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大西宏の夢を求めて今を生きようコミュの泣きやまぬ初夜

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「泣きやまぬ初夜」

・・・僕が最近書いた小説のタイトルだ。
かって、ぼくは小説家になりたいという夢を持っていた。そして、田久保英夫氏をはじめとする一級作家による小説創作教室の3箇所に参加した。

ビジネスのアニマルとして暗黒の精神世界にあったぼくの心にその学びは砂漠のオアシス以上であった。
過去の失敗や罪が急に光を帯びた。

しかし人1倍自己主張欲が強いぼくにとって、小説〜文学というメディアはあまりにも婉曲で性に合わず、ビジネス書に偏って行った。

ところが、別に賞など取れなくてよいが、「周りの人が一定の評価をしてくれる小説をいつかは書いてみたい」という夢のトグロは消滅しなかった。

そこで昨年年ある同人誌のグループに入って処女作を書いた。
この夢を抱いてから20年目のことである。

先日のオフ会の人たちの要請を眞に受けてここに連載する。

書いてみて小説というのもずいぶん自然な形でリアルに自己主張できるなと思った。
さてぼくは、状況の写実以外一体何を主張したかったのだろうか?

連載小説 泣きやまぬ初夜(第1回)

■川崎等々力サッカー場、隣の席は、若い女性が一人だけ、横目で想像するとキュートな美人らしい。綾子といった。隣同士の若い男と女――周りの目にはきっと恋人たちに見えただろう。

ハーフタイムにとうとう正雄が
「札幌のご出身ですか?」
「ええ」
「ぼくもです」

ゲームはコンサドーレの快勝となり、熱くなった二人は人の波の中で並びながら流されていった。

■武蔵小杉の駅前のスターバックスの前で、
「お茶でも飲みませんか」
時の成り行きが言わせた義務のような常套句だった。

カフェのなかで、二人の会話はゲームのときよりも弾んだ。
好きな歌手、俳優、作家、ブランド、映画はては政党まで――あまりの一致にたがいに驚きあったが、ボタンは一つ掛け違わなければすべて掛け違わないということにすぎないことであったのかもしれない。

しかし、正雄と妻の蓉子とでは、話題にならないことが多かった。
この男女が引き合って、すくなくとも恋愛までは発展しても何のふしぎはなかった。もし正雄が独身だったなら・・・。

彼が、この場で妻子を持っていること告げるにしては余りにも雰囲気が親密になりすぎていた。

それに正雄には、結婚した今も「ヤングレディにももてることができるのか?」そして「男と女の友情は存在しうるのか?」について試したいという命題があった。

■二人は、カフェを転々として合う瀬を楽しむこととなった。
 ところが、そのうち、その光景を目撃した蓉子の友人朱美が彼女に注進に及んだのである。

蓉子が衝撃を受けたのはもちろんだが、そこは、売り場のチーフとして修羅場をくぐった彼女のこと、
「もうちょっと泳がしてみるわ。悪いけどもう二、三度見たらいってくれない?」

三回目の目撃をした朱美の
「次は多分火曜日に新宿南口のスタバに現れるのでないかな。あの近くのホテルの前でも見たような気がするから」
という場所まで特定する情報に対して、蓉子はやっと動いた。(続く)

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