ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

患者(医療消費者)のための医療コミュの増える「患者の責務」明記する病院 難しさ包含する「権利」と「責務」の表現 「支払い」要請など具体的表現は控えめ

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 ホームページ上に患者の責務や要請事項を明記する病院が増えている。特定機能病院ではほぼ半数、都市部の病院でも3割が明示している。患者の権利意識の高揚や病院評価の厳格化などが背景とみられ、病院側でも患者の責務や義務を明示することで、診療現場の秩序や安全を守りたいとの認識が強まっていることが明らかだ。患者への要請内容は、適正な情報の提供、院内規則や医療スタッフの指示の順守、他の患者の療養環境保持など幅広い。ただ表現は病院によってばらつきがあり、抽象的なフレーズにとどまるものから、医療費の支払い義務、暴力行為やセクシャルハラスメントの抑制など具体的な「責務」を明記する病院も現れはじめている。

● 具体化させた名古屋共立病院の試み

 名古屋市の医療法人偕行会名古屋共立病院は今年初めから、患者の自己責任に関して病院としての姿勢を示す方法を検討、4月からホームページ上で「患者の権利」に付則を付ける形式で、患者の「義務」、や「順守事項」を明記している。

 「患者様の権利と病院からのお願い」と題されたこのページでは、6項目にわたる患者の権利を示した上で、「病院として歓迎できない患者の行為」を具体的に表現した。

 同病院の山口久代事務局長は、患者の権利を明記することは医療機能評価にもつながるため、高度医療を展開するためには明記は必須との認識があったとしながら、「ここ数年、医療内容に満足がいかない、納得ができないという患者さんが増えてきた」という印象があるという。そこから「患者の権利には認識を持ちつつも、患者にも守ってほしいことを伝える必要があるのではないかと考えた」と、今回の対応に進んだ背景を語る。

 山口氏によれば、病院として患者に求めたいことのテーマは大別すれば2点だ。1つはモラル、もう1つは支払い。モラルに関しては、「当病院が目立って多いというわけではないが、大声を出す、退院に応じないなどのケースが年に数件は起きていた」(山口氏)。このため病院としては患者の暴力、暴言、強要などから医師、看護師を守る必要が生まれてきたという。

 いわゆる未収金に関しては、同病院はかなり事前対応を徹底してきたこともあって、年間で400万円以下。しかし、事前対応を強める際には院内での徹底的な議論があった。

● 患者と「協働」するために

 1月から始まった同病院の「患者の権利」に関するホームページ上の記載内容に間する議論は、院長を交えた幹部クラスで熱心に進められた。その結果、「患者をペーシェントとした概念でみると、医療は一方通行的にならないかという議論を土台に、治療という目的、病院の成立という観点からは、患者は協働する“クライアント”としてとらえるべきではないかという考え方が生まれた」(同)。

 「患者の権利」を明記するのは、目的の1つとして患者と医療者の立場を公平にし、医療効果と医療安全につなげるという認識があるが、山口氏は「明記する以上、形式だけ整えるのではなく実効性がなければ意味がない」という。そのためには患者とのコミュニケーションを大事にする一方で、医療者側からも「患者に求めることは求め、自己責任を自覚してもらう努力」が必要との認識が生まれてきたという。

 モラルに関しては、患者の暴力や強要、セクハラといった問題が、医師や看護師を「疲弊させる」ことに、患者の理解を求める。同時にスタッフにも、「スタッフは病院側が守るということを徹底した」といい、セクハラまがいや暴言などの行為があった場合には「看護師などに決して(患者に)遠慮はさせない」ことも徹底した。こうした病院側の姿勢を具体的に示すためにも、4月からは警察官OBを採用して院内警備も強化した。

 「特に実際に医療現場で噴出しやすいのは5番目の『説明を受ける権利』。医療側として最善を尽くすのは当然だが、パーフェクトを求める患者さんとの摩擦は避けられないケースがある。スタッフはこのテーマの意味を理解するとともに、最善を尽くしても聞き入れられない場合は病院が守ることを、今後も徹底していく」方針だ。

● 患者に求めることも情報開示

 病院にとって、もうひとつ大きなテーマは未収金だ。同病院は6番目に明記した。同病院はすでに数年前から、かなり厳しい未収金対応を実施している。

 山口氏は、「協働という観点でみれば、対価を払わない人はクライアントとはいえないのではないか」とし、未収金について透明性ある姿勢を病院が打ち出す必要を強調する。外来時に保険証を持たない患者は前金(3万円)の用意を求める、保険証を忘れた患者にはクレジットカードのコピーを求める、未収金者の再診には応じないなどの「原則」をつくって運用している。このため、同病院の未収金発生は非常に少ない。すでに、支払いに関しては「歓迎しません」とする患者は激減した。

 それでも今回、この問題を明記したのは、「やはり病院の姿勢を明確に示すことで、患者さんとのコミュニケーションは良くなるという確信があるから。病院が地域に対し、情報開示していくためには、病院として患者に求めることも伝えるべきだと思う」と同氏は語る。

 しかし、「患者の責務」を掲げる病院のホームページは増えているとはいえ、名古屋共立病院のようにモラルや支払いに関して具体的に踏み込んだ表現をとる病院はまだ少数派だ。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

患者(医療消費者)のための医療 更新情報

患者(医療消費者)のための医療のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング