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ミステリアスハンドルネームズコミュの第八話 そして時は動き出す(その3)

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酒井さんから秘密を聞いた後も
僕は何食わぬ顔でバイトをこなしていった。

何も知らないフリをして
ただひたすらドモホリアンを見つめる。

まあ見つめながら
(こいつは見るからにドMだなー)とか
(うわっ、こいつわざとおしっこ我慢してるなー、変態だなー
 …でも気持ちはわかるなー)
とかは自然に考えてしまうが、
それでも普段どおりに仕事をこなしていった。


そしてあれから一週間後の今日…

この日も特別変わったことは起こらず
いつものように仕事を終える。

どうやら今日はドモホルンリンクルの抽出機器の
メンテナンスをするということで、
他の従業員達も早めに仕事を切り上げて、足早に会社を後にした。


すでに会社に残ってるのは僕と酒井さんの二人だけだ。

…まあだからといって
別にこれから一緒に夕食をしようというようなフラグが立ったわけでもなさそうなので
そろそろ僕も帰ろうかな、と思った
その時…


「さあ近藤君。はじめるわよ。
 その抽出器の前に立ちなさい。」

え!?

「酒井さん、抽出器の前って…!
 まさか僕が、
 僕が今からドモホリアンとしてパルプンクルを作るのでしょうか!」

「そうよ!何を驚いているのよ!
 とっくに覚悟はできているんでしょ?
 いよいよ今日が決行の日よ!」

「きょ、今日ですか!
 だって今からメンテナンスがあるんじゃ…」

「バカね。メンテナンスをすると会社に伝えたのは私なのよ。
 みんなを帰らせるための口実なの。
 …まあ普段も主に私がメンテナンスをしてるからみんな普通に信じて帰ったけれどね。
 さあ、邪魔者はいなくなったわ!さっさと位置につきなさい!」


そ、そういうことだったのか。
たしかにこれは極秘でやらなければいけないことだ。
二人っきりになったこの状態こそ、僕らのパルプンクルを作るのにふさわしいのだろう。

しかし…僕に果たして
パルプンクルなんてモノが作れるのだろうか…

それに…


「さ、酒井さん。
 僕がドモホリアンとしてがんばるのはわかりますが、
 これだと僕を見る人…つまり事象確定者がいないじゃないですか!」

「…あら?目の前にいるじゃない。」


な!?

さ、酒井さんが事象確定者!?


「前に言ったわよね。
 私はこの会社で事象確定者として目覚めたと。
 …こう見えても社内では
 「伝説の事象確定者 ドSの酒井」と言われて恐れられているのよ。
 「視姦の魔術師」とも言われたわね。
 
 まあ最近はほとんど現場には出てないし、
 感情も失っているんだけど、
 なんとなく昔の記憶を思い出しながらやってみるわ。
 だから心配無用よ!さっさと位置につきなさい!」


ドSの酒井…
な、納得だ!
さっきからなんかドSっぷりがびんびん伝わってくる!
酒井さんもそのへんの記憶を思い出しつつあるのだろう。


そしてこれは僕にとっても朗報だ!

さ、酒井さんが見てくれるなんて!
しかも酒井さんはドSだ!
もうそれだけで興奮してしまう!

僕はさっそく抽出器から垂れる液を見つめ始めた。
思わず興奮して叫んでしまう!


「うっほほーい!がんばるぞー!!」

「だまれ!ブタ近藤!
 いい?ドMエネルギーってのは興奮状態のときに発する
 内に秘めたるエネルギーのことなのよ?
 声なんか出したらそのエネルギーが
 単なる音のエネルギーに代わってしまうだけじゃない!
 ドモホリアンたるものは声を出さずにじっと見つめるのが基本なのよ!」
 
