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松乃家扇鶴コミュのネットで拾った記事

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メルマガのようですが以下に。
http://www.melma.com/backnumber_11300_19591/

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寄席・スポニチ亭
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 何ともいえない色っぽさ、粋(いき)な三味線、高音の都々逸(どどいつ)
など。俗曲の松乃家扇鶴――。

 しばらく前まで音曲扇鶴の高座名だった。“音曲”は、いわば三味線話芸の
総称だから、改め“松乃家”となった。俗曲「松乃家扇鶴」の名をどこかで見
かけたら、是非その高座を見て欲しいと思う。今、もっともお勧めの“高座に
咲く江戸情緒の華”だから。

 甘い、驚くほどの高音が特徴である。18日の国立演芸場では、三味線の音、
響かせながら一気に歴代の横綱名の“言い立て”。チントンシャンの音に乗せ
て「〜はぁ、どすこい!……ここは両国ぅ〜」と都々逸をひと節。相撲なら低
音の甚句などが思い浮かぶが、扇鶴のそれは、誰にもマネの出来ない高音の甘
い声。語尾が強調され、さらに高音へと転調されて、そこに色香が生まれると
いう独特の音曲なのである。

 そして、三味線の音色で彩りながら、高音で語られる男と女の情景。しんみ
りと、しっぽりと聞かせながら、不意に“肩すかし”を食わせて、笑いにつな
げてしまうしゃべりの妙。この日はさらに昔懐かしい「ストトン節」なども。
男の音曲師が醸し出す最高の江戸情緒といってもいい。品があって、聞くもの
をして、江戸の遊郭街の小路へと迷い入ったような錯覚すら覚えさせる芸なの
だ。

 かつて俗曲と言えば都家かつ江師匠がいたが、他界して以後は玉川スミ姐さ
んが第一人者。ともに男勝りの“ツッコミしゃべり”が身上で、この扇鶴とは
また違う魅力といえる。そして音曲自体で楽しませてくれるベテラン桧山さく
ら姐さんは病気で、今は高座に接することは出来ない。代わって柳家小菊、三
遊亭小円歌が代表格で、小菊は純粋に音曲を展開する第一人者、小円歌は気風
(きっぷ)のよさで売る。

 男では大ベテランの柳家紫朝がいるのだが一時闘病生活を強いられ、立ち直
りはしたが、なかなかお目にかかれない。この扇鶴が唯一の元気な音曲師とい
えるのだから、存在自体が貴重なのだが、その芸に接すれば貴重さは一層実感
されるだろう。寄席では落語の間に挟まって、番組の“芸の流れ”に彩りを添
える形での出演だが、こうした存在だけに扇鶴は、本格的な落語家たちの前 
“ひざ替わり”に、ぜひ出て欲しいと落語家自身からリクエストされることも
多い。

 昨今は津軽三味線ブームなどもあって、太棹(ふとざお)を激しく叩くよう
に曲弾きする光景が思い浮かぶかもしれないが、その方面での高座三味線は津
軽三味線の太田家元九郎が第一人者。元九郎は落語協会(三遊亭円歌会長)所
属で、扇鶴は落語芸術協会(桂歌丸会長)の所属だから、競合することはない
が、ともに貴重な存在なのである。

 比較対照は難しいが、扇鶴は“俗曲”という江戸の遊びと情緒をあふれさせ
る“芸”という意味では、ほかにいない存在。その甘い高音の個性的音曲の数
々と、これまた独特の間合いに満ちた“しゃべり”に接すると、なんだかとっ
ても気持ちよくなること請け合いだ。

 この日のトリだった三笑亭夢丸も「ねっ!扇鶴さんの三味線と高座に接して
いただければ、なぜアタシの出番の前に“お願い”するかお分かりいただける
でしょう?」と言っていた。トキのように希少で貴重な男音曲師・扇鶴の高座
を、出ているところを探してでもぜひ一度楽しんでいただきたいと思う――。
                             (岸谷 祥)

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