ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

四月馬鹿。コミュの▲【二次創作BL】コードギアス、ロイド×ジェレミア<R-18>

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
※コルチェスター時代、性描写有り。


------------------------------------
 2008.冬 コードギアス
------------------------------------



【その手で触れてごらん】


「っぁ、ん、ッロイ、ド…」
恍惚とした快楽を瞳に湛えてジェレミアは後ろを振り向いた。深い緑の髪が今は無秩序に重力に従う。四つん這いの彼の背中ではロイドが眼鏡越しでない眼差しを、やはりこちらも快楽に濁った瞳で。
「どうしたの?」
「あっ、ァ、……くッ、」
「喋ってくれなきゃ解んないよ?」
「ッ、解っ…て、あぁ!」
ロイドはニヤリと意地悪く笑った。彼を喋らせないように腰を使うのはもう慣れている。わざとらしく耳元に息を吹き掛ける問いかけ。
「なに?ジェレミア」
「ロイ、あっ、も、…もう、」
「もう?」
ジェレミアはロイドを責めるように睨んで自らの腕に顔を埋めた。
ロイドはそんな彼の仕草にすら欲を掻き立てられる。
「もう、なに?」
「ああっ、は、っア、くっ、」
ジェレミアが浅い息を何とかしようと深く息を吐きかけると、すかさずロイドは前立腺を掠めるように腰を動かす。今の彼に理性は要らない、失神するまでヨがればいい。
「ジェレミア、イきたい?」
「ッ、……」
たった一言《イカせてくれ》と言えばもどかしい熱から解放されるのに。ロイドはやはりジェレミアが真性のマゾヒストだ、と低く笑う。
一方のジェレミアはそんなはしたのないことが言えるか、と、自らの腕に爪を立てた。ロイドはそれを解ってこの状態を作るのだから、高確率でサディスト決定だと歯を食いしばる。
「仕方ないなぁ、また失神したいの?」
ロイドはジェレミアの欲を扱き上げて彼の腕に食い込む爪に彼自身の先走りを塗り込んだ。
「うるさ、…っア、あ、やめ、」
ジェレミアはそれが視覚的に耐えられず、目を瞑り唇を噛んだ。





「あ〜あ。また血、出てるよ〜?」
情事の後、ジェレミアが目覚めたのはピリリとした唇の痛みだった。見るとロイドの手には塗り薬の小瓶…いや、リップクリームの類いか、甘いバニラの香りがする。
「…誰の、せいだと思ってる」
寝起きの掠れ声でジェレミアは嗜める様に眉間にシワを寄せた。再びロイドのひんやりとした指が唇を滑る。
「うん、キミのせいだねぇ?」
ジェレミアは浅く息を吐いて目を閉じた。このやりとりについては前に何度か口論して根本的に意味がないと悟っているのだ。それに今はそのように解り切った口論を楽しむだけの余裕が無かった。
「……」
現実を直視したくない目を気力で捻じ伏せ目を再び開けると、不意にロイドの指が残った香りを嗅ぐように彼自身の唇に寄せられる。
「シャワー浴びる?」
気遣いか、そうでなければ素か。
計算で何か裏があるのか、単なる思い付きなのか。
こういう時のロイドの笑顔とも無表情ともつかない薄い嘲りに似た笑顔がジェレミアは嫌いだ。突き放されたようにも、また優しさの錯覚にも見える。
「…何時だ、今」
「午前5時23分だね」
「そうか…」
ジェレミアは予備動作なしに上体を起こし裸足のままバスルームに消えた。立ち上がった時、昨晩のロイドの残滓がどろりと内腿を伝ったことには流石に眉を顰めたが。

昨日は寮の監督生の引き継ぎがあり、事前に決まっていたことではあるものの当然の様にジェレミアは寮長に。実質的には女子寮の寮長も彼の管理下になるのだし、首席である彼がこれまた当然の様に新期生徒会長にもなったという、重役に重役を着せた形の生徒の頂点にめでたく彼は収まった。
ここ、コルチェスター学院は全寮制。貴族や由緒ある家の子息令嬢の集う学校であるのはあまりに有名で、ここから士官学校へ進む者も多い。実質来期のここのトップがジェレミアに引き継がれたということは彼の将来もまた、固く約束されたと言っていいだろう。

