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そら庵コミュの「渡ひろこをワタル」レポ2

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音楽があり、7人の方の詩があり、映像があり、料理があって、犬がいました。

そして、渡さん御本人の朗読の時間となりました。

「メール症候群」は3つ章に分かれています。
「回遊」「泡沫」「絆」です。

「メール症候群」。…親指でしか語れなくなった…。IT空間にただよう世界と自己の、存在の不確かさをさぐる詩だと思います。存在のありかに迷うことは、多くの人に共有される感覚かもしれません。渡さんの詩は率直であり、一方で存在のあやうさのままにさまよっています。作り手は、その創作の初期によきものが現れることがあります。この表題作もそう言えるのかもしれません。

「音の回廊」、「ウォ−ターフロント」。泡沫の夢は、音楽とともにあります。渡さんの詩の特徴のひとつは、音楽への言及があることでしょう。詩と音楽はずっと親和性をもっています。ピアノのことをうたうとき、言葉は鍵盤の上を舞い、水の音楽を語るとき、言葉は船のオウルになるのでしょう。

「絆」、それは家族の詩です。渡さんのご長男はバイク事故に遭い重傷を負いました。現在は回復され、この日も元気な姿を見せてくれました。でも、愛する人が傷ついたとき、人の不安というのもは、たぶんそれを経験した人にしか分からないのでしょう。傷ついたわが子の姿への母の視線。その張り詰めた時間を、渡さんは詩人の言葉で描写しています。詩人ということであることは、ある意味で自分にたいして残酷であるのかもしれません。しかし、それでも言葉を紡ぐことが詩人なのかもしれません。

一転、娘さんとのやわらかな時をうたった「ゆるゆる日和」。そして、ご主人が住まれていた地から生まれた「彼の地 天草にて」。とても映像的で、叙情的な詩です。風景というものは、ときに鋭く人間の心を映し出すことがあります。天草という土地で、渡さんは母であることから離れ、ひとりの女性としてのたたずんだのではないでしょうか。

渡さんの朗読は、率直でありながら、ふとゆらぎをみせます。そのゆらぎに見え隠れする、人間というものの不可思議さ、おかしみ、哀しみ、破れていくこと、調和していくこと。そうした多色刷りの世界に、ため息をつきました。

さて、選曲家としての、あおさんのセレクトは以下の通りです。

◆メール症候群      Telephone and Rubber Band / Penguin Cafe Orchestra
◆音の回廊         Tango? / 高橋アキ
◆ウォ−ターフロント    Akasaka Moon / 渡辺香津美
◆ミスキャスト        Deluge / Henry Cow
◆ゆるゆる日和       Not Goin' Home Anymore / Burt Bacharach
◆彼の地 天草にて    弦楽のためのレクイエム / 武満徹


たしかに、夢のような、やすらぐような、熱いような、理性で受けとめるような、感情をざわざわさせるような、そんな時間だったと思います。

最後に、料理に奮闘してくれたさんしょの実さん、いつもサポートとアドバイスをくれるポチママさん、笑顔でいつも支えてくれる私たちの愛する妹・ぎんちゃん、写真とビデオをとってくれたほうたん君に深く感謝します。

では、みなさま。
また、お会いすることができましたら幸いです(^^)/

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