私もまるで読めぬくちで、この膨大なオンラインテクストも驢馬の耳にベルゼバブといふ体たらくですが、おそらく英語版からのロシア語訳と思はれます。「Перевод с английского」として三人の人名が並んでゐるのが(多分)訳者ではないでせうか。英語版に先んじたロシア語版?といふ期待を持たせてしまつたとしたら謝ります。なほ、このサイトのКниги(書籍)の項目にはГюрджиев(グルジェフ)の名で四つ、Успенский(ウスペンスキー)の名で六つのテクストがアップされてゐます。ウスペンスキーの著作などは(多分)原著とみなしてよいのではないでせうか。どなたか解る方にチェックしていただきたいものです。蛇足ながらウスペンスキーの項目の最後の「В поисках чудесного」が「奇跡を求めて」です。失礼いたしました。
《グールドジェフの方式を彼自身が解説した主著『全体と全ての個体』のうち、現在までにイギリスで印刷されたのは一部のみであるが、これは一千二百頁を越える大冊であり、しかも非常に読みづらい。だがわたしがそれを読みづらいと評しても、著者に対して失礼ではあるまい。半可通のディレッタントがこれに眼をとほして、これで「グールドジェフを理解した」などといふことがないやうにするのが、かれの狙ひの一部であるやうに思はれるからだ。このやうな効果をださうと意識的に努めた結果、この第一巻はジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』に劣らぬほど難解になつたのである。(Of Gurdjief's major exposition of his system, All and Everything, only the first part has to date been printed in England; this is over twelve hundred pages long, and it is hardly unfair to its auther to say that it is almost unreadable - hardly unfair since it seems to have been a part of his aim to make sure that no dilettante could dip into it and then claim to 'understand Gurdjieff'; his efforts to achieve this effect have made the first volume rather less comprehensible than Finnegans Wake.)》