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VFM.comコミュの移りゆく『旬』

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野菜や果物や魚などが「とれたて最も味よい時期」を『旬』と言われます。
わが国では、30年くらい前までは、例えば竹の子なら「春」、スイカなら「夏」、
サンマなら「秋」、ホウレンソウなら「冬」と、旬がはっきりしていました。
そして、多くの日本人が食材の旬をよく知っていました。
旬だけでなく、旬が来る前に「誰よりも早く味わいたい」と粋がってちょっと早く食べる「はしり」、
旬が過ぎた頃に「もう来年までは食べられないな」と惜しみつつ食べる「名残り」にも敏感でした。

けれども、近年はそのいずれも消失しつつあります。
特に、「生産管理できる」野菜でその傾向が著しいといえましょう。
旬の食材の良さを知っている人たちは、旬が無くなってしまうことを惜しみますが、旬は理由もなく消失してしまったわけではもちろんありません。
旬が消失する理由は、野菜を「買う側」と「売る側」の両方ともに存在するのです。「鶏と卵」のたとえと同じでどちらが先なのかわかりません。

買う側には、旬よりも「はしり」や「名残り」を必要以上に追究する贅沢な欲求があり、少しくらい値段が高くても季節はずれの食品を食べようとします。
そういうことは、江戸時代にはお殿様しか許されなかったのですが、高度成長期の日本人は皆が一斉にお殿様になってしまったかのように、季節はずれの食品を求めました。
かつて「帝王病」といわれた通風という疾病が、今では焼く50万人にも達していると推定されています。

売る側にも理由は存在し、好んで買う人がいればそれを売る・生産するというのはごく自然の経済活動です。
ましてや「高く売れる」というのであれば、旬をはずした「はしり」や「名残り」の食材が市場に多く出回るようになるのは、自然の成り行きといえます。

交通手段の発達も旬の消失の多大な影響を与えています。
「そうとう無理な作り方」だけでなく「そうとう無理な運び方」をしてでも、大消費地である首都圏や京阪神地区に、季節をはずした野菜を提供する方が、農業経営としては効率がよいことは明白です。

野菜の安定した需要と供給を目指す社団法人全国野菜需給調整機構では、
「野菜の旬がなくなったわけではなく、旬が広がった」という考え方をもとに、平成11年に旬の野菜推進委員会を制定して、「実態を反映した旬」を新しく定義し直しました。
『旬の野菜10ヶ条』
1.それぞれの地域で(適地)
2.もっとも適した時期に
3.無理なく作れる
4.食べごろに
5.新鮮で
6.栄養分がいっぱい
7.安全で
8.おいしい
9.自然環境にやさしい
10.人にやさしい

つまりは、地域によって旬は異なるもので、野菜の旬は1つではないということになります…

ここで、日本の四季に合わせて生きる作物たちの紹介です。
『春』
春の野菜には「新芽」「新葉」を食べるものが多くあります。
例えばアスパラガス、筍、うど、ふきのとう、にんにく、たらの芽など。
これらに含まれる苦味成分「アルカロイド」は、冬の間鎮静化していた人の細胞に「春が来た」ことを伝え、目覚めさせる働きがあり、新陳代謝を活発にします。
『夏』
夏の野菜には「成り物」と呼ばれる、「果菜類」「ぶらり野菜」が多くあります。
例えば胡瓜、茄子、トマトなど。
これらに含まれる水分は汗などで失われた潤いを補い、また同時にカリウムが塩分や余分な老廃物を体外に排出する手助けをしてくれます。
『秋』
秋には果物、穀物、芋類なども多く収穫されます。
たとえば、柿、米、薩摩芋など。
栄養豊富なこれらの食材は、夏の暑さで疲労した体力を回復してくれます。
『冬』
冬の野菜には「根菜」と呼ばれるものが多くあります。
例えば「大根」「蕪(かぶ)」「里芋」「牛蒡(ごぼう)」など。
鍋や汁物にすることでたっぷりと食べられるこれらの食材は、食物繊維が豊富。
活動力が低下した体の調子を整え、体をあたためてくれます。

バブルがはじけて、食費をけずらなくてはならない時代になっても
私たちは季節はずれの野菜や果物を食べることは止めませんでした。
また、一度入院経験のある方、退院後も健康にいい食生活を余儀なくされますし、またそれが長寿で健康の秘訣だと指導されるので、緑黄色野菜を一年中家庭の食卓に求めるようになります。

日本には四季があります。
ここで育つ野菜や果物たちには意味があります。
介護食を食してこれが栄養のあるモノか…と気付くのではなく、
毎日口に入れる食べ物、日々の食事から得ることもたくさんあります。
今一度、手にとった野菜たちがどこからどのようにして私と巡り会えたのか。
考えて見てはいかがでしょうか……

(参考文献:女子栄養大学出版部「野菜のビタミンとミネラル」)

コメント(2)

オーストラリア産の『佐藤錦』の輸入が始まったそうです。
サクランボの旬も薄れそう…。
↓ですね・・・
http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20051216press_1.html

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