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サム・ペキンパーコミュのよもやま情報

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最近は皆さん「はじめまして」に様々な情報を投稿されているようですので、何かお知らせがあった場合に使ってもらおうとトピ立てます。

コメント(3)

UPされてから1年以上が経っているので、既にご存知の方も多いと思いますが、YouTubeでペキンパーが監督・脚本を担当した1時間もの(正味50分)のTVドラマ「昼酒」(66)(原題:Noon Wine)を観ることが出来ます。

動画はモノクロ(手元の資料ではカラーのビデオテープ撮りとなっているのですが...)で画質も余り良くなく、何より音声が英語(YouTubeの機能で英語字幕表示可能)なので、鑑賞はやっかいかも知れませんが、この作品は、「ダンディー少佐」(65)でのトラブルがきっかけで映画界から干されていたペキンパーが、映画界復帰への足掛かりを掴んだとされる作品で、ペキンパー・ファンにとっては要チェックの動画です。私も以前から時々ネット検索をしていたのですが、今回久々に検索してようやく見つけた次第です。

物語は西部劇の雰囲気が残る20世紀初めのテキサスを舞台に、ある農家が職探しをしていた浮浪者を雇ったことで起こる悲劇を描いたもので、特にどうということもない作品ではあるのですが、「砂漠の流れ者」を彷彿させる主人公ジェースン・ロバーズの味のある演技、物事の経過を要約して描く際の、複数場面をオーバーラップさせるモンタージュ手法の多用が印象的で(手元の資料にある”360度のパン””超クローズアップにまで至る前進撮影”は見当たりませんでしたが)、ロバーズの他に保安官役でベン・ジョンソン、主人公の隣人役でL.Q.ジョーンズが出ている辺りにペキンパー作品らしさを感じます。プロデューサーのダニエル・メルニックは後に「わらの犬」(71)で再びペキンパーと組んでいますし、ペキンパー作品の常連だった音楽のジェリー・フィールディング、「ワイルドバンチ」(69)の編集担当ルー・ロンバルド(「昼酒」ではアシスタント・カメラマン)とペキンパーが知り合ったのも本作ということで、ペキンパーにとって意義深い作品だったのではないかと思います。

受賞こそ逃したものの、本作は米国脚本家組合の最優秀テレビ翻案賞、同監督組合の最優秀テレビ演出賞にノミネートされるなど高い評価を受け、「ワイルドバンチ」誕生の足掛かりとなったのです。ご興味がある方はご視聴されてみては如何でしょうか。

ペキンパーの専売特許とも言える、あのスローモーションを使った華麗なるバイオレンス・シーンが誕生するきっかけになったのではないかとされる映像が、YouTubeにUPされていますのでご紹介したいと思います。

その映像とは「特捜刑事サム」(原題:FELONY SQUAD)というTVシリーズの篇中、犯人役のジョー・ドン・ベーカーが警官隊に射殺されるシーンで(開始6分後辺り)、編集担当のルー・ロンバルドは、これを1秒間24コマで撮影した後光学処理で各コマ3コマずつコマ伸ばししてスローモーション映像にしています。あらかじめハイスピード・カメラで撮ったスローモーションではなく、ノーマルスピードで撮ったものを事後処理でスローモーションにしているため、ビデオテープをコマ送りした時のような映像になっているうえ、撃たれてぶっ倒れるアクションにも特に芸がないので、今観ると何てこともない映像なのですが、「俺たちに明日はない」(67)が世に出る前だったこともあってか、ペキンパーはこの映像をえらく気に入ったようで、TVドラマ「昼酒」で一緒に仕事をしたこともあるロンバルドを「ワイルドバンチ」(69)の編集に起用します。その結果あの伝説的なバイオレンス・シーンが生まれることになる訳ですが、その原型となったとも言われている映像がこれなので、参考までにご視聴されてみては如何でしょうか。

「特捜刑事サム」の一場面がペキンパーに影響を与えたことをご紹介しましたが、別のトピ「ペキンパー的暴力美学の継承者たち」で”ペキンパー・バイオレンスの元ネタ”?と書いた、黒澤明監督「七人の侍」(54)における”久蔵(宮口精二)が決闘で浪人を切り倒す場面”もYouTubeにUPされていましたのでご紹介しておきます。

ペキンパーは、キネマ旬報1977年3月下旬号の石上三登志氏によるインタビューで、黒澤に対するリスペクトを以下のように語っています。

(好きな監督を聞かれ)
「ミスター・シーゲル。ミスター・フォード。でも、一番尊敬するのはクロサワだ。『ラショモン』は素晴らしい作品だ。」
(黒澤はフォードを尊敬していると聞かれ)
「フォードとクロサワじゃ、ケタが全然違うよ。フォードは好きだけど、クロサワは尊敬してるんだ。とても会いたい。クロサワからはずいぶん盗ませてもらった。今じゃみんな僕の映画から盗むけど…。」

この”クロサワから盗ませてもらった”というペキンパー本人の言葉、そして問題の、斬られた浪人が崩れ落ち土煙が上がるスローモーションの”呼吸”とカメラ・スピードが、観た瞬間は本当に息を呑んだほどペキンパーのそれに酷似していたのを根拠に、私はこのショットこそペキンパー・バイオレンスのルーツなのではないかと推測したのですが、皆さんはご覧になって如何でしょうか。

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