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憲法九条を暮らしに生かす会コミュの西日本新聞【社説】「こども庁」構想 組織新設ありきは危うい

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2021/4/16 6:00

 もっともらしい看板の組織をつくれば解決するような単純なテーマではない。従来の取り組みをどう総括し、いかに見直すか。腰を据えた議論が必要だ。

 自民党が「こども庁」創設に向けた検討本部を発足させた。少子化に加え、子どもの貧困、虐待、自殺といった問題は深刻なままである。そこで、これらに関わる省庁の部局を再編・統合し、一元的に所管する機関を新設するという。連立与党の公明党もこれに同調している。

 子どもに関する行政は、文部科学省が教育、厚生労働省が福祉、内閣府が子育て支援などと所管が分かれ、縦割りの弊害や連携の弱さが指摘されてきた。新型コロナウイルス禍の下、昨年は婚姻数が激減し、虐待や子どもの自殺が急増している。

 これを受け、行政の在り方を改める議論は大いに進めてほしい。ただ気掛かりな面もある。

 「こども庁」構想は、自民党若手議員の進言を受けた菅義偉首相の指示で急きょ検討が始まった。夏までに来年度創設の具体案を固め、経済財政運営の指針「骨太方針」に盛り込み、秋までにある衆院選の公約に掲げる段取りが想定されている。

 背景には政治的な思惑も透ける。コロナ対策が後手に回り、与党議員や官僚らの不祥事も相次ぐ中、菅政権の新たな目玉施策を掲げようというものだ。

 子どもを巡る諸問題は歴代政権が取り組みながら遅々として進んでいない。その原因はどこにあるのか、まずは課題をつぶさに洗い出し、推進すべき施策を見極めるべきだ。それを抜きにした「組織新設ありき」の議論は本末転倒ではないか。

 出生数の減少や子どもの貧困の裏側には、若者の将来不安や親世代の暮らしの困窮が横たわる。格差社会の是正も求められており、問題の裾野は広い。

 「こども庁」と類似の構想は旧民主党政権が最初に打ち出した。実現には至らなかったものの、同党の流れをくむ立憲民主党がこれを引き継ぎ、創設の必要性を訴えてきた。菅政権はこの経緯も尊重し、立民との協議の場を設けて双方の知恵を出し合うといった党派を超えた合意形成を目指すべきだろう。

 子どもを守り育てる営みは言うまでもなく、全国の自治体や教育機関が日々支えている。永田町・霞が関だけの狭い議論ではなく、現場の声を丹念に吸い上げ、幅広く長期的な視野で対策の方向性や中身を探る丁寧な手続きが欠かせない。

 菅首相は国会の答弁などで、「子どもは国の宝だ」と強調している。であればこそ、国を挙げた真剣な取り組みが求められる。党利党略が先行するような独善的な改革は許されない。

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