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呑み・食うコミュのaiaiの感動の味・繰言シリーズ・第一回目

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まぁ、魚に対する思い入れというか、素材としての魚に対する。個人的なゴタクと思って下さい。。
話が広がり過ぎるので、基本的に料理類の話は無しです。あくまでも独断と偏見、思い込みですので、内容の信頼性・信憑性については、眉に唾つけながら聴いてやって下さい。 ではでは

古い話ですが、私が始めて北海道に足を踏み入れたのは、1976年。雪がうず高く積もった札幌の街でした。新しい雪が降るたび街の様相が変わります。慣れない私は何度か家への帰り道を見失い、吹雪の街中で遭難しかけた事も、何度かありました。

なんちゅうか、実は暖房用のお酒のせで、危うい思いを繰り返したのです。まずはめでたく、転勤希望が叶い、札幌に住む事になったわけです。それから次の転勤まで5年間、異文化の街で楽しい思い出を、沢山作ることが出来ました。

今回は北海道で経験した、驚きの味の代表の一つ、「イカの沖作り」の話です。 

イカの沖作り(沖漬け)は、いわゆる漁師料理というか、イカ漁をする人達だけが食べることが出来るもので、当時は簡単に手に入るモノではありませんでした。今でこそ、量販店の棚に並ぶようになりましたが、私は、存在すら知りませんでした。

作り方は至極簡単、生きて揚がったイカを、醤油ダルにそのまま投げ込み熟成を待つ…ただそれだけなんですね。

で、醤油のなかに放り込まれたイカは、苦し紛れに墨を吐きのたうちまわるわけですが。なんせ相手は醤油、あっという間に昇天するそうです。その後2−3日熟成させるとそれで出来上がりです。まぁ、イカの塩辛の一種と言うモノなのでしょうね。 

これは昨今、商品として売られている、いわゆる調味液に漬け込んだものとは違います。鮮烈な味わいと旨味を持つ、異様な塩辛なのです。取り出したイカ一本をぶつ切りにし、ゴロ・墨・目玉・足・本体、それの全てを、グチャグチャにかき混ぜて食べます。

イカの塩辛というには、異様にコクのある、経験したことがない感動の味、思わず唸りましたね。

場面は早朝、喧騒の札幌市場のセリ場での出来事。仲の良かった、鮮魚担当者に送られて来たモノのご相伴に預かったわけです。

あの濃い味のイカを、一本あっと言う間に平らげました。興奮の後に残ったのは、米の飯・お酒への渇望感です。無理言って、その友人から3本奪い取り、市場の食堂に持ち込み、朝からお酒、やっちゃいましたねぇ......今は昔だけど、その頃の魚屋って、朝から呑んでる人が当たり前に居て、なんの違和感もなかったンです。

大手水産会社の営業マンに、そんな事許されるワケないけど、なんちゅうか私だけ個人的に魚屋してた気がします。まぁ、しっかりと市場に染まっていたわけですね。事務所での営業より。現場が好きだった、単に酒が好きだった、とも言えるのかも知れません......

古き良き時代って言うのかな?セリ場で箱詰めされた、美味そうな魚を勝手に抜き取り、朝飯の用意をする担当者がいましたね。そう、その場で刺身を作ったりしている奴も居ました。まぁ世の中余裕があったンですねぇ。昨今の市場は、部外者立ち入り禁止とか(荷物が無くなる事がままる)、
無帽の者は入場しちゃならんとか、いろいろ規制が敷かれています。

今は、昔の風情の面影もないけど、相変わらず隠れて呑んでる奴は居るンですねぇ、これが......

当面は北海道シリーズ、次回は網走の根ボッケのお話です。

コメント(1)

なんか、根ボッケのファイルがみつからないので、飛ばしちゃいました。今回の北海道の感動の味は、「醤油イクラ」のお話です。

北海道は異文化の大地、私的には、いわば日本の中の外国、の様に感じています。言葉使いや風土に、いろいろ新鮮なものがあって、'70年代後半の生活は大いに楽しめました。

今は判るけど、当時理解し難かった、代表的な表現が「内地」。これって何なんでしょう? その内地から来た人間にとって、「内地じゃどうなのさ」とか話しかけられると、「俺って外国人かい?」て妙な気分になったモンです。

過去形で言う挨拶(cf.おはようございました)等は、未だに慣れることができません。

九州以南の諸島では本土、昔の満州あたりでは同様に内地って言ってたらしいですね。未開の北海道に、開拓で入植した人達の気分が、そのまま受け継がれているンでしょうね。その内、妙に馴染んで本社や支社の連中と話すときは。「おまえら内地の人間は」とか言っては、理由もなく優越感に浸ったものです。

北海道と言えば、新鮮なネタが溢れていて、寿司が美味い!ってイメージがありますよね。 でもそれは、一部正しく、大部分間違いですね。まぁお店にもよるわけですが。北海道のお寿司屋さんは、素材に頼り過ぎ、正直言って仕事をしている店が少ないのです。なんか感動が少ないンですね。 

まぁ美味いには違いないわけですが、結局、何処のお店にいっても同じで、新しい出会いが無いンです。でも驚いたのが「イクラの醤油漬け」。どのお鮨屋さんに出掛けても、「イクラ」と言えば、出てくるのは全て、醤油イクラなンですね。塩イクラは全く見かけません。北海道独特の鮨文化なのです。
 
今でこそ、醤油イクラは普通に手に入れることが出来ます。内地のお鮨屋さんでも、使っているお店が増えていますね。当時は商品化されたものは無く、北海道独特の味わいの一品でした。塩イクラと違い、まろみのある味わいに、しばし感激したものです。

聞いてみると作り方は極々簡単です。普通の家庭でも作る、一般的な季節素材だったのです。ですから、秋鮭のシーズンになると、スーパーの棚には生筋子が並びます。40℃程度のお湯で、筋子を揉みほぐし生醤油を3回程掛け回し、冷蔵庫で一晩熟成させて出来上がりです。 

凝った人は、自家製の調味液をつくり、その中に漬け込みます。液を充分吸い込んだら、卵が安定しますので、冷凍保存もききます。最近では「内地」でも、生筋子をおくスーパーがあるようで、皆さんもトライしてみてはいかがでしょう?

で、大変な失敗談です。イクラの醤油漬けに惚れ込んだ私は、これを商品化し、「内地で売れば一山当たる」と思い込んだのです。イクラは醤油を吸い込んで増量しますので、液まで金になるなんて、邪な発想も正直ありました。

当時エビ・カニ担当だった私は、自分の仕事の枠を勝手に超えて、走り出してしまったのです。生イクラが安値で、集めるのは簡単、あっと言う間に、大量の「イクラの醤油漬け」が出来てしまいました。4千万近くの在庫を抱え、2月の三陸地区の、秋サケ漁が終わるのを待って、売ろうと算段したわけです。

ワクワクしながら、年を越しました。でも結果は悲惨でした......惨敗です。あるとき品質チェックのため容器のふたを開け、中を観ました。脂が浮いているンですねぇ、なんなんだぁコレ!脂の正体はタマゴの目=核=脂肪だったンです。

要するに、タマゴが割れてしまっていたのです。アイディアだけで突っ走った、素人の悲しさです。自分の思い込みにハマリ、夢中になって創った、ココまでは自分でも褒めてやりたい......でも肝心の製造の基礎知識・技術が欠けていたいたのですね、まぁ最低男でしたね。

卵が充分液を吸い込んで、安定してから凍結すれば、何の問題も無かったのです。でも悲しいかな、出来たそばから、どんどん凍結を掛けたための失敗でした。まぁ前例のない製品なので、それに気が付く人もいないわけです。理由が判った時は、後の祭りでした。

顔は引きつりトホホ状態、3000万近い赤字を出し始末書を書く羽目になりました。会社的にはトンデモの話ですが、私的には良い思い出です。なんちゅうか昔は良かった、と言うか大らかで余裕があったなぁ。で、あれ程惚れ込んだ「イクラの醤油漬け」ですが、私的にちょっとほろ苦い味が付きまといます。

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