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憲法九条を暮らしに生かす会コミュの教師の仕事って何? 教科研大会から  上・下  しんぶん赤旗転載

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教師の仕事って何? 教科研大会から 
上・下  しんぶん赤旗転載

「大丈夫?」と声をかけてくれたら
2018年8月21日【くらし】
 押し寄せる教育「改革」の波。周りの教師の突き刺すような言葉。でも、さりげなく声をかけてくれる教師がいる。子どもの笑顔がある。何より自分が楽しいから…。川崎市内で開かれた第57回教育科学研究会全国大会(10〜12日)で、「教師の仕事ってなに?」を考え合いました。
 (堤由紀子)
 採用1年目の初任。神奈川県の小学校教員、伊藤将人さん(仮名)は、ハンドベースボールの授業で大失敗しました。子どもたちは大げんか。わめく。つかみ合う。泣き出す。「前の先生の体育の方が楽しかった」「1年目だからこんなになるんだ」と容赦ない言葉を浴びせられました。
 しかし、そんな伊藤さんを見守る子どもたちがいました。「大丈夫だよ。私が守ってあげます。元気出してね」と2人が手紙をくれます。ある子どもは「先生このままじゃまずいよ」と、これまでは話し合いの時間があったと教えてくれました。算数を1時間つぶして話し合い、「審判がいなかったのはまずかった」という根本的な間違いに気づかされました。
 意見を持ち帰り、4年目の先輩教師に相談。ルールを拡大して張り出すと混乱はなくなり、「前の授業より良かった!」と喜ばれました。
 「○○さんは一生懸命がんばってるのに、あなたはどうなの?」と、主任は何かにつけてもう一人の初任と比べます。一方で「困っていることない?」と声をかけてくれる教師もいます。「どうしたら楽しく安心できるクラスになるか、子ども同士で考える時間を確保したいです」
“まるで監獄”
 小学校教員の鈴木竜一さん(仮名)は、管理がきつかった東京で臨時教員時代をへて、山梨県へ。のどかな環境に「がんばるぞ!」と喜んだのもつかの間、まるで“監獄のような学校”でした。
 給食は全校で黙って食べる「黙食」。おしゃべり禁止の掃除「黙掃」のせいで「クラスの子はとってもジェスチャーがうまくなった。『だったらしゃべれー』って言いたい」と笑い飛ばす鈴木さん。「○○してはいけない」というルールばかり押し付けられ、「子どもたちに、理由について考える余地さえ与えていないのではないか」と疑問を感じています。
 相談しても、理不尽な“指導”が返ってきます。失敗を恐れる指導教官が、「タイム!」と言って授業に割り込んできたことも。「自分自身も考えることをやめてしまった」時期もありました。
 「うまくいかないことを子どもと一緒に糧にして楽しむぐらいがいいのに」と鈴木さん。「『こうしたら?』ではなく、『大丈夫?』『どう?』と声をかけてくれたら。楽しいなと思うことを子どもたちとゆっくりすすめていきたい」
生徒の大反抗
 中堅教師はどうでしょうか。
 神奈川県立高校6年目の大槻遼平さん。大手カード会社に勤めた頃の実感から、「今の学校教育は役立っていない。社会に役立つ実践的な力をつけさせたい」と教師に。1年目、「人がやりたがらないことを一生懸命やることに意味がある」と教師主導で徹底した掃除指導に力を注ぎます。
 が、生徒からの“大反抗”にあいます。生徒とかかわりを深めるなかで、ホームルームが一人ひとりの居場所になるよう生徒をサポートしたいと思うようになりました。行事での生徒同士のがんばりを学級通信で共有しながら、「自分がいることでほかの誰かが元気になれる、ハッピーになれる関係を」と呼びかける大槻さん。大学受験が迫る時期には「学校に行こうよ」と生徒が声をかけあい、励まし合う姿がありました。
 教育委員会主導の教育「改革」が全県的にすすむ中、教育とは何かを模索しています。「最近では、『こうしたから生徒がこうなった』と測れないとりくみの中に教育の価値がある、と思っています」(つづく)

