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漢語ピンインコミュのピンインは 中国語専用のローマ字つづり

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OK Waveという、一般公開のQ&Aの掲示板を見て、中国語に関する質疑応答の例を読んでみました。
中国語をかなり理解していると自信のある人が書いているのかもしれませんが、「中国の簡易字」だの、「ピンインは中国政府が作った」だの、間違った表現、単なる推測が ひしめいていて、読んでいてため息が出ました。

そういうわかったつもりの「先輩からのアドバイス」とともに、中国語の入門者と思われる方々の 勘違いもたくさん見ることが出来ました。多いのは、ピンインは、中国語の発音を「英語で表記するための手段」と思っている人がいるらしいことです。

ピンインは、中国語の発音を、中国人のために、正確に表記するために考案された道具です。

中国語の発音を、完全に正確に表記することは、アルファベット(ローマ字、ラテンアルファベット)だけでは不可能です。それは、国際音声記号でなければ無理です。しかし、現代の日常生活で、中国語の音声を文字に表現するのに、国際音声記号という、言語学者でなければ使いこなせない道具では、あまりに不便です。これは、実は、どんな言語でも同じで、言語の音声を、例外規則無く、正確に、文字に写し取るのに、アルファベットは不完全な道具でしかありません。

それを承知の上で、アルファベットだけで最善の方法を模索した結果が、今の漢語ピンイン方案です。

この場合の「最善」は、条件つきです。それは、
1) 現代標準中国語の音声を表わすためにという前提で、なおかつ、
2) できるだけ音韻的に一対一を目指しています。

これは言い換えると、
1) 文字の使い方が、かならずしも、よその国の言葉(中国でない言葉)でのアルファベットの使い方を一致していない、
2) 本来 区別すべきものが、「アルファベットのみで表わす」という原則のもとで、見た目、区別されないような綴りになっている
ということを意味します。

ここに、ピンインのつづり方の「癖」があるのです。
これを、要領よく、正しく説明しない教師は、アマチュアであれ、プロであれ、学習者にとって災いです。

コメント(6)

OKWave の質問で、「なぜピンインは、『シ』を xi と綴り、もっと自然で簡単な shi と書かないのか?」という趣旨のものがありました。

こういう質問は、素朴なだけに、上手に説明してあげるのが難しいと思います。

< ラテンアルファベットは、本来 ラテン語のための文字体系 >

ここには、「自分の知っているローマ字のつづり方が 万国共通なはずだ」という思い込みがあるように思います。ローマ字、あるいは、アルファベットのつづり方というのは、本来、恣意的なものです。しかも、そもそものローマの言葉であった、ラテン語の表記のためですら、不完全な道具でした。

ラテン語には、長短の母音の区別がありましたが、文字の上では、それは無視されていました。
(足りない部分)

c, k, q の文字は、音としては同じでしたが、一定の規則の元に使い分けられていました。
(余分な部分)

それが、音韻の異なるヨーロッパの言語に、そして、さらにヨーロッパ以外の言語に応用されて、さらに文字の使い方は無理が増えていきました。

ある言語は、ラテンアルファベットを加工して、いろいろな読みわけ記号を考案しました。身近な例では、英語のなかでもフランス語からの外来語は、フランス語の正書法の一部になっている「アクセント記号」をつけた形で使われることがあります。フランス語の「アクセント記号」(あるいは、ダイアクリティックス)は、実は、アクセントを示しているのではなく、アルファベットだけでは表わしきれないフランス語の音を文字の上で区別するための方法です。

< 本来のラテン・アルファベットの文字だけを使う原則 >

中国人の学者は、ひとつの点を除いて、フランス語とは逆の方向をとりました。つまり、できるだけ文字を読み分ける記号を使わないことにしたのです。唯一の例外は、u の上につける 二つの点、つまり、ドイツ語のウムラウト記号(フランス語のトレマ)です。

また、一般的には見る機会がありませんが、二文字で表わされている zh ch sh は、「音韻的に一対一」にするために、z c s それぞれの頭に 第三声のアクセント記号を載せたような文字で書いてもよいという規定は、ピンインにはあります。 ng も、国際音声記号と同じ形の、n の右部分を下に伸ばして、左にカールさせた形を使っていいという規定があります。

< zh ch sh r >

しかし、「本来のローマ字をいじらない」という原則をとって、ピンインの最終の形は、zh ch sh / ng という、二文字の組み合わせでひとつの音を示す案が採択されました。

ところが、多くの人は、この綴りに惑わされて、sh と r が 音声上は、無声音と有声音のペアになっていることを教えられていません。

実は、漢語ピンイン方案のなかで、M L N NG とともに、 R は、濁る音(有声音、voiced sounds)なのです。

したがって、入門者の人が直感的に、「熱」「日」の発音の、RE RI が、日本人の耳には「ジュー・ジヲー」「ジ−」に聞こえるというのは、おかしくないと思います。しかも、中国語の音韻の歴史からいっても、それは間違っていません。

イギリス人が考案した Wade-Giles 方式のローマ字では、「熱」「日」は、jêh jih と綴っていました。
(現在のピンインの J の音は、そのローマ字つづりでは、ch で綴られていました)
これは、英語を母語にする人には自然だったのでしょう。

ここで、やはり、「漢語ピンイン方案」は、中国人が中国語の音声表記のために考案したシステムであり、英語での綴り方の習慣などを優先して制定した綴りではないことを知るべきです。
< ピンインローマ字は 妥協の産物 >

妥協無く、間違いの起きようのない発音表記は、国際音声記号でなければ不可能です。
ピンインも、そういう意味では、よく出来てはいますが、落とし穴のある、妥協の産物です。

しかし、ひとつの音韻に出来る限り、ひとつの文字または文字の組み合わせを充てることを目指しています。それは、利点にも欠点にもなっています。

添付の画像で、ピンインがいかにシステム化された文字の使い方を優先し、既存の言語での文字の使い方を二の次にしたかを、ご覧ください。
上記の一覧でわかりますが、漢語ピンイン方案の最終案は、事実上、「国語ローマ字」、「ラテン化新文字」のつづりを折衷し、さらに、この表には含めていませんが、声調の表記をアクセント記号を使うことにしたのは、「注音字母(注音符号・ポポモフォ)」の綴り方を取り入れたものです。

よく、「注音符号を使ったほうが、正しい中国語の発音を覚えることができる」ということを言う人がいます。
私自身はそう思わないのですが、ボポモフォが中国語の音韻(音のシステム)をきれいに表わしているがゆえに、中国語の音声をすっきりと表現しているという意味では、この表が示すとおり、うなずくことが出来ます。

音と符号が、一対一を目指している点で、注音符号と漢語ピンインは、実は共通しているのです。
ですから、ピンインであっても、その「癖」をよく理解し、ほかの外国語のつづりに惑わされずに「中国語の音」を示すために考案されていることを理解しているなら、同じように正確に「使い得る」のです。

これは教える側の責任が大きいと思います。おかしな誤解や勝手な思い込みは、ピンインの癖をきちんと教えてもらっていないからです。

ローマ字つづりと、注音符号の違うところは、注音は、介母音と、音節末の尾音を、母音と組み合わせた記号を定めたことです。

ピンインは、注音符号の韻母を、音素のレベルまで分解して示しています。
< ピンインは漢字に置き換わる文字として考案された >

ピンイン方案が採用された頃は、「語文現代化」「言語改革」ということが、大陸で進められていた時代で、中国語も漢字を廃止して、表音文字を使う方向を目指していました。

この方針は立ち消えになりましたが、ピンインの綴り方は、単に活字にするだけでなく、日常生活のなかで手書きの文字として使うことを前提として、混乱が起きないように、わざと変えたところがあります。

それは、-ong, -ao という母音のつづりです。
これは、本来、-ung, -au とすべきつづりなのですが、手書きにしたときに、

u-ng が a と n の 筆記体、 u と n の筆記体が似ているために見誤りやすいこと、
-au も同様に、-an と見誤り易くなること

その理由で、-ong, -ao と綴るように変えたそうです。

これは、注音字母での綴り方、国語ローマ字での綴り方と比べると納得できます。

これがわかっていると、- ong ・ - ao というつづりをみて、単純に 「おん(ぐ)」 「あお」という音を連想するのではなく、むしろ、「おぅん(ぐ)」 「あぉ・あう」とでも書くような音であることがわかります。
これも、ピンインのつづり方の「癖」です。

実は、ピンインの癖は、-iu, -ui, -un というような文字の省略だけでないのです。
はじめまして。

> イギリス人が考案した Wade-Giles 方式のローマ字では、「熱」「日」は、jêh jih と綴っていました。

これに関してですが、「ジ」に近い音で発音することを想定した記号選びではないと思います。

ラテン文字の「J」は時にヤ行音に当てられます。
(国際音声記号で、[ j ]が母音[ i ]に対応する子音になっているのもその由来です。)
そして、中国人でも舌が巻けない人は、r ⇒ i で代用します(訛ります)。
したがって、i に近いが、i ではないので、i に近い j を使ったと程度の理由と思います。

※このコミュの立場が良く分からないので、コメントが適切でない場合はどうぞ削除してください。
(一応、音韻論的立場で評価しないのは分かりましたが・・・)
また、そいう方針をどっかのトピで示して頂けたら、本コミュに関わりやすくなるかと思います。
> sh と r が 音声上は、無声音と有声音のペアになっていることを教えられていません。

これに関しては、議論が分かれていると思います。
実際、sh と r を無声/有声のペアと見なすと、これが唯一のペアとなります。

これに対して、「中国語には無声と有声の対立は無い」という立場もあります。
この立場では、sh は無声摩擦音ですが、r は有声接近音となります。

実際、r には摩擦を伴っても同じように聞こえるため、不都合はありませんが、
そういう立場を取って無声・有声のペアと教えないことになっているかもしれません。

あと、どーせ英語の発音と違うから、
zh ch sh r ではなく、zr cr sr r と統一した方が誤解が少ないと思います。

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