「ひっ すいません」

「…わかったらさっさと口をつむぎなさい!」


もっと叱ってほしいという思いをぐっと抑えて
僕は抽出器の液垂れを見つめ始める。

そうだ…気を一点に集中しなければ。
液が垂れる瞬間を見逃してはならない…。
そしてその液の色が変わる瞬間も決して見逃してはいけない。

この仕事は興奮しつつも集中力というものが必要だ。
生半可な気持ちで挑んではいけない。

僕は改めて覚悟を思い出す。


誓ったはずだ。

酒井さんを救うという覚悟を。

終わりのない苦しみに終止符を打つことを。

そして今なら30倍のくささの酒井さんのうんこでも飲み干せる覚悟があることを。


僕は気を一点に集中した。






…待てよ。
よく考えたら
別に30倍のくささの酒井さんのうんこを飲み干す決意はしていなかったな。

30倍の辛さのカレー味の酒井さんのうんこでも
30倍のくささの酒井さんのうんこ味のカレーでも
どちらでも飲み干せる覚悟があるとは決意したけど、

そんなダイレクトに
30倍のくささの酒井さんのうんこを飲み干す、
なんてのは決意してないや。


…いや、でも今なら飲み干せる。

…むしろそれが飲みたい!

その気持ちが自分の興奮へとつながっていくのがわかる。
ドMエネルギーへと変換されていくのが自分でもわかる。

うん、いいぞこの感覚だ。
自分に正直になるんだ…
僕は今限りなく興奮している。







どのくらい時間が経っただろうか。

僕はふと垂れたドモホルンリンクルの液を反射的に見た。





…色が変わった!




迷わず手をあげる!

そして思わず叫ぶ!

「さ、酒井さん!」





「…確認したわ。」

酒井さんも確認した!


つ、ついにパルプンクルが!
僕達のパルプンクルが生成した!!



「さ、酒井さん!やった!」

そして酒井さんは生成したパルプンクルへと歩み寄り、
そのビンを手に取る。


…なんてきれいな色のパルプンクルなんだ!
こ、これを僕が作ったのか!


酒井さんもその鮮やかな色に
目を奪われるかのようにパルプンクルを見つめる。


そしてそれをひとしきり確認した後、

酒井さんは
それを






投げ捨てた。




「な、なんで捨ててしまうんですか!…しかも投げ捨てるって!
 せっかくのパルプンクルが!!」

「…近藤君、
 あなたこれ見覚えないの?
 …数日前に他のドモホリアンが作った青色のパルプンクルと全く同じじゃない!」


え!?

青色って、まさか…
うんこが30倍くさくなるっていう…


「近藤君、あなたまさか
 うんこのことを考えていなかったでしょうね?」

「あ、いや…
 それはその…」


そういえば考えてたな。


「私もうすうす感じていたけど、あなたの弱点はね
 すぐ考えをうんこ方面へ持っていってしまうことなのよ。
 あなたも消毒処分になりたいの?
 …もうちょっとやってくれると思ってたのに。」

「す、すいません」


ホント、その癖だけは自分でもどうにかしたい。
…なんだか自分が情けなくなってきた。

もう本当に。


「…ただね、一応言っておくわ。
 初めてなのに…ものの1時間でパルプンクルを生成できたこと。
 これは…すごいことだわ。」


1時間!?
そうか、知らぬ間に1時間が経過していたのか。


「あなたも今まで仕事をしてきてわかっていると思うけど、
 パルプンクルなんて1日で1個できるかできないかぐらいのものよね。
 それほど確率操作の難しい事象なのよ、本来。
 それをこの短時間で生成するなんて…
 よほどドMのエネルギーが強いのかもしれないわね。
 …そこだけは素直に評価してあげるわ。」


「へへっ…いやー照れるなー。」

「…別に褒めてるわけじゃないのよ。
 ただあなたが変態だってことを言いたいわけ。
 うぬぼれないでね。」

「ひっ、は、はい!」

「…わかったらさっさと位置につきなさい。
 すぐ始めるわよ。」


もっと叱ってほしいという思いをぐっと抑えて
僕は再び抽出器の液垂れを見つめ始めた。


そしてとりあえずうんこのくだりとは一旦距離をおく覚悟をした。


その4へ
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=28253741&comm_id=2957951

コメント(3)

私と酒井さん、どっちがドSの度合いが高いのだらうか…
もうドMでスカトロで・・・ 近藤くんの初めての相手が酒井さんでよかったねえというかなんというか、ねえ。

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