教師の仕事って何? 教科研大会から 下
学校は楽しく、面白いところ
2018年8月22日【くらし】
 教師の大変さを知り、教師を支えたいと別の道を歩む学生がいます。
 山梨県の大学4年生、桜井香さん(仮名)。小中学校時代、教師からひどい扱いを受けました。いじめられている子をかばっていじめられるようになっても、見て見ぬふりをされました。残食ゼロをめざす担任は、食物アレルギーの桜井さんに「トイレで食べなさい」と完食を強要しました。
 自分のような思いを二度と子どもたちにさせたくない。「自分の経験をマイナスではなくプラスにかえて生かしていきたい」と、次のステージに向け学び始めています。
子どもの笑顔
 大変さを痛感しつつ、子どもと楽しむことにやりがいを感じる中堅教師の報告がありました。
 「学校は楽しくて、面白いところ。子どもたちに出会ったからには、一緒に楽しまなきゃ」。東京都の離島で小学5年生を担任する、木村悠一さん(仮名)。地図記号の学習は“人文字”で。発表会でダンスを発表したいという子どもをハラハラと見守る。初任者のころから欠かさず誕生日カードを渡しています。
 仕事をちゃんとしている人、していない人という見方をする教師や、「指導方法を型にはめようとする教師もいます。「どんなに上からの縛りがあったとしても、担任の教育実践の自由だけは手放せません。大事なのは子どもの笑顔です」
 宮崎県の小学校教師、宮崎亮馬さん(仮名)は、教育書をむさぼるように読み、学ぶ場を求めて東京に何度も通いました。ところが「ぼくなら大丈夫」と臨時で入った“荒れた”クラスは「全然大丈夫じゃありませんでした」。子どもからあからさまに避けられ、「先生」と呼ばれることもなく怒鳴り続けた3カ月。「なんか思ってたのと違う」と苦しみます。
 自分にいったい何が足りなかったのか? たどり着いたのは、実感を伴った「愛」、そして子どもと一緒の「幸せな」時間でした。「(前任の)○○先生が好きなんだ」と言っていた子どもは年度末、「今のままでよし」と評価を書いてくれました。最近はできるだけ同僚に子どもの話をするよう心がけています。「毎日大変です。でも、こうやっていいことを書いて話せば、『結構いいことしてるかも』と元気が出るじゃないですか」
「愛」を語って
 ベテラン教師が子どもへの「愛」を語り始めると、止まりません。
 50代の小学校教師、梶原由美さん(仮名)は、子どもの後ろにある暮らしに常にまなざしを向けることを心がけてきました。夏休み、毎日家庭訪問に行っていた家の前で「今日はどうしているかなあ」と思いながらドアを開けていました。夕方になってもご飯を作るにおいがまったくしない家々。ある家では梶原さんの姿を見た途端、子どもらが「おなかすいた」と…。「教師である自分には何もできなくて。あの時ほど、顔をちぎって食べさせてあげられるアンパンマンになりたいと思ったことはない」と絞り出すように言います。
 「給食があって、絵本があって、お勉強もできる。なんて学校ってすてきなところなんだろう」。このすてきな場で、子どもと向き合う時間を大切にしています。
 「こんなに愛しているのに、あなたは家に帰ってしまうのね」と“もだえる”梶原さんの子どもへの愛は深く、強い。「自分のことを本当にかわいがってくれた人がいれば、おとなになっても大丈夫と思うのです」
 おわりの集い。兵庫県のベテラン教員、大江未知さんは、「よりよく生きたい」「つながりたい」「学校で賢くなりたい」と願う子どもたちとの日常を語ります。
 「ああ、わかった!」という時の輝き。「『そうやな』と誰かとつながった時の、えもいわれぬ香りのようなものを感じると『教師ってええ仕事やな』と」。そんな教室空間を踏みにじる動きに対抗しようと呼びかける大江さん。「私は私自身の言葉で、教師が息をするための“穴”を内側から開けていきたいです」
 (おわり)

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