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小説を連載してみるコミュの童話篇

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コメント(41)

ぼくは見た目は小さいけれど、体の何倍も荷物を運べる、世界一の力持ちさ。
けれど、ある日、2人は喧嘩をしました。
アリさんはいいました。

ぞうさん、近ごろ、町では君は力持ちだって噂みたいだけど
ボクにくらべりゃ、大したことないよ。
ぞうさんはいいました。

たしかに君は体よりもうんとこさ大きな物が運べるね。
でも、ボクのように木を倒せるかい?
アリさんはいいました。

そんなの簡単さ。

ぞうさんはいいました。

ウソつくなよ。ウソつくと、舌を抜くぞ!

アリさんはいいました。

「おーい、集まれ!」

気がつくと地面が真っ黒になっていました。
アリさんの家族たちです。
アリさんは家族会議をはじめました。

しばらくすると
みんなは、一本の木の根元に集まりなにやらはじめました。
ありさんとありさんの家族たちは、何か茶色いものをせっせと運んでいきます。

すると、すぐに、その一本の木は、音を立てて倒れました。

ありさんはいいました。

ほらね、簡単だろ?

ぼくは、世界一の力持ちだからね。


君こそ、ぼくのように、自分よりも重いものを持ったりできるかい?
そんなことわけないさ。

そう言うとぞうさんは、水の匂いを嗅ぎ当てる鋭い鼻で地面の匂いを調べて、
大きな前足で力強く地面を掘り出しました。

あっという間に泉が湧いて、ありさんとありさんの家族が倒した、
ぞうさんよりも重い大きな木を持ち上げてしまいました。
アリさんは、正直驚きました。
しかし、アリさんは、しばらく考えました。
そして、
「じゃあ、今まで君が持ったこともないような大きなものを
 僕は持ち上げるよ。」

そう言うと、アリさんは逆立ちをしました。

ぞうさんはアリさんが何をしているのかさっぱり分かりませんでした。

「君はいったい何を持ち上げているんだい?」

アリさんは、一言。

「地球さ!地球を持ち上げているのさ。」
ぞうさんは、アリさんよりも大きいものを持ち上げてやろうと思いました。

が、まったく思いつきません。

くやしくなって、もっともっと考えました。

それでも、やっぱり思いつきません。


ぞうさんは、しばらくそうやって考えていましたが、
突然、その長い鼻で、ふうっと、一つため息をつきました。
たちどころに風が湧いて、逆立ちをしていたありさんは
吹き飛ばされてしまいました。

運が悪いことに、舞い上がったありさんを、
つむじ風がさらに上へと運び上げてしまったのです。
アリさんは言いました。
ぞうさん、君は飛べるかい?
ほら、ぼくはこんなに飛べるんだよ、
そして地球も持ち上げられるんだ!
きみなんか自分も持ち上げられないじゃないか!
アリさんは、得意そうに悠々と空を飛んでいます。

ところが、突然強い風が吹いて、方向を変えられたアリさんは、
ぞうさんの鼻の中に、勢いよく飛び込んでしまったのです。

ぞうさんはびっくりしました。
すぐにアリさんを出してあげようとしましたが、
ぞうさんの手や足では、自慢の長い長い鼻には届きません。

そのうちに、ぞうさんは、鼻がもぞもぞしてきました。
そして・・・


「はぁっくしょ〜〜ん!!」

大きなくしゃみとともに、ぞうさんの体がふわっと浮き上がりました。
ものすごいいきおいで、アリさんはぞうさんの鼻から出てきました。

そして、ぞうさんを見上げてビックリしました。

でも、それ以上にビックリしたのはぞうさんです。

なんとフワフワと飛んでいるではありませんか。

「すごいよ、ぞうさん、飛んでいるよ!」

「そーだよ。ボクだってこれぐらい簡単さ!」

そういいながら、ぞうさんは、少し困っていました。
そうです。体がフワフワとして、おりられないのです。
「こんにちは、カラスさん。
 空の散歩もいいものですね。」

アリさんが見ているので、ぞうさんは強がりを言いました。
「それなら、もっと上の方が気持ちいいよ」

カラスさんは、そう言うと、

「かぁ〜!」

と、大きな声で叫びました。

すると、カラスさんのお友だちが、次から次へと集まってきて
ぞうさんの体をもっと上へ、持ち上げていきます。
ほんとうは空を飛ぶのが怖くて仕方ないぞうさんは、
ずんずん遠のいて行く地上を見て、みるみる顔色が青くなりました。

地上にいたありさんは、どんどん小さくなるぞうさんを見て、
けんかをしていたことを忘れて心配になってきました。

なぜなら空へ連れて行ったカラスさんは、
動物たちに評判のいたずらものだったからです。
カラスさんは、かなりの高さまでぞうさんを
連れて行きました。
ぞうさんは怖くてガタガタ震えていました。

そのときです。
カラスさんはいっせいにぞうさんをはなしました。

ぞうさんは、まッさかさまに落っこちていきました。

ドスウーーーーーーーーーーーーーーン。

大きな音がして地面が揺れました。

お尻を大きく打ったぞうさんは、何とか立ち上がりました。

そして、フッと心配になりました。
アリさんの姿が見当たらないのです。

大きなお尻で、つぶしてしまったかもしれません。

アリさーん。大丈夫かい?どこにいっちゃったんだ?
返事をしてくれよ?

ぞうさんは必死でアリさんの名前を呼び続けました。

けれども、返事はありません。

長い鼻で自分が落っこちたあたりの草むらを
かきわけかきわけ探しますが
アリさんの姿はみあたりません。

ぞうさんの大きな目からは涙がこぼれ落ちてきました。
ぞうさんの涙がぽたん、と落ちる音とともに、どこかで小さな声が聞こえました。


・・・ぅさん。・・・ぞうさん!
ここだよ。ぼく!


それは、まさしくありさんの声です。

ぞうさんは、大きな耳をすまし、声の聞こえる方へ進んでいきました。
アリさんは、とても高い木のクモの巣に引っかかっていました。
ぞうさんは、後ろ足に立ち、鼻を長ーく伸ばして、
どうにかありさんを助けようとしましたが、
その木が高すぎるため届きません。
木を倒すにも、さすがのぞうさんにも倒せないほど大きな木なのです。
そこで、ぞうさんは、ふぅっと息を吐くと、
大きく息を吸い込みました。

そして、長い鼻でふうぅ〜っと、くもの巣めがけて、
息を吹きかけました。


風が、ぴゅ〜っと、くもの巣をちぎっていきます。
あっという間に、くもの巣は、地面へと落ちていきます。
ありさんを引っかけたまま…。
ぞうさんは追いかけました。

ありさんが、風にさらわれて消えてしまわないように、
今度こそ、この大きな体でしっかりありさんを受け止めようと、
全力で走りました。
小さなありさんは、少しでも目を離してしまえば、すぐに見えなくなってしまう気がして、
ぞうさんは、必死に目をこらし、ありさんを追いかけます。

はしっ!

ぞうさんは、ようやく、その長い鼻で、ありさんをつかまえました。
「ぞうさん!」 ありさんは言いました。
「アリさん!」ぞうさんは言いました。
アリさんは、ぞうさんの長い鼻の先に、ちょこんと座りました。
ぞうさんは、長い鼻を曲げてアリさんがよく見えるようにしました。

ぞうさんの大きな目が、ありさんの小さな体を見つめます。
ぞうさんの目に、小さなアリさんが映っています。
その、自分の姿を見て、アリさんはふっと笑いました。
ぞうさんもアリさんの笑顔を見て嬉しくなって、笑いました。
「ぞうさん、ごめんね」
アリさんは、ちょっと恥ずかしそうに言いました。
「そうだ、クリスマスの夜、アリさんはどうしているの?」
ぞうさんは言いました。
「でも…」
ぞうさんは、少し迷ったような顔をしています。

アリさんは、そんなぞうさんに、得意そうに答えました。
「ぼくたち、ぞうさんが食べても食べきれないくらい、大きなケーキを作るよ!!」
アリさんは、ぞうさんをビックリさせるほどのケーキを作るために、いつもよりも大忙し。地下の置くにしまってあった、
とっておきの蜂蜜を探していました。
その頃、ぞうさんもアリさんのためにプレゼントを探していました。
けれど、きれいなお花もおいしい木の実も冬の寒さに隠れてしまって、素敵なプレゼントはなかなか見つかりません。

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