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子供も大人も読みたい絵本&物語コミュのSeventh Son Of a Seventh Son 第2章 その8

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脱出作戦を無事に終えて一行はダミュールに到着し、すぐさまシャールの待つ孤児院へと向かった。

着くなりシャールとジェシカやシスターが出迎えてくれた。

「トモヤ!トーマス!よく無事で…」ジェシカは今にも泣きそうな声で言った。
「あぁ、おかげで何とか無事に帰れた。助けてくれた2人にも、お前たちにも感謝してるよ。」
トーマスは素直に謝意を述べる。

「さぁさお疲れでしょう、食事の用意をしますから中へ入りましょうか」
シスターに促されて中へ入る。

食事を待つ間、トーマスらはジェシカの治療を受けながら、ここまで起こったことをシャールと話していた。
さすがにトモヤは憔悴が激しく別室で休ませていたが。

「ふむ…ということは本当の敵はあの子らではないということか……また分からんことが増えたな」

腕組みしながらシャールは言った。

「あぁ、そんなところだ。だが、まずはその解明より先に目の前の問題もある」
チラッとダレルの方を見ながらトーマスは話す。

「それもそうだな。。しかし、問題はケイタか…」

「はい、彼は我が国の外部参謀長の役として指揮を執ってます。彼をどうにかして軍から魔物を排除すればまだ何とか出来るとは思いうんだけれども…」
といったところでダレルは口ごもる。
親友を目の前で失ったトモヤの手前、またすぐにと言うのは気が引けるというのが全員正直なところだろう。

「よし、今回はトモヤは休ませたままにしておこう。」
おもむろにシャールが言う。

「どのみちこのままではまた同じ事を繰り返してしまう。情に流されて大局を見失う訳にもいかないでしょう。」

「確かに。」

「とにかく再び城に潜入し、ケイタを倒すしかないだろう。この任務はトモヤには酷だろう。もしかしたら恨まれる事になるかもしれんがやむを得まい。」

「さて、行くメンバーはどうする?」
仕事終わりと言わんばかりにテキーラを飲み干しながらウーディーが言う。

「ウーディー、君の報酬の件は国王に上奏しておいた。間もなく指名手配も解かれるだろう。ここからは君の自由だ。」
しかし、ウーディーは納得してないと言わんばかりの顔をしている。

「じゃあ、自由ならば、俺も加えてやってくんないかね?あぁ報酬は要らんよ。乗り掛かった船だ。それにまた城に潜入するならプロの手助けが必要だろう?」
ウーディーはニヤっと笑った。


※コメントに続きます

コメント(10)

「いいのか?また危険な任務だぞ?」トーマスも少し心配そうだ。

「あぁ、それにこの一件、情報屋としても面白いしな。それは冗談としても、まだ報酬の釣り銭にゃ足りないからな」
随分と気前よく話す

「ありがとう、それじゃあロンメル城潜入には俺とトーマス、ウーディーの3人で…」

「私も行く。」
シャールの言葉を遮ってジェシカは名乗りをあげる

「相手も手ごわいのはわかってる。だけどそういう時の回復役も必要でしょう?それにダルヴィスでのお返しもしなきゃね。」
彼女の真剣な表情に負けて、頷かないわけにもいかない。

「分かった、それじゃ行くのはこの4人。ダレル殿は城でお待ち下さい。」

「分かりました。」

「それとシスター、留守中はトモヤの事宜しく頼みます」

「えぇ、分かりましたよ。安心して行ってらっしゃいな。」
シスターも温厚そうな笑みを湛えながら 言った

「よし、明日再びロンメル城へ向かうことにする。侵入口はその隠し通路からにしよう。」
そうして4人は再びロンメル城へ潜入し、ケイタ打倒を決めた。

〜〜〜〜〜
明くる日
出発の準備を終えた 4人は早速ロンメル城へと出発した。

このことはトモヤには話していない。
今は精神的にも参っているところ、少し落ち着くまではという理由からだった。

一行は再びロンメル城に到着し付近の森の中にある隠し通路から城内に侵入した…

「さて…ここからは何があるか分からん注意して進むぞ。」
シャールは厳しい表情だ。

「勿論。とりあえず道案内は任せてくれ。俺ゃ一度通った道なら大体覚えてるからね。」
自信あり気にウーディーが先頭を行く。
それにシャールたちも続いて行く。

通路を進み、ダレルの部屋まで出てきた一行はある異変に気づく。

「おかしいぞ……全く人の気配がない。」
トーマスが小声で言った。

シャールも少しだけ開けたドアから様子を窺っているが異変に気付いているようだ。

「なんか…獣臭い。」ジェシカは気分悪そうな顔だ。

「とりあえず、このままここにいても埒があかない。とりあえずケイタのところまで突っ切ろう。」

警戒しながら部屋を出て、一直線に王の間を目指す。
不思議なほど見張りの兵士がいない。
だがその道中…


目の前には魔物が!
慌て隠れる4人。

(城内に兵士じゃなく魔物?まさか…)

