから人生どう転ぶかわからない・・・
以後彼の手によって『チェーン・ヒート』は第３作まで作られることとなる。

シマンデルは『チェーン・ヒート』シリーズの正当後継者の称号の下、女囚映画界に王として君臨することとなった