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谷川書店コミュのオヤジの古本道

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教職の社会科教育法で、授業案を作成せねばならないことあって、その時に、「街の人にインタビューしよう!」というような内容にしました。その時に、「お手本」ということで、ぼくが、谷川書店でインタビューしたことがあるんですよね。テープもとっていない、たいした内容のない、メモ書きですが、以下に掲載してみます。(オヤジに掲載の許可はとっていないが、まあ、公表することはつたえているわけだし、いいかな)。

コメント(11)

谷川書店---ある古本屋のオヤジの話

先日、谷川書店の店主に、国立の街でどのように商売をしているのか、また、古本屋さんからみて国立はどのように見えるのかを知るために、インタビューをしました。インタビュー時間は大体30分ぐらいです。事前に、インタビューしたいということをお願いし、その日時を決めてもらいました。インタビューする内容は、その場で考えるのではなく、前もって考え、それを紙に書いて持っていきました。

■1.谷川書店について

業種:古書販売店
場所:旭通りの真ん中あたりのビルの一階。
店の様子:
?四畳半ぐらいの面積に、ぎっしりと本が積まれている。奥の方にある机に、店主である谷川さんが座っている。カナブンのような顔をして、たばこを吸いながら、本を読んでいる(たばこは1日100本吸うそうです。銘柄は「わかば」)。時折、店に入ってくるお客さんと、世間話をして一日を過ごしている。
?漫画やゲームの本はなく、漢字がいっぱいでなにやら難しそうな本ばかりである。
■2.店主について
?いつ、どこで生まれたんですか?
「東京の大塚。知ってる?生まれは昭和9年(1934年)」
→現在、68歳です。
→江戸っ子です。ばりばりの江戸弁を使い、「ひ」が「し」になります。(東が「しがし」になる。)

?どんな子供時代を過ごしましたか?
・小学校2年生ごろから東京に空襲が始まる。
・小学校3年生から、学童疎開。長野県の上田に1年、新潟に2年半。
「戦争が終わって、東京に帰ってきた。それでもって、1947年に大塚に家を建てた。それで、さあ、学校に行こうかと思ったら、もう空襲で学校がないんだよ。教室もないし。ほんと僕らの世代ってのはまともな学校生活を送ってないよね。」

■3.店の歴史

?お店を始めたのはしたのはいつですか
?なぜ、この職業を選んだんですか?
?店を開くまでにどのような準備をしましたか
?なぜ国立に店を開いたのですか

□1950年に中学校を卒業し、知り合いの古本屋に小僧として就職。
「高校に進学して、会計士になりたかったんだ。会計士は学校にいってなくちゃだめだろう?でも、小学校・中学校をみてもわかるように、学校でまともな勉強できるようには思えない。それだったら、と思って、丁度知り合いの古本屋が、一人いるってんで、それじゃあ、ってなことで、古本屋にいったんだ。やっぱり本が好きだったしね」

□小僧時代---古本屋での修業時代
------失敗の経験から学ぶ
「店主が、最低10年は我慢しろといってた。それでさ、金儲けをするなら、別の商売をやれっていってたよ。やだったらいつでも辞めていいって。商売にならなくても、好きな本をいつも接することができるのは楽しかったし、まあ、そんなところだね」
「小僧は、普通の店員さんと違って、朝から晩まで、店主と一緒にいて、店主のやっていることを盗んで修行するんだ。いっぱい失敗もしたよ。そうすると怒られるよ。でも、店主のカネを使ってどれだけ失敗できるかが、やっぱりその後のことを考えると大事なんだよね。本の鑑識眼ってのは、やっぱり経験して、失敗しなくてはできないからね。」

□独立へ
1962年に店主が引退した。一番の番頭さんが、既に独立していた。その番頭さんが、谷川さんに、「店を手伝いながら、おまえの店を探せって」
・独立するための資金とか、本とかはこつこつ集めていたらしい。
番頭さんにいろいろお世話されながら、国立で開業することになりました。

☆1962年に開業(今から40年前です!)
「番頭さんに、世話されて、大学(一橋大学)もあるし、国立がいいんじゃないかってことで、ここに店を開いたんだ。」
→大学があるって言うことは、本を買って読む人がたくさんいるってこと。
→40年間あの場所に、雨の日も風の日もずーっと座り続けている。