確かに昨日、ジェレミアは誇らしい気分ではあったのだ。だが、周囲の称賛の声はどこか白々しくも聞こえた。
ある意味彼にとってはこれら全てを手にするのは余りに当然で順当な結果だった。
それにロイドなら。彼なら自分にありきたりな称賛など浴びせる筈がない。
≪ロイドならなんと言うだろう≫知らず知らずジェレミアは周囲とロイドを常に比較するようになっていた。
シャワーを浴びながら青臭い体を流す。
同時に片手はシャワー近くの壁につき、もう片方で自ら指を入れロイドの残滓を掻き出す。
「……、っ、う」
これだけは何度やってもとうとう慣れなかった、そう思い溜息を吐く。だが、放っておけば不快な処か腹を下すのも経験済みのことだ。
≪何故、昨日ロイドは無理にでも彼の部屋へ自分を連れ込んだのか≫
ジェレミアはこの問題を先程からあてどなく考え続けていた。
本当は理由はもう解っている。
しかし…それを理解したくない自分に嫌気がさしていた。
そもそもこの関係はロイドが気紛れに始めたものであって、ジェレミアが自ら望んだわけではない。
だから。
だから、彼がジェレミアに飽きてしまえばそれまでの話。それにそもそも彼は一つ年上で士官学校への道はもう決まっているのだ。
「…ロイド、ッ……」
バスルームの外には本人がいる。それでも次に彼の名を呼べば、きっとそれは関係の終焉。
「はっ、ア、……ロイ…ド、」
バスルームにシャワーの水音と、耳を犯すような己の声とが響く。徐々に立ち上がってきた己の欲に≪もうどうにでもなってしまえ≫と半ば自棄で手を掛けた。
愚かだ。彼を失うことが恐ろしくて堪らない癖に、プライドがそれを許さない。





一方ロイドは欲にまみれたシーツを剥ぎ取ってゴミ袋に詰め、一つ息を吐いた。
見渡せばシーツの掛かっていないベッド以外は自分のいつもの部屋そのものだ。ジェレミアがそこに存在しなければロイドにとってこの部屋は無価値だった。
乱雑に積みあがった本、処々に自分のメモが散乱し、時たま机や物置に直にメモをしてあるものまで。衣服はだらしなくハンガーにかかっていたりいなかったり。
ロイドにとって何処かに書く、発言をするなど体外に出した段階で言葉や文字は遺物になっていた。それらは自分の頭が既に記憶をしていて、メモをしたり発言するのは定着させる為の行為であってそれ自体に価値は無い。

シャワーの音に欲情する。
だが、バスルームへ続くドアノブに掛けた手を外し自室を出てジェレミアの部屋へ向かった。
寮則では寮生が別の寮生の部屋へ訪問するのは、平日は固く禁じられている。まあ、どこの寮でも普通そんなものだろう。
しかしロイドはジェレミアの部屋の鍵を持っているし、規則に厳しいジェレミアを気遣って誰かに見つからぬようにと毎度細心の注意を払っている。(実は鍵はジェレミアの前代の寮長をちょろまかして手に入れたのだが、ジェレミアはそれを知らない。不審がってその件に対し自分に問いただしてくるジェレミアが面白いのだ)
彼の、自分のものと違って折り目が正しく着いている制服と下着・整髪料を持って自室に戻る。
やはり彼の部屋は整頓されて隙がなかった。自分の部屋と違ってここで彼とセックスをするのはなにか背徳感があり、それをロイドは気に入っていた。
しかし、昨晩は自室でなければ駄目だったのだ。
あまりに隙のないこの部屋では彼は理性を持ってしまう。何も考えずただ自分を感じて欲しい、彼の思考が欲しい、彼の全てが欲しい。
なぜ、こんなに焦っているのだろう?

焦りを自覚していた。
だからシャワーを浴びる彼の肌に触れることも声を掛けることさえ、躊躇われた。
無論、彼は自分が来期もここに残る事を知らない。
だからもし自分が彼にとってそれなりの存在であるなら昨日の寮長代替わりの祝いの後、自分になんらかのアプローチがあると思っていた。
いや、ある意味でそれに賭けていた自分がいたのは紛れも無い事実だ。
あの祝いが実質、ロイド達の代の卒業祝いであることは明白だった。
そしてその場でジェレミアは、ロイドに一瞥するに留まったのだ。その瞳は凛として、常の彼の美しさを反映していたのは言うまでもない。
しかし、それが怖ろしくもあった。

一つ息を吐いて自室のドアノブを傾けた。





「あっ、ロイ…ド、っう」
ロイドが部屋へ戻ると、入り口から程近いバスルームの中からあられもないジェレミアの声。ロイドは自身の顔の紅潮を覚えた。それが余りの嬉しさの表れだとは気付かないまま。
ロイドはそのままバスルームへのドアを開ける。洗面所にジェレミアの部屋から持ってきたものを放り、衣服の濡れを気にしないままバスルームへ押し入った。
一方のジェレミアはロイドが出て行った音は気付いていたが戻ったのは気付かなかったのか、酷く驚いた顔をした。そして目を伏せるように視線を落とす。
「…ッ、…なにを、しにきた」
そのまま俯く。自慰をしていたのだ、しかもその相手の部屋で。
快楽に手を掛けた時は自棄であったのに、それが酷く恥ずかしい事だとジェレミアの理性が判断を下したのは当人の顔を見てコンマ一秒のことだった。
「ジェレミア…君は、」
「笑うか?私を。いつもいつも私はお前に呆れられてばかりいる、終わらせるならそう言え。もうお前のことで乱されるのは御免だ、こんな風に道化になっている自分にも、…もう、嫌気がさしてる」
ジェレミアはロイドの発言を遮って捲くし立てた。俯いたまま、到底ロイドの顔など見られない。
「ねぇ、ジェレミア。僕はね、言葉にすると全てが虚偽に思える。今という一点は点でしかなくて、真実はその瞬間しかないと思ってる。過去は改竄が可能、記憶は美化されもし抹消もされる、未来なんて不確定なものが手に入るなんて思えない。この手に触れられる実体が僕の本質で、また僕自身だ。だから、」
そう言ってロイドはジェレミアの濡れ髪を梳いた。頬に当たったロイドの冷たい手に、びくりとジェレミアは体を震わせる。
「愛してるなんて、どうにも虚偽に思えるけどね。今はそう思ってる」
そのまま俯いたジェレミアの顔を持ち上げてキスをした。ジェレミアの頬に、涙とも水ともつかない雫が流れる。
「…愛してる」
ジェレミアがそう、消え入るようにポツリと言うと、そのままロイドはジェレミアを抱きしめた。





