それは、とても車イスに座った老人の声には聞こえない位、大きくて力強い声だった。「 I'm Rolling Thunder. Welcome to Rolling Thunder land. HO! 」。 立ち上がったまま何も出来ずにいる僕たちに、彼はイスに座るように勧めてくれた。付き添い人に押された車イスがテーブルに着くと、彼はまた力強い声で話始めた。「ようこそ、私がローリングサンダーだ。はるばる日本から訪ねて来てくれてとてもうれしい。君達は良い日、良い時に来た。しばらくここに滞在していきなさい。うん。本当に良い時に来た。」この言葉を聞いた瞬間、今までに一度も体験した事のない様な感動に包まれた。(今僕達は正しい時、正しい場所にいる。)ここにこうして座っているのは何らかの必然性のあることなのだ。こんな気持ちは初めてだ。しばらくの間、外で話をしているとあたりがだいぶ暗くなってきた。「さあ、中へはいろう。これから丁度夕食だ。本当に君達は良い時に来たな。ハハハ。」皆笑いながら母屋へと入っていった。