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トラウマティック銀幕コミュの太陽

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東銀座の三原橋にある‘シネパレス’がもうすぐ閉館する。
なんだか終戦直後の闇市っぽい、雰囲気のありすぎる映画館だけど行ったことはない。
この映画の上映中に行こうとしたけど、すごい行列だったので断念。並べば良かったな。

「太陽」

天皇がひとりで朝食をとっている。「ラジオをつけてください」
英語放送のラジオTOKYOニュースでは不利な戦況を伝えている。「消してください」
侍従による本日の予定。十時に閣僚と軍首脳との会見、十二時に学術研究、十四時午餐、
十五時に御睡、十六時に書きもの。皇太子に手紙をお書きになるようにと進言。
「もし、今日ここに米軍が来たら、予定はどうなる?」絶対にそのようなまねはさせないと侍従。
「最後に残る日本人がわたしひとりとなることは?」おかみは人間でなく現人神【あらひとがみ】です。
「身体はみなと変わらないのに」どう答えていいか戸惑う侍従に天皇は冗談だと言う。
着替えを終えた天皇は皇居地下の寝所から同じく皇居地下にある御前会議所へと向かう。
会議では陸軍首脳が本土決戦に持ち込んで自決戦に殉じる覚悟だと息まくる。
天皇は裁定をくだす。明治天皇に言及しながら、民に平和をと戦争終結の決断。
学術研究では平家ガニの観察。「なんという奇跡。この種は決して自分の岸辺を捨てることはない」
遠方より種の移動…。ここで天皇は思いだす。大東亜戦争の原因について。
大正十三年、米国において排日移動法が決められたため、わが民を守ろうとついに開戦…。
空襲警報が鳴って地上の研究室から地下に避難しながら、天皇は研究員に口述筆記させる。
昼食のあとの昼寝で天皇は悪夢をみる。日本上空に押しよせた大量の魚による爆撃。
目覚めると皇太子へ敗北について手紙を書くが筆が進まない。后や皇太子の写真から、
いつしか欧米の映画スターのブロマイドを繰る。そこへあわててやって来た侍従は…。

「わたしは成し遂げた」ようやく再会できた后に褒めてもらいたくて甘える天皇。
だが、玉音放送の録音技師の殉死を聞いて、死ぬのを止めただろうなと侍従に訊ねる。
止めなかったと侍従は答える。うろたえながらも皇居に戻った子供たちのもとへ行く。
天皇はマッカーサーの言う‘子供みたいな男’なのか? 闇に包まれた国民に訪れる太陽なのか?
イッセー尾形はその内面を秘めたまま、現人神から人間となる天皇を淡々と演じる。
初めて観たときにすごい違和感を覚えた。まるでドキュメンタリーを観ている感じがした。
もちろん役者は演技をしているし、かなりの部分でフィクションなんだろうけど。
たぶんこういうことが行われていたんだろう、たぶん天皇はこんな感じだったんだろう。
‘たぶん’の奥の‘実は’が欠落しているために、曖昧模糊のモヤモヤだけが残る。
宙ぶらりんで奇妙な作品なんだけど、嫌いかと言うとそうでもなく…(曖昧さが伝染)。
ずっと気になっているトラウマは、口をモゴモゴさせる天皇。口癖の「あっそう」と共に、
晩年の天皇の特徴だけど、演技というよりウケ狙いの物真似って感じでちょっと嫌だな。 

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