競馬千夜一夜コミュのレキシントン

「アメリカ最初の伝説」レキシントン (Ｌｅｘｉｎｇｔｏｎ)
牡　鹿毛　米国産　１８５０～１８７５
父ボストンＢｏｓｔｏｎ　　母アリスカーネルＡｌｉｃｅＣａｒｎｅａｌ(Ｓａｒｐｅｄｏｎ)
米国で７戦６勝　１８５３年(３戦３勝)・１８５４年(２戦１勝)・１８５５年(２戦２勝)

「永遠のヒーロー」、「盲目の英雄」、「アメリカのエクリプス」とも「アメリカのセントサイモン」とも呼ばれた、アメリカ最初の伝説的競走馬レキシントンは南北戦争が勃発する１１年前にケンタッキー州レキシントンに生まれました。幼年期は馬格がダーレーアラビアンに似ていることから「ダーレイ」と名付けられ、３歳の５月に１マイルのヒート競走(同じ馬が２度勝つまで同じ条件で走る)のアソシェーションSに出走しあっさり連勝。その4日後に出た2マイルのヒート戦シチズンSは、１回戦が２着となるも２回戦３回戦は連勝。このレースを観たリチャード・テン・ブルークがその日のうちに売買を成立させ、彼の生地にちなみレキシントンと改名しました。その年の暮れに４歳牝馬サリーウォーターズと３マイルヒートのマッチレースを行いブランクをものともせず圧勝。４歳の緒戦は４月の４マイルヒートであるグレート・ステート・ポストS、当時の競馬の中心地であったニューオリンズ最大の看板レースで、各州を代表する４頭が競いストレート勝ちします。しかし、１週間後のジョッキー・クラブ・パース(４マイルヒート)において前走で２度も２着に退けたルコントＬｅＣｏｍｐｔｅに連敗、生涯唯一の敗北を喫します。５歳の４月に「ルコントの持つ４マイル７分２６秒０のレコードタイムに挑戦するレース」という、相手が馬ではなくタイムという風変わりな競馬に出走、７分１９秒３／４のレコードを更新。３週間後のジョッキー・クラブ・パースでは打倒レキシントンに執念を燃やすルコントと３度目の対戦、１回目のヒートを圧勝すると相手は２回目を断念したためウォークオーバー(単走)となりました。このレースを最後に彼は再び競馬場に現れることはありませんでした。３歳の秋に飼い葉桶にぶつけて痛めた右目が悪化し、左目の視力も低下、５歳の夏にはほとんど全盲になってしまい、走れない状況になっていました。わずか７戦という少ない出走回数なのは、馬主のテン・ブルークが普通のレースに興味を持たず、相手馬主との賭け金を争うマッチレースに関心を持ち、当時のアメリカにはそれに応じる馬主があまりいなかったためといわれています。６歳になったレキシントンは老衰で死ぬまでの２０年間をケンタッキーのウッドバーン牧場で過します。供用７年目から１４年連続と、死んだ後に２度も種牡馬ランキングの首位となっています。種馬として最盛期が南北戦争と重なり、競馬の規模が縮小されたりしていることもあり、この数字をそのまま現代と比較するには異論もあります。大活躍した産駒たちですが、後に種牡馬として活躍する牡駒は少なく、直径子孫は３代を経ないうちに衰退し、現在では完全に父系が消滅したことは競馬史上の不思議の１つといわれています。主な産駒には、ノーフォークＮｏｒｆｏｌｋ (ジャージーダービー他)、プリークネスＰｒｅａｋｎｅｓｓ(サラトガカップ他)、ウォーダンスＷａｒＤａｎｃｅ、デュークオヴマジェンタＤｕｋｅｏｆＭａｇｅｎｔａ(プリークネスステークス、ウィザーズステークス、ベルモントステークス、トラヴァースステークス)、アステロイドＡｓｔｅｒｏｉｄ(１２戦無敗) などがおり、日本には直孫が３頭入っています。
１敗の名馬というには戦績の内容に疑問はあるものの、伝説的な観点からは名馬といえるでしょう。

コメント(2)

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[1] mixiユーザー 08月06日 14:46

レキシントンの父系を遡ると４代前に第１回の英ダービー馬ダイオメド(Ｄｉｏｍｅｄ１７７７)がいます。ダイオメドのオーナーはジョッキークラブ会長であったチャールズ・バンベリー卿。「ダービー」のレース名がコイントスで決まったのは有名な話ですが、第１２代ダービー卿とそのお金を投げたのがこの人物です。ダイオメドの祖先は祖父のヘロド(Ｈｅｒｏｄ１７５８)を通じてバイアリーターク(ＢｙｅｒｌｅｙＴｕｒｋ１６８０)に辿りつきます。
ダイオメドはイギリスにおける種牡馬成績はさっぱりでしたが、２３歳という高齢で新天地のアメリカに売られ予想外の素晴らしい種馬となり、あまたの一流馬を出したことは広く知られています。アメリカ競馬草創期の名馬ＳｉｒＡｒｃｈｙもダイオメドの子で、２代経た父ボストン(Ｂｏｓｔｏｎ１８３３)は４５戦４０勝のタフな馬でした。９歳より種牡馬となり、南北戦争前のアメリカ競馬界に多くの活躍馬を送り出し、３回のリーディングサイヤーになりました。気性が激しかったため危うく去勢されかかったこともあるようですが、若い頃の傷が原因で晩年は失明し、レキシントンが生まれた年に死亡しました。レキシントンも前オーナーのウォーフィールドが生産を続けることに反対する妻から全ての牡馬を去勢することを条件に継続を認められたために危機に直面しました。足をしばられナイフが入ろうとした瞬間に暴れて牧夫を蹴り上げ怪我をしたこともあってからくも難を逃れることができました。そして、父より早くレースから引退したときには全盲に近い状態でした。
１９１３年に悪名高きジャージーアクト(レキシントンは血統に不確かなところがあったため、子孫がイギリスに輸出されたときにサラブレッドとして認めるかどうか大騒動がありました。)が発効したとき英国競馬を締め出されたアメリカ馬の殆どがこの馬を祖先に持つことを理由にされていたということからも、その血の広がりの規模の大きさが窺い知れます。

[2] mixiユーザー 08月13日 22:44

久しぶりにこちらを拝見しました。
レキシントンのことについて書かれていたので書いてみました♪

レキシントンはアメリカ種牡馬チャンピオン14年連続16回という史上最高記録となる大記録を作りました。

1875年にウッドバーン牧場で死亡した後、残された骨格はスミソニアン博物館の哺乳類の進化のコーナーに展示されています。

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