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憂国の士コミュの皇后さまからのエール

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http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1816250418&owner_id=24780600 【皇后さまからのエール

平成9年1月2日、島根県隠岐島沖でロシアのタンカーが重油1万9千トンを積んだまま沈没し、流出した重油が日本海沿岸各地をどす黒く汚染した。

しかし、その後、沿岸住民やボランティアの活動により、美しい渚が復元された。

その渚をご覧になった皇后さまは次のように述べらている。

「重油流出事故に関しても、このようなことが二度とないことを願う一方、災害にわたって現地の人々が示された忍耐と実行力、全国のボランティアによる地道な支援活動には、深い敬意を覚えます。日本海のいくつもの渚が、その石のひとつひとつまで人々の手にぬぐわれ元の姿に戻されたことを、これからも長く記憶にとどめたいと思います。」

この時の感銘を詠われたのが、次のお歌である。

日本海重油流出事故

[汚染されし石一つさえ拭われて清まりし渚あるを覚えむ]

このお歌を読んで、次のように評した人がいる。

大震災ではお世話になったとて、今度は関西の某高校がバスを連ねてボランティアに馳せ参じたりもした。

この日本人である日本国民の人たちはロシアに恨みつらみを言う前に、お互いに助け合うのである。石ひとつひとつの油の汚れをぬぐうという気の遠くなるような作業を黙々とやる日本国民である。

このように日本国民が相互に「助け合う」姿を、皇后さまは今後のあるべき社会の姿として考えられている。

新しく開けてくる世紀には、家族の価値が見直されるとともに、家族の枠組みを超えて社会が連帯し、人々が今まで以上に相互に助けあっていく時代が来るのではないでしょうか。

この力強い連帯の中で、私も社会の出来事に心を寄せつつ、人々と助け合って、同時代を生きたいと思います。

このメッセージの中心は、「連帯」「助け合って」であるが、その前提となるのが、「心を寄せつつ」であろう。

このやさしい、ありふれた言葉に、どれだけの豊かな、深い意味が込められているのか、具体的に皇后さまのお歌からたどってみよう。

平成7年歌会始御題 歌

[移り住む国の民とし老いたまふ君らが歌ふさくらさくらと]

平成6年6月23日、米国ロサンゼルスの日系人引退者ホームを慰問された折のお歌である。

この時の写真を見ると和服姿の皇后様が腰をかがめて、深く頭を垂れた老女の手をとられて、何事かを語りかけていらっしゃる。

わざわざの和服姿は、老人たちの望郷の思いに沿いたいとの思し召しであろうか。

米国でもブラジルでも、日本人は出稼ぎや異邦人としてではなく、移住した国に溶け込んで立派な国民として生きていこうという姿勢が強かった。

第2次大戦中の排日の嵐の中で、日系青年たちは米国に忠誠を示そうと、強制収容所から志願してヨーロッパ戦線に出征し、多大な死傷者を出しながらも、米国戦史に残る功績をあげた。

このホームの人々は、そうした兵士やその家族として、悲しくも雄々しい一生を生きてきたのである。

「さくらさくら」と祖国への思いを秘めながら、それを支えに「移り住む国の民とし」て立派に生き抜いてきた老人たちの一生に、皇后さまは深く心を寄せられているのである。

[多摩全生園を訪ふめしひつつ住む人多きこの園に風はこびこよ木の香(か)花の香]

平成3年3月4日、国立療養所多摩全生園を訪ねられたときのお歌である。

同園は明治42(1909)年創設された日本最初のハンセン病療養施設で、両陛下は二度目のお見舞いであった。

失明した患者達に、春浅き庭の木の香り、花の香りを運んで欲しいと風に祈られたものである。「風はこびこよ」と緊迫したご表現に続き、「木の香花の香」と「か行」音をたたみかける語調に、皇后さまの祈りの一途さが偲ばれる。

私の目指す皇室像というものはありません。ただ、陛下のお側にあって、すべてを善かれとお祈り続けるものでありたいと願っています。

人々に心を寄せれば、それはかならずその人々に「善かれ」と念ずる祈りにつながるのである。

英国にて元捕虜の激しき抗議を受けし折、かつて「虜囚」の身となりしわが国人の上もしきりに思はれて

[語らざる悲しみもてる人あらむ母国は青き梅実る頃]

平成10年5月に英国を訪問された時に、大戦中、日本の捕虜だった旧軍人の一部がプラカードを突きつけ、両陛下に背を向けて、かつて日本軍から受けたという残酷な仕打ちに抗議したのであった。

両陛下は無名戦士の墓に花を捧げられ、両国の和解に心を尽くされた。

英国では、元捕虜の人たちの抗議行動があり、一つの戦争がもたらす様々な苦しみに思いをめぐらせつつ、旅の日を過ごしました。

先の戦争で、同様に捕虜として苦しみを体験した日本の人々のことも頻りに思われ、胸塞ぐ思いでした。傷ついた内外の人々のことを、これからも忘れることなく、平和を祈り続けていかなければと思います。