□国立は田舎だった!
・そのころの国立はいまとは全然違っていたんじゃないですか?
「あのころの国立は、今とは全然違っていてさ。東京の真ん中からきたけど、ほんとに田舎だったよ。道路も全然舗装されていないし。そうそう、大学通なんていまでこそ、きちんとコンクリートで舗装されているだろ。そのころは歩道は土だったんだよ。でさ、その歩道の上で、馬でぽくぽく走っている人が居てさ、お医者さんだったんだけど、あれはほんとにたまげた」
「まあ、国立の街が整備されていくのは、昭和40年代の後半頃からだね。駅の方からどんどんビル化していって、それで、小売店がどんどんなくなっていった」
■4.店の日常

?開店から閉店まで、どのようなことをしているんですか?
・朝10時に開店して、夜の7時半に店を閉めます。定休日は火曜日。
・お客さんから、本を仕入れて、それに値段をつける。それをお客さんに売る。
→古本屋さんは、本を売ることは勿論、いい本を仕入れることが命です。開業して2,3年は、「古本市場」(古本ばかりを扱うマーケット)に行っていたりしたけど、それから後はお客さんが持ってくる本だけでやっているそうです。
「うちは、お客さんに恵まれているんだよ」

「まあ、見ての通り、座って、本読んで、一日中くっちゃべってるだけだよ。」
→お客さんの好みを見分けて、どういう本が入ったか、お客さんに勧めています。

?お客さんにはどのような人が多いですか?
・院生から70代ぐらい。大学の先生から、近所の水道管で働いている人まで本当にいろんな人がくるようです。また、国立だけではなく、遠くからはるばるやってくるお客さんもいます。昔からつきあいのあるお客さんが、遠くに引っ越しても、「自分の本を売るなら谷川書店で」ということで、わざわざ売りたい本を送り届けてくれるそうです。」
「近頃の学生はまったくこないねぇ。学生は本を読んでるの?」

・お客さんの数は一日だいたい、入れ替わり立ち替わり、100人ぐらい来るそうです。

?お店をやっていく上で、必要な能力は何ですか。

□身につけるべきことは「本の鑑識眼」---机の上で勉強することよりも、実践で学ぶことが大事。
「人間てのはね、必要に応じて能力を発揮するものだと思うんだよね。50年もやっていると、やっぱりその場その場で瞬時に対応できるようになるんだよ。知識っていうのは、やっぱり実践の中で培うモノなんだよ。」
「時々、よく分からない本が来るだろう。それを瞬時に判断できなくてはならない。これは机の上でいくらやってもだめなんだよ。机の上で勉強するのは、頭だけだろう。でもさ、大事なのは、手で触って目で見てって体で覚えていく。どんなに頭の悪いやつでもそうやって経験していると、頭だけでやっているやつよりも、2倍の経験が積まれるってなわけだ。」
「やっぱり失敗しないとダメなんだよ。優等生は冒険心がないから、いつも80点で抑えようとする。でも、やっぱり失敗をどれだけ積み重ねるかが、その後大事なんだよ。失敗しないと分からないんだから。」

「やっぱりね、モノはいいものから覚えていった方がいいんだ。いいものから覚えていくとくだらないものがわかる。でも、くらだないものばかり見ていると、いいものがわからなくなる。エロ本とか漫画ばっかり扱ってたら、やっぱりだめになるんだよ」
「まあ、そういうのが仕事と人生の積み重ねなんじゃないかな」

?お店をやっていて苦労していることはなんですか?

「あんまりないねぇ。おれはあんまりカネにこだわないだろ。商売としては落第だよ。でもカネにとんちゃくしないで、好きなこといって、好きなようにやってる。それでもお客さんがついてくるのは、何かがあるんだろうね。まあ、うちは特別だよ。」

→谷川書店はほんとうに小さな古本屋さんです。店主さんは、いつもお客さんに好き勝手なことを言っています。しかも、自分の好きな本しかうりません。それでも、お客さんは毎日のようについてきます。それはなぜでしょう?
→お客さんから、高く買って、安く売る。一見商売からすると、あんまり効率のいいものではありません。それができるのはなぜでしょう?
・「うちはお客さんに恵まれているよ。ほんと変な本から売れていく。」という言葉を矢川さんは繰り返します。お客さんに恵まれているのは、どうしてなんでしょう?


?お店をやっていて、うれしいこと、やりがいを感じることは何ですか?
「やっぱり自分の思っている本が入ってくるのは楽しいねぇ。いや、高い安いじゃなくて。100円の小さなパンフレットでも、1万円の高い本でも、あ、これは面白いなぁ、と思う本が入ってくるとわくわくする。こんなに楽しい商売はないよ」

「本って言うのは値じゃないんだよね。たとえ、100円の本であっても、次の世代に品物として、資料として残すこと、それがやっぱり一番大事なことだね。古本屋の使命っていうのはそれだよ。」
■4.国立市との関わり
?古本屋さんからみて、国立はどのような街ですか?
「うーん。うちの場合はお客さんにめぐまれているね。お客さんの質がいいよ。お客さんの鑑識眼が高いってことだね。そうするとこっちもやりがいがでてくるわけですよ。」

?お店を初めてから国立の様子が変化していたら、教えてください。
□小売店と大型店
・40年前に店を始めた頃は、「小規模物品購買店」ばっかりがあった。ただ、そうした個人経営の小売店はどんどんなくなっていったそうです。

「やっぱり大型店ができると、個人の小売店は厳しくなるよね。国立にもどんどん大型店が入ってきてさ。やっぱり大型店が入ってくると、小売店は厳しくなるね。国立も小売店はどんどんつぶれて行っているでしょ」
「例えば、100円ショップができただろう。あれ、100円売ったって20円からそこらしか儲けがないわけよ。そうなると、たくさん売らなきゃ、経営できない。でも、小さな店でいくら売ってもそれには追いつかないわけですよ。あと、コンビニができて、24時間経営になっただろう。みんな、いつでもモノを買えるようになっちゃった。でも、一人で経営していたら、24時間も働けない。こうなるとやっぱりね」
「これからの国立は、大型店がどんどん強くなっていく。小売店は、強烈な個性をもって、何か売りになるものがないと、どうしても生き残っていけないだろうね。」
「まあ、これは国立ばかりではなくて、どこの街でもおんなじことだろうけどね。」
→国立の小売業が抱える難しさが表れています。
?国立の中学生に対する希望を教えてください。
■好きなことを徹底的にやろう。そして家の中に閉じこもっていないで、経験しよう!
「今の子どもたちは、昼間は学校と学習塾だろう。自分の自由になる時間が夜しかない。夜型人間になっているよね」
「減点主義はやめたほうがいいね。ひとつでも特徴があったら、それをほめていかなきゃ。そうしてやっていくと、人は楽しくなる。」
「万能の神はいらないよ。好きなことを徹底的にやってほしいね。机の上の理論と実践はちがうんだよ。やっぱり経験しなくては。例えば、スポーツしかできないやつは、バカみたいに思われるかもしれないけど、やっぱり他の人間がどうやったってできないことをできるのは、大したモノだよ。まあ、そういうことだね。」
おおおおお・・・・

迫力のある方だから世間話できないでいたけど、凄みのある内容のインタビューありがとうございます・・・

この余韻にひたりながら明日さっそく谷川書店にいってこよう・・。
すばらすぃ。本買いましたよ☆>ようすけべさん@岩波知識人
うお!
inainabaさんへの謹呈分を預かってますた……
すみません> inainabaさん、ようすけざんさん
ワシのような者に謹呈しても意味ねぇから、感激して
仕事くれるような人に献本はしませう。

つーか、nakamさん仕事した?ワシはメモを十行ほど書いた。
本日(10/18)は3件のバイトをしました。仕事しまくりです。って、そっちの仕事じゃないですよね。

メモは乱舞してますが、収拾つきません。
>魔法のパンケーキさん
定期的に通い、難しげな本を何気なく買ったりしていると、すぐに話せるようになりますよ。古本屋において、見栄をはるのというか、腹のさぐりあいは結構重要、だと思っています。いや、どうでもいいか。

>inainabaさん、どうもありがとうございます。そうか、謹呈も戦略的にやるものなのか。。勉強になります!

>nakamさん、
バイト明けなのに、いつの間にかいなかった。寝てるんすか?
あんまり戦略的にやるとそれはそれでなんか言われるの
で注意しませう。

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