なるべく戦闘を避けつつ、時には奇襲をかけながら更に進み、ようやく王の間についたシャールたち。

そこにいたのは…
「やぁ。やはり来たようだね。」
玉座に座っていたのは皇帝ではなくケイタだった。

「ケイタ!ここの人達をどうした!?」

その問いにクスクスと笑いながらケイタは答える

「あぁ、もう用も無いし役にたたないからみんな殺しちゃった♪」

「貴様……!」
トーマスは剣を抜いた。だが、シャールは片手を出して制止する

「迂闊に飛び込むな。こいつは何を仕掛けているか分からんぞ。」

「流石に学習能力があるようだねぇ♪まぁ君たちは散々やってくれたからね。生きては帰れないよ♪」

「上等だ!このクソガキ!」
ウーディーもナイフを出して臨戦態勢だ。

「じゃあ、君らをさっさと殺して早くプロキアの七耀の武器を戴くとしようか。」
ケイタはそういうと玉座から立ち上がりこちらに近づいてきた。

シャールも剣を抜いて構える。

「さぁ…ショウの始まりだ。」

ケイタはスッと手をかざす。
その瞬間、突然ケイタが4体に別れた!

「…な…」
呆気にとられるシャールたち

「あははは♪驚いた?ちなみにどれも本物だからね♪」

そういうと4体のケイタが一斉に襲いかかる!

「ちっ!」


ケイタの錫杖を受け止めるシャール。
後方でも3人がそれぞれ攻防を繰り広げる。

「くくく…他の仲間を心配してる暇があるかな?」
鍔競りになっている状態からシャールの剣を思い切り弾き錫杖を振り下ろす!
が、シャールも態勢を直ぐに立て直してこれを受け止めた。


(ち……以前トモヤが言ってたようにまともに戦っても強い……!)

「僕が策略だけだとでも思ったかい?甘いね、実力を出すなんて最後までとっておくもんだよ。」

いけ好かない笑みを崩さず執拗に攻撃を繰り出してくる。

トーマスたちも押され気味だ。

「さて、お遊びもこれまでかな。」

そういうと、4人のケイタはシャール達を囲む形で散開し、何やら印を結んだ。

「降魔呪縛衝!」

ケイタが叫ぶと同時に漆黒のオーラがシャールたちを包む。

「な…なんなのコレは!」

「身体が…言うことをきかん…」

「これは…あの時と同じ…」
シャールたちは身動きを全て封じられてしまった。

「同じ?甘いね。もはや君たちは僕の意のままにしか動かせない」

「な……」

「そう、つまりはこういうこと♪」

ケイタがそう言った瞬間、ウーディーがシャール目掛けてナイフを突き立てる。
が、辛うじて刃は頬を掠めただけで済んだ。

「う…そだろ?身体が勝手に動きやがる…」

「分かった?君たちはこれから同士討ちで死ぬんだよ♪これ以上ない楽しい戦いだよねぇ。味方の手にかかって死ぬなんてさ♪」

「テメェ……とことん腐ってやがるな!こんなことしてるのは本意じゃないんだろ!?」
トーマスが本気でキレ出した…が身体の自由が利かないのには変わらず、空しく響いただけだ

「あぁ…エリから何か聞いたの?他の連中は知らないが僕は純粋に楽しんでんだけどなぁ?」
笑顔を崩さずにケイタは答える。

「………!」

「さぁ、最初にあの世に行くのは誰かな?」
そう言い放った瞬間、シャールたちはお互いを攻撃し始めた。直撃は殆どないもののダメージは溜まって行く。

「あはは、身体の自由が利かない時の恐怖はどうだい?もっと楽しませてよ☆」


「ざけんなコラぁ………!………ヌォォォ!!」
遂にブチキレたトーマスは気合いで呪縛に抗い始める
それを見たケイタはクスクス笑う
「無駄だよ。気合いなんかじゃ………」