ロイドの部屋のシーツに覆われないベッドに、バスローブ姿でジェレミアはくたりとその躯体を投げ出していた。午前6時36分、時計を見れば既に彼が毎朝行うジョギングの時間になっていたが、到底そんな気力はない。
髪の毛の水滴をタオルに含ませながらロイドが歩いてくる。着替え終わった彼が視界に入るとジェレミアはなんとなく目を合わせないよう、視線を逸らした。
「流石に恥ずかしい?」
「……わざわざ聞くな」
このサディスト、と悪態を付け加えてジェレミアは重たい体を起こした。徐に着替えを始める。変わりにロイドが今度はベッドに腰掛けた。
「ねぇジェレミア、言ってなかったんだけど」
「なんだ?」
「僕ねぇ、来年君と同じ学年だから」
語尾に音符マークの付きそうな軽口で音になったその言葉を、ジェレミアはうっかりと聞き逃しそうになり。
「あぁ。……なんだと!?」
「あはぁ★吃驚した?」
「吃驚…?そんな場合か!第一お前の成績で落第なんぞ有り得んだろう!」
「だって試験も授業も受けてないからぁ」
ジェレミアが事情を聞けば学校公認で欠席を重ねていたらしい。というのも…
「ほら、君だって知ってると思うけど、第二皇子様、来年から政界に出るでしょ?だからぁ、士官学校に入った時の設備投資とか他色々と、サポートして貰う約束、取り付けて来ちゃったぁー」
「取り付けたとは…」
若干呆れ顔のジェレミアに、ロイドは嬉しそうに話す。
「KMF研究と製造ラインの確保♪一年掛けてそれが確保できてから士官学校にー、ってね」
「…そういえばアスプルンド家と縁があるんだったな、シュナイゼル殿下の母君は」
「社交界事情もよく知ってるねぇ、相変わらずだけど」
「それにしても…それで授業と試験を?」
「休学手続してたからね、吃驚したでしょ?」
「貴様、私がどれだけ……」
「ふふ、どうしたの?」
「……なんでもない」
また向きになっている自分に気が付き途中で言葉を切るジェレミアを、ロイドは不意に後ろから抱きとめる。
「……」
「着替えられん」
「……」
「…邪魔だと言ってる」
「……」
「ロイド、いい加減に…」
「少し、黙って」
そう言ってから腕に込める力を少し強め、ジェレミアの首に顔を埋める。
「……」
「……」
ジェレミアの方が身長は少しだけ低い。しかし無論だがロイドとは鍛え方が違う、そういう意味ではロイドは力ではジェレミアに勝てない。
それなのに、とジェレミアは思う。
この男は自分に言葉一つで抵抗をさせない。言われるがままになってしまう、そういう自分が本来は疎ましい。
「…ロイド」
「なに?」
「愛している」
「……」
そのままロイドはジェレミアを振り向かせる形でキスを施した。

「僕も」


fin.







【その手で触れてごらん】
作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘


わかんないわかんない 誰か教えてちょうだい
心の奥は一体どうなってるの?
恋に落ちていけば 疑心暗鬼 被害妄想
あらぬ想像だけが膨らんでって そのうち弾ける

I don't know You don't know No one know 眠れない
切ない夜がいくつも続いてる
もっと近寄って 臭いかいで 感じたら
真実の蕾にそっと手を出せ
花開くまで その手で触れてごらん

イケないイケない 簡単に信じちゃいけない
いつだっけ リンダも そう注意してくれたっけな
広がる噂に 人生をコントロールされて
なにも確かめないで 誤解のまま戦争する気かい?

I don't know You don't know No one know 裏切られ
誰かのこと 憎たらしくなって
信じて 期待して 擦れ違って 傷ついたら
真実の蕾にそっと手を出せ
幻に戸惑うな その手で触れてごらん

優しくさわって じっくりさわって その手でさわって
もうすぐ何かが見えるだろ

I don't know You don't know No one know 眠れない
切ない夜がいくつも続いてる
もっと近寄って 臭いかいで 感じたら
真実の蕾にそっと手を出せ
自分じゃなくなる前に その手で触れてごらん

コメント(1)

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

四月馬鹿。 更新情報

四月馬鹿。のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング