真夜中ブリケッチョンいでくんコミュのメスト御池

くたびれたスニーカー大吉が、全然続きを書いてくれん。光陰矢のごとしとはよく言ったもので、ビックリーな事になんと1年も書いてくれん。「ねえ書いてよ」、なんて言うのも言い飽き、ブリケッチョン氏と二人、途方に暮れるのにも暮れ飽き、「そんなこともあったね」と大してこのコミュニティの思い出話に花も咲かず、仕方がないのでひたすらビールグラスを煽り、小鳥のようにチャンジャをツンツンついばみ「辛い辛い」とピヨピヨさえずっていると、くうねるあそぶ大吉からのメール着信。

「いまどこ」

クピクポー大吉はいつも急である。そしていつも内容は必要最小限の用件のみである。学生時代、常時持ち合わせていた遊び心を、知らん間にどっかに置いてきたようである。そしてまったくもって素っ気無い。素っ気無さが見事にこの4文字に凝縮されている。素っ気無さを全面に押し出す形である。そんなもんを全面に押し出されたら、一週回って逆に素っ気は有るんではなかろうか。何だかテンションが乗ってきたので、私はこう返した。

「ブリケッチョン氏と、木屋町にて密会」

するとまもなくこう返ってきた。

「俺も三条。合流せん？」

暮らし安心暮らしあん大吉は、現在ひとり異郷の地で、教鞭を振るっており、とても多忙の日々であるらしく、滅多な事で一同に集合することは無い。そして3人とも事前連絡して集合ができない性質だから性質が悪い。だから実は三人とも連絡は急である。一年に一同集合する回数は、ジャンケンで言うと、もうグーかチョキかと言った按配である。

そんな事をもごもご考えていると、返信を待つことなく、くねくね大吉から着信。画面に表示されるは、日本酒が満たされたコップを前に薄笑いを浮かべる、見るからに大食漢の青年である。そう、言うまでも無く紅の豚大吉である。相変わらずなやっちゃ、と何が相変わらずか分からんが、とりあえず私は通話ボタンを押す。

「おっす」
「おう。今、市内、帰ってきてんねん」
「…そうか。今、北川くんと飯食ってたわ。来る？」
「うん、今どこにおるん」
「なんか良く分からん店」
「なんじゃそら。まぁええわどの辺？」

と言った具合で、これからくさりかたびら大吉とブリケッチョン氏と三人で久々に酒を交わすことになる。ここは思い切って、もはやタブー化されつつあるコミュニティについて切り出すか、否、とりあえずは近況を語り合った上で様子を伺うか。ともかく帰宅次第、追ってその模様をお伝えしたいところだが、以前から読んでくださっていた方には予想がつくと思うが、帰宅はいつになるか分からない。だが、心配は要らない。なぜならその間に、ブリケッチョン氏から、その場での現場報告をしてもらうからである。ではブリケッチョン氏、またあとで。