言いかけているとトーマスの動きが止まり、顔やら腕から血管が浮き出している。
「な…」
さすがのケイタも一瞬たじろぐ

「なめてんじゃねぇーーーっ!!!」
叫ぶと同時に周りの黒いオーラが一気にかき消された。

「ようやく…身体が動く」自由を取り戻し、ジェシカやウーディーも感触を確かめている。

「ほぉ……まさか気合いだけで術を破るとはね」

しかし次の瞬間にはトーマスがケイタの分身1体を斬り伏せていた。本当に一瞬の出来事だった。

「ガハッ……」
分身は倒れるとその姿を消した…

「外道が……」
トーマスはキレるとタチが悪い。周りも見えないほど暴走する癖も直ってはいないようだ。

「へぇ……やるもんだね」
ケイタもまだ余裕の表情。

しかし、身体の自由が戻ったとたんにジェシカは素早く回復魔法を唱え、シャールとウーディーも反撃開始とばかりに残りの分身2体を瞬く間に倒す。

トーマスも残る本体と切り結んでいた。

この段階までくるとケイタの表情にも余裕の色が消えていた。
「まさかここまでやるとはね…」

錫杖を構えながらケイタが言う

すかさずシャールとウーディーも飛びかかり斬り込み、熾烈な攻防を繰り広げた。
ジェシカも魔法で援護する。

「くそっ……まさかここまでやるとはな。」
先ほどまでの口調と変わって余裕がなくなってきてるのが分かる

と、次の瞬間にはトーマスの剣がケイタを捉え、肩から切り落とした。

「グワァァっ!」

肩を押さえながら、後退するケイタ。

シャールらも追撃しようとしたが………

ケイタはスッと消えていった。

「!!」

「逃げた…か。」

その時、城内にケイタの声が木霊した
「おのれ……今日は僕の負けを認めよう。だけど今度こそ君らの息の根を止めてやる……」


その台詞の後、城内の邪悪な気配は消えていった。


「ふぅ……なんとか勝った…」
剣を収めながらシャールは言った。
張り詰めた戦いの後で少し脱力したようだ。

ドカッ

トーマスは無言で壁を殴った。
怒りのやり場をなくしているようだ。

「トーマス、ひとまず引き揚げよう。」

シャールは冷静に促し、一度ダミュールまで引き揚げた。
ダミュールへ戻ると、4人はすぐさま城へ報告に向かった。

「シャールたちよ。大儀であった。ひとまず我が国の危機はひとまず去った。……が、手放しでも喜べぬな」

王は隣にいるダレルを見やった。

「いえ…この度の一件は父が招いた事。シャール殿らには何の落ち度もありませぬし。お気になさいませぬよう…」

「かたじけなく存じます」
トーマスが言うと4人は頭を垂れた。

「これからのことも考えねばならぬが、この一件でも皆疲れたであろう。残りのことはそなたらに任せる。トーマスよ、しばし国防の任を解く故、シャールたちと今後の対策を練るように」

「かしこまりました。」

こうして、シャールたち4人とダレルは城を出た。

道を歩きながら…

「ダレル殿はこれからどうなされるおつもりで?」

「まずは国へ帰り、復興に務めようと思います。しばらくしたらまた会いましょう。その時は旅の仲間にまた入れてやって下さい」
父を殺されたばかりで辛いだろうにダレルはそんなそぶりを見せず笑った

「わかりました。」
そういうとシャールも笑って答えた
〜〜〜〜〜〜
一方そのころ……

「手ひどくやられたな。しかもエリまで失うとは。」
相変わらずの仏頂面でサトシが言った。

「言い訳のしようもない。」
傷が痛むのか肩を押さえつつもケイタは神妙な面もちだ

「珍しいな。お前がそう言うとはな。しかし、生き残ったのが俺とお前だけ…か。」
サトシは遠い目になる

「そうだね……」
「死ぬなよ。目的を達成するまではな。」
「ああ、そう簡単には死ねないさ。あと少し・・・あと少しなんだ。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ダミュールを出るところまでダレルを見送るとシャール達は家路につく。

が孤児院へ着くとシスターが血相を変えて出てきた。なにやら尋常な様子ではない。
「シスター、どうしました?」
シャールは怪訝そうな顔をして尋ねるとシスターが
「トモヤ君が・・・さっきからいないのよ!!ちょっと前までは部屋にいたのに・・・」

「なんですって?」
「他のシスターや子供たちにも手分けして探してもらってるんだけど・・・」
年老いたシスターはオロオロするばかり

「分かりました。俺たちも探しに出ます」
旅の荷物を置いたあと、シャールたちも手分けしてトモヤを探しに出かけていった。


続く

〜作者の独り言〜
なかなか上手いこと書けなくて悩むところですが・・・
アイデアはそれなりにあるんですが、それらを上手く繋げられないってところですかね。
ちなみにケイタ君、どうするか迷った挙句、まだ生きててもらうことにww
しかし、こういうキャラが一番書くのが面倒臭いんですよね(笑)

肉弾戦は楽なのですが、特殊攻撃多用系のバトルになると難しいかな?

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