万葉集研究等で何冊もの著作をものされている廣瀬誠・元富山県立図書館長は、このお歌に対して、「日本人の悲しみと目に沁む梅の実の青い色とが渾然とひとつに溶けて、ひしひしと読者の心を打つ」と評された。

「語らざる悲しみ」を抱きつつも懸命に生きる人々は、やがて心中に美しい青色の実を実らせるのだろう。

その生き様に心を寄せられたお歌である。

大震災後三年を経て

[嘆かひし後の眼(まなこ)の冴えざえと澄みゐし人ら何方(いづかた)に住む]

両陛下は、阪神淡路大震災の2週間後に被災地をお見舞いされた。

この時のことを、皇后さまは次のように語られている。

「言語に絶する災害の場で、被災者により示された健気な対応と相互への思いやりに、深く心を打たれました。今も一人ひとりが多くを耐えつつ、生活しておられることと察します。時をかけて、被災者の心の傷が少しずつ癒されていくことを願いつつ、被災地のこれからの状況に心を寄せ続けていきたいと思います。」

自らの嘆きにおぼれることなく、互いの助け合いに立ち上がった人々の「冴えざえと」澄みきった目を思い出しながら、それらの人々のその後の生活に、心を寄せられているのである。

重油で汚れた一つひとつの石を拭う人々、異国でその国民として懸命に生きる人々、失明してもくじけずに病と戦う人々、 戦争の悲しみを秘めつつ生きる人々、震災の嘆きに負けずに助け合う人々。

皇后さまが歌われた人々には、一つの共通点がある。

皇后さまは一昨年のご講演で、古事記などの読書を通じて「私たちは、複雑さに耐えて生きていかなければならないということ」を学んだと語られた。

皇后さまが歌われたこれらの人々は、まさにそれぞれの人生の複雑さ、運命の重みに耐えながら、健気に雄々しく生きる人々である。

「やはり努力をしている人々の仕事に対して、それをいつも誰かが見ていて、そして、よくあれかしと願っているということは、大事なことではないか、また、大勢の人がそういう気持ちでいるというようなことは、形に出なくとも大事なことだと思っております…」

国際的な分野で仕事をしている人を念頭におかれたお言葉だが、より広く、それぞれの人生の複雑さに耐えて生きている人々全体に向けられたものと捉えてもよいであろう。

皇后さまはこのようなお気持ちで、人々に心を寄せ、背後から暖かい視線を注がれているのである。

皇后さまのお歌を通じて、そのような心持ちが広く国民の間に広がれば、それが「連帯」と「助け合い」の基盤となる。

皇后さまのこのような姿勢は、皇室の伝統的精神を昭和天皇や今上陛下から受け継がれたものである。

今上陛下も「心を寄せる」というお言葉をしばしばお使いになり、それが皇室の本質的なあり方であると言われる。

政治から離れた立場で国民の苦しみに心を寄せたという過去の天皇の話は、象徴という言葉で表すのに最もふさわしいあり方ではないかと思っています。

私も日本の皇室のあり方としては、そのようなものでありたいと思っています。

歴代の天皇が国民生活に心を寄せられた様を、いくつかの御製(天皇のお歌)から紹介しよう。

(阪神大震災のお見舞いでの御製 今上陛下)

[なゐ(=地震)をのがれ戸外に過す人々に雨ふるさまを見るは悲しき]

終戦時の御製(昭和天皇)

[爆撃にたふれゆく民のうえをおもひいくさとめけり身はいかならむとも]

北海道夕張なる若鍋炭山の爆発しける時 (大正天皇)

[うもれたる国のたからをほる人のあまたうせぬときくぞ悲しき]

(日露戦争時の御製 明治天皇)

[いたで(戦傷)おふ人のみとりに心せよにはかに風のさむくなりぬる]

わが国の長い歴史で、皇室と国民とが相対して権力を争いあうようなことはほとんどなかった。

皇室はいわば国民の背後にあって、その様を見守り、苦しみに心を寄せ、安寧を、苦しみに心を寄せ、安寧を祈られてきたのである。

「人々が今まで以上に相互に助けあっていく時代」をもたらすには、皇室が国民生活に御心を寄せられるが如く、国民相互が、お互いの苦しみ、悲しみに心を寄せ合っていくことが前提である。その中で、青年の果たすべき役割は重要である。」

サッカー・ワールド・カップ ゴール守るただ一人なる任にして青年は目を見開きて立つ、わが国が初出場を果たしたワールド・カップ・フランス大会では、世界の強豪を相手に堂々の戦いを演じ、特にゴールキーパーを中心とする守りは見事であった。

「任(にん)」「立つ」という短くも鋭い語調は、ただ一人ゴールを守って立つ青年の凛とした姿と照応している。

ここで気づくべきは、このゴールキーパーは、チームの一員として、他のメンバーと共に戦っていることだ。

それぞれの「任」を凛として果たそうとする青年たちが、お互いに心を寄せ合い、力を合わせれば、世界の一流チームに対しても立派な試合ができる。

このお歌は、これからのわが国の将来を担って、国際社会に活躍しようとする国際派日本人に向けた皇后さまからのエール
であろう。

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