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憲法九条を暮らしに生かす会コミュのTPP通信*ドクターズ・デモンストレーションのシンポジウム

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「究極の規制緩和」、TPPへの懸念続出、
ドクターズ・デモンストレーションのシンポジウム
           橋本佳子(m3.com編集長) 5月26日(日)

「ドクターズ・デモンストレーション2013シンポジウム」が、「日本の医療・福祉の危
機とゆくえ〜参議院選挙へ向けて政策を問う」をテーマに5月26日、約300人が参加し、
東京都内で開催された。主要政党から6人の国会議員と4人のシンポジストが出席、大半
が国民皆保険の堅持を訴え、政府が交渉参加を表明しているTPP(環太平洋経済連携協
定)では、公的医療保険を対象にしないとされているものの、薬価制度や民間医療保険
の拡大などで事実上、国民皆保険が形骸化する懸念があるとし、的確な情報把握と分析
を行い、TPP交渉参加の動向を注視していく必要性が強調された。

(医療関係者の専門サイトに掲載された記事です)


シンポジウムには約300人が参加し、午後1時から午後4時半すぎまで開催された。


 与党自民党の三ツ林裕巳氏は、「医療保険は、TPPと全く問題ないと見る議員もいる
が、私は危惧している。TPP,に参加すると、公的薬価制度が非関税障壁とみなされ、IS
D条項に基づき(日本政府が米国企業などに)訴えられる可能性があり、注視しなけれ
ばいけない」と指摘。さらに、民間保険の給付範囲などが拡大されていけば、国民皆保
険が形骸化する恐れがあるとし、厳しい目を向けていくことが必要だとした。三ツ林氏
は、消費税問題にも言及、「“医療崩壊”の危機にあり、国民皆保険を守っていくこと
が必要。今の少子高齢社会において、制度を維持するには、消費税率を上げざるを得な
い」と述べ、理解を求めた。

 日本維新の会の今村洋史氏は、「党を代表してきたわけではない。個人的な立場で来
た」と断った上で、「TPPに参加するかどうかが、日本の医療が今、直面している一番
の問題」と述べ、TPPへの反対姿勢を示した。「TPPは、米国の意向を汲んだ、米国のた
めの制度。(参加すれば)第三の開国ではなく、第三の敗戦だ」(今村氏)。

 日本共産党の田村智子氏は、米国とオーストラリアのFTA(自由貿易協定)のように
、TPP参加で薬価が上がる懸念がある上、民間保険会社のシェア拡大によって、「医療
や介護が食いものにされる」と訴え、TPP交渉参加に反対。さらに金融庁の金融審議会
で、保険会社が介護などの分野で、契約者の代わりにサービス提供者に料金を支払う「
現物給付型」の保険商品を解禁する方向性で報告書案をまとめているのを踏まえ、「民
間保険が拡大すれば、国民皆保険の土台が崩される」との危機感も示した(『医療機関
ランク付けの可能性、「現物給付型」保険解禁方針で、保団連』を参照)。

 生活の党の小宮山泰子氏は、「日本は今、米国のように『企業優先、営利優先』に走
っているのではないか」との認識を示した上で、2012年に民主党を離れた理由は、「TP
P交渉参加、消費税増税、原発問題」がきっかけだったとし、「TPPは反対で、入る意味
もないという立場を取り続けている。国民皆保険を直接壊すとは言ってこないだろうが
、回り回って(皆保険に影響が)来る」とコメントした。

 医療者の立場から、日本医師会副会長の中川俊男氏は、「ありとあらゆる分野で徹底
的に規制を緩和するのが、TPPであり、TPPは究極の規制緩和だと思っている」と主張。
「『TPPは公的医療保険の対象になっていないから心配しなくていい』と言われるが、
日医としては懸念している」と述べ、その理由として1985年のMOSS協議以降、米国は日
本の医療市場の開放を求めてきた経緯を挙げた。「2011年2月の日米経済調和対話では
、薬価制度改革など、内政干渉に近い要求までされた。TPPに参加することにより、こ
れらの圧力が強まることこそあれ、弱まることはない」とけん制。


「TPPは究極の規制緩和」と指摘した、日本医師会副会長の中川俊男氏。


 「日医が考える国民皆保険の条件」として、(1)公的な医療給付範囲を将来にわた
って維持する、(2)混合診療を全面解禁しない、(3)営利企業(株式会社)を医療機
関経営に参入させない――の3点を挙げる中川氏は、「政府の産業競争力会議で言われ
ているのが、混合診療の全面解禁なのか、保険外併用療養の拡大なのかが大事な論点」
と述べ、同会議の動向にも注視が必要だとした。混合診療の全面解禁であれば、先進医
療など「新しい医療」の保険適用が遅れ、保険給付範囲が狭まる懸念があることから、
「全面解禁を絶対に認めてはいけない」と中川氏は指摘。一方で、保険外併用療法の拡
大であっても、保険適用が進まなければ、保険外併用療法の対象技術が増えるだけであ
り、問題があるとした。

 さらに、中川氏は、3月13日に自民党外交・経済連携本部の「TPP対策に関する決議」
で、TPPの“聖域”として国民皆保険が挙げられたのを踏まえ、「民主党政権は、国民
皆保険に危機が迫っていることは認めなかった。しかし、自民党政権はTPP参加に伴い
、皆保険が危機にさらされることを認めたと言える。この決議を守るよう、政府に求め
ていきたい」と締めくくった。

 佐久総合病院地域医療部地域ケア科の色平哲郎氏は、TPPとは「とんでもない、ペテ
ンのプログラム」、ISD条項を「インチキ訴訟で大損害」と形容しつつ、「TPPについて
はまだ分からないことが多く、賛成する根拠も、反対する根拠もない。注視していくこ
とが必要」と強調した。色平氏は、「混合診療の禁止は適法」とした2011年10月の最高
裁判決を挙げ、TPPや混合診療をめぐる議論では、同判決との関係をどう整理するのか
という視点から見ていく必要があるとした(『最高裁、「混合診療禁止は適法」、患者
の訴え棄却』を参照)。

 シンポジウムの主催は、「ドクターズ・デモンストレーション実行委員会」で、全国
医師ユニオン代表の植山直人氏、全国保険医協会連合会会長の住江憲勇氏、済生会栗橋
病院院長補佐の本田宏氏が代表世話人を務める。同実行委員会は、2011年11月に「震災
復興・医療再生」を訴え、デモ行進を行っている(『医師らが50年ぶりの大規模デモ行
進』を参照)。


シンポジウムには、主要政党から6人の国会議員が出席。


貧困や格差拡大、“医療難民”も

 シンポジウムは、2部構成で、午後1時から約3時間半にわたった。1部では、中川氏、
色平氏のほか、日本弁護士会の前会長の宇都宮健児氏、宮城県保険医協会副会長の井上
博之氏が講演。

 宇都宮氏は、日本では貧困や格差が広がり、貧困率や非正規労働者などが増加してい
る現状を問題視、医療の面では、国民健康保険加入者の約20%が保険料を滞納するなど
、“医療難民”が急増しているとした。自民党が進める生活保護の見直しでは、子育て
世帯の生活保護の下げ幅が大きくなる一方で、「子どもの貧困対策」を検討することは
「矛盾した政策」であると批判。消費税増税で、さらに貧困や格差が拡大するとし、高
所得者への所得税強化などによる所得の再分配こそが必要だとした。

 歯科医である井上氏は、東日本大震災後の保険料や窓口負担の免除、その後の免除の
打ち切りによる、歯科医療の受診状況を紹介。この4月から、国保および後期高齢者で
も免除が完全に打ち切りになることから、受診抑制が懸念されるとした。「歯科は特に
、経済的な影響を受けやすい。国民皆保険を守るだけでなく、改善充実が必要」と訴え
た。

「イコールフッティングが必要」

 2部では、計6人の国会議員が出席。前述の4人のほか、民主党からは柚木道義氏、み
んなの党からは柿沢未途氏がそれぞれ出席。

 柚木氏は、民主党政権時代の診療報酬改定で、2回ともプラス改定を実施したことを
説明。社会保障は、「自助、共助、公助」から成り立つが、今は「努力したくても努力
できない人もいる」とし、「支え合いの機能」、つまり「共助、公助」を強化していく
ことが、結果的に自助を高めることにつながるとした。医療提供体制については、「フ
リーアクセスは重要だが、何でも大病院に行くとなると、現場は疲弊する」と述べ、機
能分化と機能連携が必要だとしたほか、予防に力を入れ、健康寿命を伸ばす重要性も指
摘した。

 柿沢氏は、他の5人の国会議員とはやや違うスタンスで、社会保障関連費が一般歳出
の半分強を占めることから、「今の歳出構造に抜本的にメスを入れないまま、『必要だ
から』と増税していくのか」と問いかけた。柿沢氏は、イコールフッティングを挙げ、
「全てのサービス提供主体の競争条件を同等にしていくことが必要」と求めたほか、「
保険者間、つまり職業により、保険料の料率が違うのはなぜか。そのほか、レセプトチ
ェックなど、手をつけなければいけない点が多々ある」との考えを示した。

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